12/31放送の紅白目前 過去5年の注目回をデータで振り返る
ベストカレンダー編集部
2025年12月30日 09:48
紅白2025放送前夜
開催日:12月31日
2020年放送が示した“視聴の集中”──第71回紅白歌合戦の背景と要因
REVISIO株式会社が2025年12月30日付で公表した地上波放送の注目度データ分析によれば、直近5年間で個人全体の注目度が最も高かったのは2020年放送の第71回紅白歌合戦でした。発表は2025年12月30日 08時00分付のプレスリリースに基づくもので、家庭のテレビに設置した人体認識技術搭載機器による測定結果を集計したものです。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の無観客開催となり、外出を控えて自宅で年末年始を過ごす世帯が増えたことが注目度上昇に寄与したと分析されています。同時に、番組内のコンテンツ面でも注目を集める要素が複数重なっており、視聴者の注視を高めました。
主な番組要素と個別パフォーマンス
具体的な注目要因としては、連続テレビ小説「エール」のコーナーやその主題歌を歌ったGReeeeNの出演、さらにYOASOBIのテレビ初パフォーマンスが挙げられます。これらは放送直後からSNS等でも話題になり、放送中の視聴者の視線を画面に引きつける効果が強く出ました。
本分析では、個人全体に加え性別・世代別の注目度も確認されており、男性・女性・Z世代・Y世代の各カテゴリでも高い注目度を獲得した点が重要です。これにより、単一層に偏らない広い層での高い視聴集中が確認されています。
- 年次:2020年(第71回)
- 特徴:史上初の無観客開催、YOASOBIテレビ初パフォーマンス、GReeeeN出演、エール関連コーナー
- 影響:個人全体・男性・女性・Z世代・Y世代で高注目度
世代別の反応の違い──X世代の高注目とZ世代の回復傾向
REVISIOの分析では、世代別で注目度の変動に顕著な違いが見られます。X世代(45-60歳)では、2023年放送の第74回が65.4%で直近5年のうち最も高い注目度となりました。視聴の中心となる世代が、どのようなコンテンツに強く反応したのかを具体的に見ることができます。
この年の高注目には「テレビ放送70年 特別企画」が寄与しています。黒柳徹子さんがスペシャルゲストとして登場したほか、ポケットビスケッツ&ブラックビスケッツ、薬師丸ひろ子さん、寺尾聰さんといったX世代に馴染みのあるアーティストが出演した点が、同世代の視聴集中を高めた要因と考えられます。
Z世代:低迷からの回復の兆し
一方、テレビ離れが顕著とされるZ世代については、2022年放送の第73回で直近5年における最低注目度を記録しました。しかし、以降は注目度の上昇傾向が見られます。理由として考えられるのは、K-POPアーティストの起用増加や性別・年代の枠を越えた豪華共演企画の導入です。
2023年のテーマ『ボーダレス-超えてつながる大みそか-』に象徴されるような企画性の高い演出がZ世代の関心を取り戻す一因になっています。具体例として「ディズニー100周年スペシャルメドレー」では、K-POPの人気アーティストLE SSERAFIMとMrs. GREEN APPLEの大森元貴さんが共演し、SNSで拡散されるなどリアルタイム視聴の動機づけになったと見られます。
- X世代(45-60歳)
- 2023年(第74回)で注目度65.4%。特別企画と懐かしのアーティストが寄与。
- Z世代
- 2022年(第73回)で最低注目度を記録したが、その後はK-POPやスペシャルコラボで回復傾向。
2025年放送前夜の見どころとREVISIOの継続分析
プレスリリースは「いよいよ明日、2025年の紅白歌合戦が放送されます」と伝え、今年の注目ポイントを挙げています。主な見どころとしては、連続テレビ小説「あんぱん」と「それいけ!アンパンマン」のコラボレーション、AKB48のステージに前田敦子さん・大島優子さんら卒業メンバーの登場、デビュー50周年を迎える矢沢永吉さんによる13年ぶりの紅白でのパフォーマンスなどが明記されています。
