104の日 (記念日 10月4日)

皆さんは「104の日」という記念日をご存じですか？この日は、あのNTTタウンページ株式会社が制定した特別な日で、東京都港区虎ノ門の企業が、自社の電話番号案内サービスをPRするために設けたものです。しかし、この記念日には単なるPR以上の意味があるのではないでしょうか。

104番のサービスとその変遷

かつて、私たちが企業やお店の電話番号を知りたいときは、どうしていましたか？そう、104番に電話をかけて案内してもらうのが一般的でした。このサービスは、名称や業種、住所から電話番号を簡単に検索できる便利なものでした。しかし、時代の流れとともに、このサービスの形も変わってきました。

1990年（平成2年）には、通信料金の引き下げを目指す一環として、104番のサービスが有料化されました。無料から有料への移行は、利用者にとって少なからず影響を与えたでしょう。それでも、速やかな電話番号の案内を求める人々のニーズは変わらず、サービスは続いています。

私自身も、かつてはこの104番に頼っていた記憶があります。インターネットが普及していない時代には、この番号案内サービスが、まさに情報の糸口だったのですから。

インターネットの普及により、情報の取得方法は大きく変わりました。それに伴い、104番のサービスを利用する人の数も自然と減少しています。しかし、それでもなお、電話番号案内をスピーディに行ってほしいというニーズは高く、サービスは継続されているのです。

特に、インターネットが使えない環境や、すぐに情報を得たいという状況では、電話一本で解決できる104番のサービスは、今でも重宝されています。このように、時代の変化とともに進化し続けるサービスの姿には、私たちの生活と密接に関わる歴史が刻まれているのです。

2020年（令和2年）時点での料金体系を見てみると、NTT東日本・NTT西日本の一般電話では、月に1案内の場合は1回66円（税込）、2案内以上の場合は1回あたり99円（税込）がかかるとされています。深夜や早朝、公衆電話からの利用にはさらに料金が異なります。

これらの料金設定を見ると、いかにして利用者の利便性と経済性を両立させるか、運営側の苦慮が伺えます。電話番号案内サービスが、ただの情報提供を超え、私たちの生活に根ざしたサービスであることが分かります。

104番のサービスが変遷を遂げた背景には、インターネットの急速な普及があります。検索エンジンの登場により、私たちは情報を手に入れるための新たな方法を手に入れました。これにより、104番のような伝統的なサービスの役割も変わってきたのです。

しかし、ここで一つ問いたいのですが、インターネットが全てを解決する万能のツールだと思いますか？確かに情報の量は圧倒的ですが、時には過剰な情報に翻弄されることもあるでしょう。そんな時、専門家による的確な案内が受けられる104番の価値は、依然として高いと私は考えます。

通信技術の未来に目を向けると、私たちの生活はさらに便利に、そして複雑になるでしょう。AIやIoTの発展は、情報の取得方法をさらに多様化させることになるはずです。

しかし、その中で、人の声による温かみのあるサービスが求められる場面はなくならないと思います。104番のようなサービスは、テクノロジーが進化しても、その価値を失わないでしょう。

電話というコミュニケーションツールは、人と人との繋がりを創出してきました。104番のサービスも、その一端を担っていると言えるでしょう。人の声を通じて、必要な情報を得るという行為は、デジタルデータにはない温かさを感じさせます。

私たちは、時には声のトーンや話し方から相手の人柄を感じ取ることがあります。このように、電話を通じたコミュニケーションには、人間味があり、それが私たちに安心感を与えるのです。

情報社会において、私たちは日々膨大な情報に触れています。しかし、その全てが等しく価値があるわけではありません。大切なのは、情報を選別し、自分にとって本当に必要なものを取り入れることです。

104番のサービスは、この点で非常にユニークです。専門のオペレーターが、私たち一人ひとりのニーズに合わせて情報を提供してくれるのですから。この人間味あふれるサービスが、デジタル化が進む中で、新たな価値を見出される日も近いかもしれません。