遺品整理の日 (記念日 9月19日)
故人が日々使い続けた家具、衣類、食器、写真——それらをひとつひとつ丁寧に扱い、遺族の意向を聞きながら整理していく仕事が「遺品整理」です。9月19日は、その遺品整理サービスを手がける株式会社アヴァック(大阪府箕面市)が制定した「遺品整理の日」で、日本記念日協会に認定されています。日付の由来は二つあります。一つは「クイック=9.19」という語呂合わせで、依頼された遺品の整理をすぐに行うという姿勢を表しています。もう一つは、9月が秋の彼岸の月であること。祖先を供養するこの時期に、故人の遺品も丁寧に供養して整理し、遺族が新たな一歩を踏み出すきっかけにしてほしいという願いが込められています。
遺品整理サービスとは、亡くなった人が生前に使用していた生活雑貨・衣類・家具・電化製品などを、遺族の想いに寄り添いながら整理するサービスです。単なる片付けとは異なり、遺族にとって大切な品を慎重に見分け、形見として残すものと処分するものを丁寧に仕分けていきます。
日本では高齢化と単身世帯の増加を背景に、遺品整理の需要は急速に拡大しています。遺品整理業者の認定数は2015年の約2,560社から2021年には約12,500社へと、わずか6年で5倍近くに増加しました。市場規模も2012年時点の約288億円から2017年には約639億円へと倍増しており、現在では5,000億円を超えるとも試算されています。孤独死(自宅で誰にも看取られずに亡くなるケース)は年間約6万8,000件にのぼるとされており、こうした現場での対応も遺品整理業者が担う重要な役割の一つです。遺族が遠方に住んでいる場合や、高齢で自力での作業が難しい場合など、専門業者への需要が生まれる背景は年々多様化しています。
「遺品整理の日」は、このサービスの社会的な意義を広く知ってもらうとともに、遺族が故人を偲びながら新たな出発を迎えるための日として位置づけられています。秋の彼岸の季節に、故人の遺した品々と向き合う時間を持つことを、この記念日は静かに促しています。