小泉徳宏原作、映画現場を描く『極道オールアップ!』1巻発売
ベストカレンダー編集部
2025年12月23日 17:34
極道オールアップ1巻発売
開催日:12月23日
元極道とラブコメ映画が交差する新たな仕事マンガの登場
映画『ちはやふる』シリーズなどで知られる映画監督・脚本家の小泉徳宏が、初めて漫画の原作に挑んだお仕事コメディ漫画『極道オールアップ!』の第1巻が、2025年12月23日(火)に発売された。制作を伝える発表は株式会社講談社より2025年12月23日15時00分に行われている。
本作は、過去の過ちを償い社会に戻った元極道の主人公・奥園鯨(おくぞの くじら)が、偶然居合わせた映画の撮影現場で裏方の仕事に関わることで、人生を“壊す”方向から“作る”方向へと大きく転換していく物語である。鯨は見かけによらずラブコメ映画が大好きという設定で、映画愛に支えられながら現場の仕事に取り組んでいく。
第1巻の表紙と刊行のポイント
第1巻のカバーは昭和の映画ポスターをイメージしたデザインが採用されている。古き良き映画の雰囲気を想起させる装丁で、作品のテーマである映画現場への愛着がビジュアルでも表現されている。
刊行形態は紙の単行本と電子版の同時発売で、全国書店にて2025年12月23日より販売が開始された。書籍の定価は792円(税込)で、レーベルは講談社モーニングKCとなっている。連載は講談社の『モーニング・ツー』にて好評連載中で、更新は毎月第3木曜日である。
物語の構成と第1話の具体的な描写
主人公の奥園鯨は過去に起こした事件の罪を償い、社会復帰を果たした元極道である。彼を支え続けてきたものはラブコメ映画の決定版『QUN♥極(きゅんごく)』であり、鯨はその続編を観るために映画館で涙を流すほどの映画愛を持っている。
ある日、鯨は偶然出くわした映画撮影現場に巻き込まれ、裏方のピンチヒッターを依頼される。最初に任される仕事は〈コンセントを抜き差しすること〉という一見些細な業務だが、現場での責任の重さ、神経の使い方、タイミングの重要性など、細かな注意点が多く意外と難しいことが第1話で描かれている。
現場での具体的な業務例
作中では、映画撮影の現場で裏方が担う多種多様な仕事が細かく描写される。鯨が実際に取り組む業務の例が作品内で示され、業務の重要性と面白さの両面が読者に伝わる構成になっている。
- 通行人を止める仕事(ロケ地での通行管理)
- ほんの少しの雑音を遮断する仕事(サウンドのための雑音対策)
- 現場のお弁当を配る仕事(チームを支えるケータリングの役割)
- コンセントの抜き差し(撮影機材や照明の電源管理)
これらは一見地味に見える業務だが、それぞれが映画の完成度に直接影響を与える重要な動作であることが、鯨の奮闘を通じて丁寧に描かれている。
制作スタッフと作家プロフィール
本作の原作は小泉徳宏とライターズルーム「モノガタリラボ」のクレジットがあり、漫画の作画は大谷紀子が担当している。装丁デザインは名和田耕平デザイン事務所が手がけている。
制作陣のプロフィールやこれまでの実績は、作品のリアリティと魅力を補強する材料となる。以下に原作者と漫画家の概要を整理する。
- 小泉徳宏(こいずみ のりひろ)
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1980年生まれ。映画監督・脚本家。ライターズルーム「モノガタリラボ」主宰。
主な作品に『ちはやふる』シリーズ、『父と僕の終わらない歌』『線は、僕を描く』『カノジョは嘘を愛しすぎてる』『Flowers』『ガチ☆ボーイ』『タイヨウのうた』などがある。2025年7月から放映されたドラマ『ちはやふる─めぐり─』ではショーランナーと脚本を担当した。
- 大谷紀子(おおたに のりこ)
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岡山県出身。漫画家。
代表作に『すくってごらん』(金魚すくい漫画。2021年に実写映画化)、『おとむらいさん』『人事のカラスは手に負えない』(いずれも講談社)などがある。好きなものにラジオ、ハロプロ、中日ドラゴンズ、南関競馬などが挙げられている。
制作クレジットの要点
本作の主要クレジットは以下のとおりである。出版社と連載媒体、価格、装丁などの具体的な刊行情報は作品購入を検討するうえで重要な情報となる。
- 原作:小泉徳宏+モノガタリラボ
- 漫画:大谷紀子
- 装丁:名和田耕平デザイン事務所
- レーベル:講談社モーニングKC
- 定価:792円(税込)
- 連載媒体:講談社「モーニング・ツー」(毎月第3木曜日更新)
読みどころと対象読者、現場描写の特徴
本作は映画業界で働く人々の仕事の細部を、ユーモアと温かさを持って描く「お仕事漫画」である。単に業務を紹介するだけでなく、鯨の視点を通して業務が持つ意味やチームワーク、現場の息遣いが伝わる構成になっている。
描写のリアリティは、小泉徳宏監督の映画制作経験と大谷紀子の実写映画化経験によって支えられている。監督が自ら原作を務めるという珍しい取り組みは、映画現場の具体的な業務や細かな配慮を読み物として成立させるうえで重要な土台となっている。
想定される読者層は多岐にわたる。映画にかかわる人々や映画好きの一般読者だけでなく、業界を知らない層や就職・進路で悩む学生にも手に取ってほしい内容とされている。現場の「あるある」を笑いとともに学べる点が特徴的である。
実際に作中で描かれる細部は、表面的な仕事紹介にとどまらず、業務が撮影そのものに如何に効いてくるかを具体的に示す。現場の空気、互いの声がけ、時間管理、瞬時の判断など、読者が映画制作現場の一瞬一瞬を追体験できるように構成されている。
読後に残るテーマ
物語の根底には、壊すことから作ることへの価値転換というテーマが据えられている。過去のしがらみを抱えながらも、新しい役割を学び、仲間と関係を築いていく鯨の変化は、仕事を通じた再生の物語として描かれる。
ラブコメ映画への純粋な愛情が、単なる趣味を超えて仕事への情熱や責任感に変わっていく過程が物語の核であり、そこにユーモアと人情が織り込まれている。
作品データまとめ
以下に本記事で触れた刊行情報、制作陣、連載媒体、発売日などの主要データを表形式で整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 『極道オールアップ!』 第1巻 |
| 原作 | 小泉徳宏+モノガタリラボ |
| 漫画 | 大谷紀子 |
| 装丁 | 名和田耕平デザイン事務所(昭和映画ポスター風のカバー) |
| 出版社 | 株式会社講談社 |
| レーベル | 講談社モーニングKC |
| 価格 | 792円(税込) |
| 発売日 | 2025年12月23日(紙版・電子版 同時発売) |
| 連載媒体 | 講談社「モーニング・ツー」(毎月第3木曜日更新) |
| 対象ジャンル | 映画・演劇・DVD、漫画・アニメ(お仕事コメディ) |
| 主なキーワード | 映画、映画監督、撮影、ちはやふる、極道、お仕事漫画、カメラマン、クリエイター、小泉徳宏、プロデューサー |
| 関連リンク | 講談社『モーニング・ツー』公式サイト |
以上が『極道オールアップ!』第1巻に関する刊行情報と作品の要点である。物語は元極道の主人公が映画現場での日々を通じて変わっていく過程を描き、現場を支える「ささやかな業務」の重みを具体的に示す。刊行日は2025年12月23日で、紙版と電子版が同時発売されているため、興味がある読者は各種書店や電子書店の販売情報を確認するとよい。
参考リンク: