乳幼児に多い川崎病とは?原因不明の病気の全貌に迫る
ベストカレンダー編集部
2024年04月23日 19時54分
川崎病とは
川崎病は、1967年に小児科の川崎富作先生によって最初に報告された、原因不明の病気です。特に4歳以下の乳幼児に多く見られ、全身の血管に炎症が起こり、多様な症状が現れます。高熱、目の白い部分の充血、真っ赤な唇、苺のような舌、体の発疹、手足の腫れ、首のリンパ節の腫れなど、これらのうち5つ以上の症状があれば川崎病と診断されます。さらに、BCG接種部位が赤く腫れることも、川崎病の特徴的な症状の一つです。
川崎病の原因はまだ特定されていませんが、細菌やウイルスの感染、環境物質による刺激などが考えられています。川崎病にかかる率は、日本人や東アジア系の人種で特に高いとされています。最も重大な合併症は、心臓を栄養する冠動脈に動脈瘤が形成されることで、これが将来的に狭心症や心筋梗塞を引き起こす危険性を高めます。
治療と予防:川崎病の治療では、高熱がある時期にできるだけ早く熱を下げ、血管の炎症を抑えることが重要です。免疫グロブリンの点滴投与とアスピリンの内服が主な治療法であり、これにより多くの患者さんは症状の改善を見せます。しかし、免疫グロブリン治療後も高熱が続く場合は、追加の治療が必要になることがあります。
川崎病の診断や治療に関しては、国立成育医療研究センターやキャップスクリニックなど、専門の医療機関での対応が推奨されています。これらの機関では、川崎病に関連する研究も行われており、難治性のケースに対する新たな治療法の開発などが進められています。
川崎病は、適切な診断と治療を行うことで重篤な合併症を避けることが可能です。子供に上記の症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。