イップスの正体解明!スポーツ選手が直面する心理的障害とは
ベストカレンダー編集部
2024年04月17日 21時25分
イップスとは何か?
イップスは、今まで自然にできていた動作や技術が、突然上手くできなくなる現象を指します。この症状は、スポーツ選手に多く見られ、特にメンタルが重要な役割を果たす競技で顕著です。ゴルフや野球、テニス、卓球などのスポーツで、プレッシャーやストレスが原因でパフォーマンスが著しく低下することがあります。イップスは、心理的な症状であり、筋肉や神経細胞、脳細胞に影響を及ぼすことが知られています。(参照: イップス研究所)
イップスは、職業性ジストニアとしても分類されることがあります。ジストニアは、筋肉の無意識なこわばりによって、スムーズな運動ができなくなる不随意運動の一種です。(参照: 医療法人社団ベスリ会)
イップスになりやすい人と原因
イップスになりやすいのは、以下のような特徴を持つ人々です:
- 長期間特定の競技に携わるプロやアマチュアプロ
- プレッシャーのかかる試合や発表会に参加する人
- 外向的で積極性があり、自信や意欲を持つ人
- 神経質傾向や不安気質を持つ人
イップスの原因は、大脳基底核からの信号に異常が生じ、大脳皮質に異常な信号が伝達されることで、制御できない動きとして症状が出現することにあります。また、メンタルの問題が原因でイップスが生じることもあります。
イップスの治療方法
イップスの治療には、以下のような方法があります:
- 薬物療法:β遮断薬や抗不安薬など。ただし、ドーピングのリスクがある。
- 精神療法:リラクゼーションを目的とした心理技法のトレーニングや、リラックス方法の学習。
- TMS治療:ジストニアに対する脳の調整を行う非侵襲的な治療法。
TMS治療は、特にイップスやジストニアの症状改善に効果があるとされています。これは、磁気を用いて大脳基底核の異常な信号を正常化し、症状の改善を図るものです。
イップスの具体例
イップスはスポーツごとに異なる形で現れます。例えば、ゴルフではパターやアプローチの際にパフォーマンスが低下する「パターイップス」や「アプローチイップス」があります。野球では、バットを振る動作が上手くできなくなることがあります。音楽家の間では、楽器を演奏する際に正確な動きができなくなる「奏楽手痙」が知られています。
イップスは、単なる一時的なパフォーマンスの低下ではなく、深刻な心理的影響を及ぼす症状であるため、適切な治療とサポートが必要です。イップスに悩む人は、専門家の助けを求めることで、症状の克服に向けた一歩を踏み出すことができます。