これらの出演・企画は視聴者の多様な関心を呼び起こす要素を含んでおり、世代横断的な注目を生む可能性があります。REVISIOは、今回の2025年放送についても放送後にデータ分析を行い、結果を公表する予定であるとしています。
REVISIOの分析体制と提供サービス
REVISIOは人体認識技術を搭載した独自の調査機器を家庭のテレビに設置し、視聴参加者の視聴態勢を毎秒で自動取得しています。同社は2022年10月にTVISION INSIGHTS株式会社から社名変更しており、代表取締役社長は郡谷康士氏です。本社所在地は東京都千代田区大手町1丁目6番1号大手町ビルです。
国内の調査対象は関東エリア2,000世帯、関西エリア600世帯で、地上波の全番組の視聴データおよびコネクテッドTVの注視データを提供しています。データは広告主・広告会社・放送局など国内累計250社以上のクライアントに活用されています。
- 調査範囲:関東2,000世帯、関西600世帯
- 提供データ:世帯テレビオン率・注目度(地上波6局7チャンネル、過去1週間の更新)
- クライアント実績:国内累計250社以上
注目度(アテンション)の定義と利用方法
プレスリリースでは「注目度」の定義も明確に示されています。注目度(アテンション)とは、テレビの前にいる時間(滞在時間)のうち、テレビ画面に視線を向けていた時間(注視時間)の割合を表す指標です。これにより、シーン単位で視聴者がどの程度“くぎづけ”になったかを定量化できます。
企業や放送局はこの指標を用いることで、番組やCMのどの場面が視聴者の関心を引いたかを分析し、制作・編成・広告配信の最適化に役立てることが可能です。REVISIOは「視聴質ブログ」でドラマやバラエティの注目度ランキング、テレビCMの分析などのオリジナル記事を公開しています。
まとめ:主要データと窓口を一目で確認する
ここまでの内容を整理すると、直近5年のNHK紅白歌合戦についてREVISIOが示した主なポイントは、2020年(第71回)が個人全体で最も高い注目度を獲得したこと、X世代で2023年(第74回)が65.4%の高注目であったこと、Z世代は2022年(第73回)に最低注目度を記録したものの以降回復傾向が見られること、そして2025年放送では幅広い世代に訴求する出演や企画が予定されていることです。
下表は本記事で触れた主要項目を整理したものです。表の下には問い合わせ先や関連リンクも記載していますので、詳細な資料やデータを確認したい場合の参照にしてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最も注目度が高かった年(個人全体) | 2020年(第71回)──史上初の無観客開催、YOASOBIのテレビ初パフォーマンス、GReeeeN出演、エール関連コーナー |
| X世代での最高注目回 | 2023年(第74回)──注目度65.4%。テレビ放送70年特別企画、黒柳徹子さんらの出演 |
| Z世代の動向 | 2022年(第73回)で最低注目度を記録後、K-POPやスペシャルコラボ企画で回復傾向 |
| 2025年放送の主な見どころ | 連続テレビ小説「あんぱん」と「それいけ!アンパンマン」のコラボ、AKB48に前田敦子・大島優子ら登場、矢沢永吉さんのデビュー50周年で13年ぶりの紅白出演 |
| 調査対象世帯 | 関東2,000世帯、関西600世帯 |
| REVISIO会社情報 | REVISIO株式会社(旧TVISION INSIGHTS)、本社:東京都千代田区大手町1丁目6番1号大手町ビル、代表取締役社長 郡谷康士 |
| 広報窓口 | 広報担当 安武 E-mail: info@revisio.com Tel: 050-5897-4931 |
| 関連リンク | 視聴質ブログ(REVISIO)、REVISIO公式サイト |
以上が、REVISIOが公表したNHK「紅白歌合戦」直近5年分の注目度分析の要点と、2025年放送前夜時点で押さえておくべき情報の整理です。追加のデータや詳細なレポートはREVISIOの提供する資料や「視聴質ブログ」、および「REVISIO One」デモアカウントで確認できます。
参考リンク: