ピートモスの特性と使い方を徹底解説!園芸初心者必見

9977
ピートモスって何?
ピートモスは湿地帯で長年にわたって蓄積された植物質から成る自然素材で、特に園芸分野で広く利用されています。主にスファグナム苔が分解されずに積み重なることで形成され、高い保水性と酸性を持つことが特徴です。
ピートモスの使い方は?
ピートモスは乾燥して圧縮された状態で販売されるため、使用前に十分に吸水させることが重要です。酸性土壌を好む植物の栽培や、土壌改良剤として利用されます。植物の種類に合わせて適量を配合し、酸度計でpHを確認してから使用します。

ピートモスとは

ピートモスは、湿地帯で長年にわたり蓄積された植物質から成る自然素材で、特に園芸分野で広く利用されています。主にスファグナムと呼ばれる種類の苔が分解されずに積み重なることで形成され、高い保水性と酸性を持つことが特徴です。

以下にピートモスの基本的な定義と特徴について詳しく説明します。

ピートモスの基本的な定義

ピートモスは、主にスファグナムと呼ばれる種類の苔から形成される有機物です。この苔が湿地帯で分解されずに積み重なることで、独特の物質が生まれます。その結果、特有の保水性と酸性を持つ素材となり、園芸用の培養土として広く利用されています。

ピートモスの特徴と酸性土壌への影響

ピートモスの最大の特徴は、高い保水性と酸性です。これにより、水はけが良く、かつ酸性を好む植物に最適な環境を提供します。また、土壌のpH値を下げることができるため、酸性土壌を好む植物の栽培に適しています。

ピートモスと他の培養土との違い

ピートモスは、他の培養土と比較して独特の特性を持ちます。例えば、ココピートやバークチップなどは保水性に優れていますが、ピートモスほどの酸性度は持ちません。また、ピートモスは非常に軽く、扱いやすいのも特徴の一つです。

ピートモスの種類と品質

ピートモスには、酸度を中性に調整してあるものと、調整していない「未調整」・「無調整」のものがあります。基本的に、酸度が調整されているものは土壌改良用に、未調整のものは酸性土壌を好む植物の栽培に使用されます。

ピートモスの品質を見分ける際には、色や質感を確認しましょう。良質なピートモスは一般的に均一な色合いをしており、柔らかくふわふわした質感が特徴です。また、不純物が少なく、一定の水分を含んでいることも重要な指標です。

ピートモスの効果

次に、ピートモスのもつ効果についてご紹介いたします。

  • 土を酸性にする: 未調整のピートモスは、pH3~4くらいの強い酸性を示します。酸性を好む植物を栽培するときに、土に混ぜて使用します。
  • 土の保水性を高める: 主に苔を原料としているため、吸水性が高いというメリットがあります。土に混ぜて使用すれば保水性が高まり、肥料の成分も長く蓄えることが可能です。
  • 土の通気性を高める: 繊維質を多く含むため、ふわふわとした感触が特徴です。適量のピートモスを土に混ぜると、通気性がよくなり根腐れの防止につながります。
  • 土に有機質を加える: 植物の生長には、栄養豊富な土が欠かせません。植物を栽培するときは、有機質を多く含むピートモスや腐葉土、堆肥を土に混ぜて下準備しましょう。

ピートモスの用途

続いて、ピートモスの具体的な用途について解説いたします。

  • 一般的な土壌改良剤として: 一般的に、土壌を改良するときは酸度を調整したピートモスを使用します。未調整のものも、石灰を混ぜて中和すれば改良材として使えます。
  • 酸性を好む植物の栽培に: 酸性の土壌を好む植物には、未調整のピートモスを配合した土を使用します。よく知られたものは、ブルーベリー、ツツジやサツキ、ジャガイモ、山野草などです。
  • アジサイの色を変えるとき: アジサイの花色は、土の酸度や土壌のリン酸含有量、アルミニウムイオンの吸収率などが影響して変化します。アジサイの色を青にしたいときは、ピートモスを加えて土を酸性に傾けると変化する可能性があります。
  • バラの根の生長を促進: バラの栽培でピートモスを混ぜた土を使用すると、根の張り具合がよくなります。ただし、バラは弱酸性の土が適しているので、酸度を調整したピートモスを使いましょう。
  • タネまき用の土として: ふわふわとした感触で保水性のあるピートモスは、タネまき用の土としても適しています。酸度を調整したピートモスを用意し、園芸用のポットやトレイに入れて使用してください。
  • 観葉植物の栽培にも: ほぼ無菌で清潔なため、室内で栽培する観葉植物用の土にも利用できます。植物の種類にもよりますが、酸度を調整したピートモスと赤玉土(あかだまつち)、鹿沼土(かぬまつち)、パーライト、バーミキュライトなどを配合して使用します。
  • 熱帯魚の飼育用に: ピートモスには、水槽の水を弱酸性にする働きもあります。飼育に適した専用のピートモスを使用するか、石灰が配合されていない未調整のピートモスを煮沸消毒し、目の細かいネットなどに入れてから水槽に投入します。

ピートモスの使い方

それでは、ピートモスの使い方についてご紹介いたします。

  • 吸水させる方法: ピートモスの多くは、乾燥させて圧縮した状態で販売されています。そのまま土に混ぜると水分を吸いにくいため、あらかじめバケツなどにピートモスと水を入れて十分に吸水させてから使用してください。
  • 配合は植物に合わせて: 栽培する植物に合わせて配合しましょう。例えば、一般的な草花の土は、赤玉土:腐葉土を7:3または6:4とするのが目安で、pH5.5~6.5の弱酸性が適しています。一般的な草花を栽培するときは、pH6くらいの調整済みピートモスを使用します。

ピートモスを使う際の注意点

最後に、ピートモスを使用する際の注意点をご確認ください。

  • 吸水させてから使用: 先述のとおり、ピートモスは乾燥した状態で販売されているため、使用する前に十分に吸水させましょう。そのままではパラパラとして保水性が悪く、土に混ぜても思うような効果を発揮できません。
  • 酸度の数値を確認: 一般的な草花の栽培に未調整のピートモスを使用するときは、必ず石灰を混ぜて中和してから配合し、酸度計で数値を確認のうえ植えつけてください。酸性の土を嫌う植物に酸度の高いピートモスを使用すると、生育に支障をきたすおそれがあります。
  • 過湿による根腐れ: 保水性の高いピートモスを多く混ぜすぎると、加湿になって植物の根が腐り、栄養や水分の吸収が妨げられることもあります。特に鉢やプランターで栽培するときや、乾燥を好む植物を育てるときは土の配合に気をつけましょう。

ピートモスを上手に活用して植物を育てましょう。ピートモスは保水性や通気性などに優れた土壌改良用資材で、商品によって酸度が異なります。使用の際は十分に吸水させてから適量を配合し、酸度計で測定してから植物を植えつけましょう。

参考記事:ピートモスとは?特徴や使い方を知り酸性の土をつくろう – For your LIFE

参考記事:【2024年】ピートモスのおすすめランキング10選を紹介!使用のポイントまで – 東京寿園