パワハラを訴えるための具体的な手順と注意点を解説
パワハラを訴える方法とは?
職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)は、精神的・身体的な健康を害する重大な問題です。パワハラを受けた場合、どのようにして訴えることができるのでしょうか?この記事では、パワハラを訴える方法とその手順について詳しく解説します。
パワハラの定義と種類
まず、パワハラとは何かを理解することが重要です。厚生労働省によると、パワハラは以下の3つの要素を全て満たす行為とされています:
- 優越的な関係を背景とした言動
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
- 労働者の就業環境が害されるもの
パワハラには以下の6つの類型があります:
- 身体的攻撃(殴る・蹴る・物を投げるなど)
- 精神的攻撃(侮辱・脅迫など)
- 人間関係からの切り離し(無視・隔離など)
- 過剰要求(能力に対し難易度が高すぎる業務を押し付ける)
- 過少要求(難易度が低すぎる仕事しか与えない)
- 個の侵害(プライベートに過剰に立ち入る)
パワハラを訴えるための手順
パワハラを訴える手順は以下の通りです:
- 証拠を集める
- 会社に報告・相談する
- 公的機関に相談する
- 弁護士に相談する
証拠を集める
パワハラを訴えるためには、証拠が必要です。証拠として以下のものが考えられます:
- パワハラの音声データ
- パワハラメールなどの画像
- パワハラの被害記録
- 医師の診断書(精神的疾患を発症した場合)
例えば、上司からの暴言を録音する、嫌がらせのメールを保存する、日々の被害を詳細に記録するなどが有効です。
会社に報告・相談する
証拠が揃ったら、まずは会社にパワハラの事実を伝えましょう。会社は社員からパワハラの相談を受けたら、解決に向けて措置をとる義務があります。
もし会社が適切な対応をしない場合は、その対応も記録しておくと後の証拠になります。
公的機関に相談する
会社に相談しても解決しない場合は、公的機関に相談しましょう。各都道府県の労働局に設置されている雇用・環境均等部(室)にパワハラの相談をすることができます。
労働局はパワハラの実態調査を行い、必要に応じて会社に助言や示談などのあっせんを行います。
弁護士に相談する
公的機関でも解決しない場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士に相談することで、以下のようなサポートが期待できます:
- 上司や会社に対して代理で交渉できる
- パワハラが原因で退職した・精神疾患を発症した場合は損害賠償請求できる
- 悪質性が高い場合は刑事告訴することもできる
弁護士に依頼することで、パワハラを止めさせるための交渉や訴訟を代理で行うことができます。
パワハラを訴える際の注意点
パワハラを訴える際には、以下の点に注意しましょう:
- 証拠集めは客観性が大事
- 訴えるという手段に固執しない
- 訴えるメリットとデメリットを理解する
証拠は他人に対して示すものであり、自分が理解できても他人が見て理解できなければ意味がありません。また、訴えることに固執せず、他の解決方法も検討しましょう。
パワハラ訴訟の流れ
実際に訴訟を起こす場合の流れは以下の通りです:
- 訴状を提出する
- 裁判を提起する
- 口頭弁論
- 争点整理
- 証拠を調べる
- 判決
訴状には、原告の氏名・住所、被告の氏名(加害者)、法人名(会社)・住所、パワハラ行為の内容、受けた損害、求める損害賠償額などを記載します。裁判所は訴状を受理すると、被告に答弁書の提出を命じます。
パワハラを訴える前に知っておくべきこと
パワハラを訴えるということは、多くのエネルギーを消費します。訴える前に以下の点を考慮しましょう:
- パワハラ行為をやめさせたいのか、損失を補いたいのか
- 訴えることによる影響を考える
- 転職先を探しておく
訴えること以外にも解決方法はあります。例えば、社内の相談窓口や外部の相談機関を利用することも有効です。また、訴訟の準備をしながら転職先を探すこともおすすめです。
まとめ
パワハラは働く人すべての問題です。パワハラを受けた場合、証拠を集め、会社に報告し、公的機関や弁護士に相談することで解決を図ることができます。訴える前に、どのような手段で解決したいのかを考え、自分にとって最適な方法を選びましょう。
参考リンク: