野球の打撃評価に革命をもたらした「OPS」とは何か？

野球におけるOPSとは

OPS（オーピーエス）は、野球において打者の総合的な打撃能力を評価するための指標です。この指標は「On-base Plus Slugging」の略で、出塁率（OBP）と長打率（SLG）を合算したものです。OPSは、打席における選手の得点貢献度を数値化し、より包括的な打者の評価を可能にします。

出塁率は選手がどれだけ頻繁に塁に出るかを示し、長打率は選手の打席ごとの平均塁打数を示します。これら二つの指標を合わせることで、単に安打を打つ能力だけでなく、得点を生み出す能力も評価されるのです。

OPSの計算方法

OPSの計算は非常にシンプルです。以下の公式により求められます：

• OPS = 出塁率（OBP） + 長打率（SLG）

ここで、出塁率は以下の式で計算されます：

• 出塁率（OBP） = (安打数 + 四死球数) ÷ (打数 + 四死球数 + 犠打数)

一方、長打率は以下の式で計算されます：

• 長打率（SLG） = 塁打数 ÷ 打数

例えば、選手が5打席に立ち、1本のホームラン（4塁打）、1回の四球を記録した場合、その選手のOPSを計算するにはまず出塁率と長打率をそれぞれ計算します。この場合、出塁率は1.000（5打席中、1本のヒットと1回の四球で2回の出塁）、長打率は0.800（5打数中、4塁打1本で4塁打）となり、OPSは1.800と非常に高い評価を受けます。

OPSの評価基準とランキング

OPSの値によって選手の打撃能力を評価する際の基準は以下の通りです：

例えば、Engate Mediaの記事によると、東京ヤクルトスワローズの村上宗隆選手は2022年シーズンでOPS 1.168を記録し、非常に高い評価を受けています。これは彼の出塁能力と長打能力が非常に高いことを示しています。

OPSは、特に長打力が高い選手にとって有利な指標とされています。これは長打が得点に直結しやすいため、長打率の高い選手のOPSも自然と高くなるからです。しかし、これには注意が必要で、出塁率が低い選手はOPSが高くても一貫して得点に貢献しているとは限りません。

結論として、OPSは野球選手の打撃評価において非常に有効な指標ですが、選手の全体的な能力を把握するためには他の指標と組み合わせて考慮することが重要です。野球の深い理解と選手評価の精度を高めるために、OPSを活用してみてはいかがでしょうか。