自閉スペクトラム症(ASD)の基礎知識とは?特徴と対応を理解
ベストカレンダー編集部
2024年04月6日 23時09分
自閉スペクトラム症(ASD)とは何か?
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)は、社会的コミュニケーションや対人関係に課題を持つ発達障害です。この障害は、幼少期に始まり、生涯にわたって個人に影響を与える可能性があります。ASDには、人によって異なる症状や程度の特性があり、一般的には対人関係の困難さ、特定の興味やこだわり、感覚過敏などが特徴とされています。
ASDの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的要因や脳の構造・機能の特異性が関連していると考えられています。親の育て方やしつけが原因ではないということが、多くの研究によって明らかにされています。
ASDの症状は非常に多様であり、以下にその一例を挙げます:
- 視線が合わない、または共感的でない
- 表情が乏しい、または不自然
- 名前を呼んでも反応しない
- 人見知りが少ない、または親の後追いをしない
- 単語や文をオウム返しする
- 指さしに対する反応が乏しい
- 抱っこや触れられることに抵抗を示す
- 一人遊びを好む、ごっこ遊びを好まない
- 食べ物の好き嫌いが激しい
- 欲しいものを言葉で要求せず、手を使って示す
これらの特徴は、ASDが疑われる兆候として参考にされますが、正確な診断のためには医師や心理士による詳細な評価が必要です。
ASDの診断を受けた人々は、療育(治療教育)を通じて支援を受けることが多いです。療育は、個々の特性に合わせた教育的方法を用い、生活上の支障を減らすことを目指します。時には、興奮や自傷行為などの症状に対して薬物療法が用いられることもあります。
ASDは、その特性が周囲に理解されにくいため、いじめや社会的な失敗などのストレスを抱えやすく、これが二次的な問題を引き起こす原因となることがあります。家族や周囲の人々が、ASDを持つ人の特性を理解し、生きづらさを軽減することが重要です。
以前は、自閉症やアスペルガー症候群など、ASDの特性を持つ障害を別々に分類していましたが、現在ではこれらを一つのスペクトラムとして捉える傾向にあります。このスペクトラムは、個々の特性の違いを認めつつ、共通点を持つ一連の障害として理解されています。
詳細な情報については、すまいるナビゲーターや国立精神・神経医療研究センターのウェブサイトを参照してください。