1/9公開『架空の犬と噓をつく猫』佐賀での舞台裏
ベストカレンダー編集部
2025年12月25日 12:00
架空の犬と噓をつく猫公開
開催日:1月9日
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佐賀を舞台に紡がれた物語が劇場へ
2024年4月、佐賀県内7市30ヵ所で全編ロケを行った映画『架空の犬と噓をつく猫』は、原作者、原作の舞台、撮影地がすべて佐賀県にある点が特徴の作品だ。原作は寺地はるな氏の同名小説で、脚本は菅野友恵、監督は森ガキ侑大が務めている。物語は昭和の終わりから平成の終わりまで約30年を描き、弟の死をきっかけに現実から目をそらす母親や、各々が不都合な真実から目を逸らす機能不全の羽猫家を中心に展開する。
この映画は地域性を大切にしている点も大きな特徴だ。有田焼や醤油瓶、海苔缶といった当地の小物や衣装にまでこだわり、作品世界に自然に佐賀らしさを取り入れている。音楽は Cali Wang が担当し、制作協力に佐賀県フィルムコミッションが名を連ねる。
あらすじと主題
映画は家族の嘘と絆を丁寧に描くヒューマンドラマで、不完全でやっかいだがどこか愛おしい家族像が中心テーマだ。主人公・羽猫山吹の視点から、家族の変化と日常の中に潜む真実の不在が静かに浮かび上がる構成になっている。
原作は寺地はるな氏の同名小説で、作家は1977年佐賀県唐津市生まれ。デビュー以来複数の作品を発表している作家性が本作の基盤になっている。
佐賀での完成披露上映会と舞台挨拶の模様
2025年12月20日、佐賀市の109シネマズ佐賀で舞台挨拶付き完成披露上映会が行われた。登壇したのは監督の森ガキ侑大と主演の高杉真宙で、会場は満員となり温かな雰囲気の中で舞台挨拶が進行した。
森ガキ監督は原作の舞台が佐賀であることを重視し、土地の空気感を映像で表現したいと述べた。久しぶりに佐賀を訪れて、その自然の豊かさに改めて撮影できた喜びを語った。高杉は福岡出身で佐賀には縁があり、呼子のイカや丸ぼうろ、バルーンフェスタなどに触れた幼少期の思い出を述べた。
舞台挨拶で語られた場面と制作秘話
森ガキ監督は、地元の温泉地でのエピソードや打ち上げの逸話も披露した。撮影中には古湯温泉や武雄温泉を訪れ、打ち上げではロケ地のメルヘン村で歌手の徳久望がサプライズ登場し大合唱になった。その後は大人数で〆パフェの店に行ったという具体的な現場の話を紹介した。
また監督は、家族を一度に描けた印象的なカットとして火葬場のバスのシーンを挙げた。高杉は主人公と幼馴染の頼が出会うバス停のシーンをおすすめの場面として挙げている。高杉は佐賀での撮影に関して、地元エキストラへの感謝を述べ、この作品が地域の人々とともに作られた映画である点を強調した。
ロケ地、PR施策、地域との連携
ロケは佐賀県内7市30ヵ所で実施され、小城市は羽猫家のメインロケ地として作品の中心的な舞台になっている。撮影は佐賀県フィルムコミッションの誘致と支援のもと行われ、地域と一体となった映像作りを目指す姿勢が明確だ。
小城市では2025年12月17日にポニーキャニオン公式 YouTube にて、小城市の風景や印象的な場面をまとめた PR 映像を公開した。公開日から4日間限定で、劇中に登場する印象的なバス停を小城市芦刈町の芦溝地区農村公園に設置する取り組みも行われる。このバス停は普段はバス停がない場所に限定で設置され、劇中のワンシーンを実際に体感できるよう企図されている。
地域活性化とフィルムコミッションの役割
佐賀県フィルムコミッションは2005年に佐賀県庁内に設立され、映画やドラマ、CM など映像コンテンツのロケ誘致と制作支援を行っている。地域の住民が映像制作に参加することで地域活性化や話題づくりを促進し、映像を通じた佐賀の魅力発信を目的としている。
今回の作品でも地元のエキストラや小物、ロケ地の施設などが作品に活かされ、映画と地域が相互に価値を生む関係が示された。
キャスト・スタッフ、受賞歴、公開情報
本作のキャストは幅広い世代の実力派がそろっている。主人公・羽猫山吹を高杉真宙が演じ、幼馴染の佐藤頼を伊藤万理華、初恋の相手である遠山かな子を深川麻衣が務める。母・雪乃に安藤裕子、姉の紅に向里祐香、父の淳吾に安田顕、祖母に余貴美子、祖父に柄本明などが配される。さらにヒコロヒーや佐賀出身のはなわらが脇を固める。
スタッフは監督 森ガキ侑大、脚本 菅野友恵、原作 寺地はるな、音楽 Cali Wang、制作協力 佐賀県フィルムコミッション、製作幹事・配給 ポニーキャニオン、制作プロダクション ヒューマックスエンタテインメント・ホリプロといった布陣だ。
受賞と公開スケジュール
2025年11月には世界15大映画祭の一つ、タリン・ブラックナイト映画祭で撮影賞を受賞した。審査からは日本らしい落ち着きと詩的で美しい映像が評価されたという。
全国公開は2026年1月9日金曜日。プレスリリースには全国124館での公開予定と明記され、都心部では TOHO シネマズ日比谷でも上映が予定されている。県内上映は佐賀市の109シネマズ佐賀、イオンシネマ佐賀大和、シアターシエマ、唐津市のシアターエンヤの4館で行われる。
原作者 寺地はるな プロフィールとコメント
寺地はるなは1977年佐賀県唐津市生まれで、大阪府在住。『ビオレタ』で小説新人賞を受賞後、2015年に作家デビュー。2017年12月には本作の原作を刊行している。代表作に『世界はきみが思うより』や『わたしの良い子』などがある。
寺地はるなは作品について「即効性のある痛み止めではなく、漢方薬のようにゆっくりじわりと心に効く映画です」とコメントしている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 架空の犬と噓をつく猫 |
| 原作 | 寺地はるな 同名小説(中央公論新社刊) |
| 監督 | 森ガキ侑大 |
| 脚本 | 菅野友恵 |
| 音楽 | Cali Wang |
| 主なキャスト | 高杉真宙、伊藤万理華、深川麻衣、安藤裕子、向里祐香、ヒコロヒー、安田顕、余貴美子、柄本明、はなわ |
| 撮影 | 2024年4月 佐賀県内7市30ヵ所で全編ロケ |
| 制作協力 | 佐賀県フィルムコミッション |
| 上映開始 | 2026年1月9日(金) 全国公開(全国124館を予定) |
| 県内上映館 | 109シネマズ佐賀、イオンシネマ佐賀大和、シアターシエマ、シアターエンヤ |
| 受賞歴 | 2025年 タリン・ブラックナイト映画祭 撮影賞受賞 |
| 公式サイト | https://usoneko-movie.com/ |
| 特別施策 | 公開日より4日間限定で小城市芦刈町 芦溝地区農村公園に劇中登場のバス停を設置。小城市×映画のPR映像を2025年12月17日に公開(ポニーキャニオン公式 YouTube) |
以上の通り、『架空の犬と噓をつく猫』は佐賀で生まれ佐賀を大きく描いた作品であり、撮影地と地域の連携、地域資源の活用、公開に向けた具体的な取り組みが行われている。舞台挨拶やPR施策、受賞歴などを踏まえ、公開日以降は劇中の風景を訪ねる動きや地域発信のさらなる広がりが予想される。