キスの日 (記念日 5月23日)

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昭和の時代、日本の映画界に新たな風が吹き込んだ瞬間、それが「キスの日」の起源です。思えば、あの時代にあってキスシーンはまさに革命的な出来事だったのですね。

キスの日の歴史的背景

映画『はたちの青春』と初キスシーン

1946年(昭和21年)、戦後の混乱がまだ残る中、日本の映画界に一石を投じる作品が登場しました。それが佐々木康監督の『はたちの青春』です。この映画は、日本で初めてキスシーンを含む作品として知られており、そのシーンは多くの日本人に衝撃を与えました。

映画のキスシーンは大坂志郎と幾野道子のわずかな唇の接触で表現されていましたが、その瞬間が新たな文化の幕開けを感じさせたのです。しかし、実際には彼らの唇の間にはガーゼが挟まれていたという裏話も残っています。

GHQの影響とキスシーンの要求

当時の日本映画はGHQの検閲下にありました。民間情報教育局(CIE)のデヴィッド・コンデは、『はたちの青春』の脚本が当初と異なることを指摘し、キスシーンの挿入を要求したのです。これは、戦後の日本に西洋文化を広める一環とも言えるでしょう。

もう一つの「初キス」映画

実は『はたちの青春』以前にも、キスシーンが登場する日本映画があったという話があります。それが川島雄三監督の『ニコニコ大会 追ひつ追はれつ』で、1946年(昭和21年)1月に公開されたとされています。これが真実であれば、『はたちの青春』のキスシーンは「初」ではなかったことになりますね。

キスの日と現代の映画文化

キスシーンの変遷

キスシーンは、その後の日本映画において恋愛表現の一つとして定着しました。時代と共に表現の自由度は広がり、現代では様々な形で観客に愛の形を伝えています。

キスの日の現代的意義

「キスの日」は、映画だけでなく、日本の文化や恋愛観に大きな影響を与えた日と言えるでしょう。現代においてもこの日を記念して、恋人たちが愛を確かめ合う日として認識されています。

キスの日を通じて見る日本文化

キスと日本の恋愛文化

キスは恋愛の象徴として世界共通の理解がありますが、日本特有の恋愛文化としてのキスの位置づけは、歴史を通じて変遷してきました。戦後のキスシーンがもたらした文化的衝撃は、日本人の恋愛表現における大きな転換点だったのです。

キスの日から考える日本のメディア

メディアが社会に与える影響は計り知れないものがあります。キスの日は、映画を通じて日本の恋愛観や文化に新たな一面を加えた歴史的な出来事として、今日でも多くの人々に語り継がれているのです。