紅葉の見頃予想発表日 (記念日 9月30日)

紅葉の見頃予想発表日

秋の葉が赤く染まるのは、葉の中の色素が入れ替わるためです。夏の間、葉を緑に保つクロロフィルは、気温が下がり日照時間が短くなると分解されはじめます。すると隠れていたカロテノイド(黄色・橙色)が姿を現し、さらに葉に蓄積されたグルコースからアントシアニンという赤い色素が新たに合成されます。これが紅葉の正体です。最低気温が8℃を下回ると色づきが始まり、5〜6℃以下になるとさらに加速するといわれています。

美しい紅葉には三つの条件があります。十分な日照、乾燥した空気、そして昼夜の気温差です。日中に光合成でたっぷりとグルコースを蓄え、夜間に気温が急激に下がることでクロロフィルの分解とアントシアニンの合成が一気に進みます。曇りや雨が続いたり、秋になっても夜温が高かったりすると、発色が鈍くなります。近年は温暖化の影響で各地の見頃が遅れる傾向にあります。紅葉の見頃予想は、気温データと葉の色づきの関係をあらわした予測式をもとに計算されます。地点ごとの過去の気温推移と今後の気温予測を組み合わせ、「紅葉が5割以上進んだ状態」を見頃として算出する仕組みです。対象はイロハカエデで、北海道では樹種の分布にあわせてヤマモミジ・オオモミジ・イタヤカエデが使われます。山岳地帯では標高100メートルにつきおよそ2〜3日早まるとして標高補正も加えられます。

かつては気象庁が生物季節観測の一環として全国の標本木でカエデの紅葉を観測し、その結果をもとに発表が行われていました。しかし都市化の進行で観測環境が変化し、2021年以降は観測体制が大幅に縮小されました。現在、紅葉の見頃予想は一般財団法人・日本気象協会が運営するサイト「tenki.jp」を中心に、9月下旬から10月にかけて第1回予想が発表され、シーズンを通じて随時更新されます。平年の見頃は、北海道が10月下旬、東京都が11月下旬、鹿児島県が12月上旬と、北から南へおよそ2か月かけて列島を縦断します。

世界60数か国で生物の季節観測が行われていますが、桜の開花や紅葉の見頃を数週間前から予測・公表する国は日本のほかにほとんどありません。四季の変化が鮮明な日本ならではの予測サービスです。