托卵の真実!自然界と人間社会での二つの顔
ベストカレンダー編集部
2024年03月30日 00時22分
托卵とは何か?
托卵(たくらん)という言葉には、自然界の現象としての定義と、人間社会における比喩的な使われ方があります。この記事では、両方の側面から托卵について解説します。
自然界における托卵
托卵は、特定の鳥類や他の動物が行う習性であり、自分の卵を他の種の巣に産み、その個体に抱卵や育雛をさせる行動を指します。この現象は、特にカッコウやホトトギス、ジュウイチ、ツツドリなどの鳥類に見られます。これらの鳥は、自分の種とは異なる種の巣に自分の卵を産み、その卵の世話を仮親に託します。仮親は自分の子と信じて、その卵を育てることになります。
人間社会における托卵の比喩
人間関係においては、托卵は比喩的な意味で使われることがあります。具体的には、夫以外の男性との間にできた子供を、夫の子供であると偽って夫と共に育てる行為を指します。この場合、夫は自分の子供と信じて子育てに励むことになります。このような行為を行う女性は、俗に「托卵女子」や「托卵妻」と呼ばれることがあります。Weblio辞書によると、托卵は鳥類の習性になぞらえた比喩(メタファー)とされています。
- 真性托卵(種間托卵): 自分の子を育てることができず、必ず異種の鳥の巣に卵を産む。
- 条件的托卵(種内托卵): 自分で子を育てることができるが、繁殖の結果を向上させるためにときに同種の巣に卵を産む。
托卵には、生物学的なメリットが存在すると考えられています。他種に抱卵を任せることで、托卵をする鳥自身は繁殖期に複数の卵を産むことができ、生存率を高めることが可能になります。また、仮親の鳥が托卵された卵を自分の子と認識し、育てることが多いため、托卵をする鳥は親としての責任やリスクから解放されます。
托卵の例
以下は、托卵に関する具体的な例です。
- カッコウは、他の鳥の巣に卵を産み、その卵が孵化すると、カッコウの雛は仮親の卵や雛を巣から追い出してしまい、自分だけを育てさせます。
- 人間の社会においては、ドラマ「極限夫婦」のように、不妊に悩む女性が夫以外の男性との間に子供をもうけ、その子供を夫の子供として育てさせるという托卵のストーリーが描かれることがあります。カンテレTIMES
托卵は、生物学的な観点からは種の生存戦略として理解される一方で、人間社会では道徳的、倫理的な問題を引き起こす行為として捉えられます。このような複雑な背景を持つ托卵について、さまざまな角度から理解することは、自然界の理解だけでなく、人間関係や社会の構造を考える上でも重要な視点となります。