Contract Oneで取適法対応を効率化 契約管理の新機能
ベストカレンダー編集部
2026年1月7日 09:51
Contract One新機能
開催日:1月1日
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取適法施行で増す契約確認の負担とSansanの課題認識
中小受託取引適正化法(以下、取適法)が2026年1月1日に施行され、受託事業者を保護し、取引の適正化を図ることが法的に求められるようになった。取適法の適用を受けるかどうかを判断するためには、契約書に記載された取引区分や支払条件だけでなく、取引先の従業員規模や資本金といった企業属性を横断的に確認する必要がある。これにより企業内の契約管理担当者や、実際に取引を行う現場の担当者にとって、確認業務と照合の工数が増大している。
Sansan株式会社はこの課題に対し、自社の持つビジネスデータベースとAI処理の技術を活かし、契約管理サービス「Contract One」に新しい機能群を実装することで対応を支援する方針を明らかにした。社内調査では約9割の企業が取適法施行に伴い「契約の締結や見直しを行う」と回答しており、対応に追われる企業が多いという状況を踏まえた発表である(出典:Sansan株式会社「契約の適切な履行に関する実態調査」2025年7月30日発表)。
Contract Oneに実装される3つの新機能の全体像
Sansanの取引管理サービスContract Oneには、2025年11月28日実装済みの「対象契約洗い出し機能」と、今後順次実装される「ビジネスデータ連携」「API連携」の3つの機能が導入される。これにより、契約内容と企業属性情報を同一プラットフォーム上で確認・運用できることが最大の特徴である。
契約書の内容を自動的に解析して拡張項目へ反映する既存の機能(拡張項目のAI自動入力)は、2024年11月20日の発表で提供が開始されており、今回の機能群とは連携して利用される。これらを組み合わせることで、契約上の取引区分と企業データ(従業員数・資本金など)をひも付け、取適法の対象判定や支払条件の見直しといった実務判断に使える基盤を提供する。
対象契約洗い出し機能(実装済み:2025年11月28日)
対象契約洗い出し機能は、Contract Oneが契約書から抽出した情報と、あらかじめ設定した項目を用いて、取適法で確認すべき取引区分や支払条件に該当する契約書の件数を企業別に集計・表示する機能である。契約書のタイトルに含まれるキーワードや契約期日を条件に設定して絞り込みが可能であり、企業ごとに該当契約の一覧と件数を把握できる。
具体例としては、「製造委託」「修理委託」といった取引区分を拡張項目に設定し、AI自動入力と組み合わせることで、どの取引先に該当する契約が何件あるかを即座に確認できる。これにより、担当者は対象となる取引先を洗い出し、優先度をつけた対応計画を立てやすくなる。
ビジネスデータ連携(実装予定:2026年1月中)
ビジネスデータ連携は、Contract Oneの取引先一覧画面やダッシュボード上で、企業ロゴ、住所、会社概要、業種、従業員数、資本金、会社のウェブサイト、代表者名などの企業情報を表示できるようにする機能である。各取引先の詳細画面に遷移すると、企業情報とその企業が締結している契約書数や契約一覧を同一画面で確認できる。
この機能はSansanが保有する230万件以上の企業情報を使うことで、表記ゆれや社名変更を吸収する名寄せ技術に基づいた正確な企業単位での情報統合が可能になる点が特徴である。契約管理の担当者だけでなく、営業や経理など現場担当者も契約前に企業属性を確認しながら業務を行えるようになる。
API連携(実装予定:2026年3月中)
API連携により、Contract Oneでデータ化された契約情報やユーザーが設定した拡張項目を外部の業務システムから取得できるようになる。これにより、経理システムや営業支援システムなど、日常的に使用する業務ツールの画面上で契約の前提条件や重要な条項を確認できる仕組みが整う。
API経由で契約データを取り込めることは、各部署の業務フローに契約確認を自然に組み込むことを意味する。結果として、取引開始前や取引実行時に契約違反や支払条件ミスマッチを未然に防ぎ、契約の適切な履行に寄与することが期待される。
技術基盤と名寄せの活用方法—データ精度の担保
Sansanはビジネスデータベース「Sansan」を通じて230万件以上の企業情報を保有しており、社名の表記ゆれや合併・社名変更が発生しても企業単位での統合を可能にする名寄せ技術を長年にわたり磨いてきた。Contract Oneではこのデータベースと名寄せ技術を連携させ、契約情報と企業情報を正確にひも付ける仕組みを実現している。
名寄せとAIによる拡張項目の自動入力を組み合わせることで、契約書に含まれる表現の揺れや曖昧な表記を吸収して取引区分を抽出し、企業属性と照合する際の誤認を減らすことが可能になる。これらの技術的工夫は、取適法に対応するための情報照合作業の工数削減に直結する。
データ連携により得られる運用上の利点
データ連携を通じて得られる運用上の利点には以下がある。まず、担当者ごとに異なる参照先を統一し、同じ基準で取引の適否を判断できる点。次に、契約の一覧や企業属性を一元的に把握することで、見落としや二重対応を防止できる点。そしてAPI連携により、現場担当者が普段使っているシステム上で契約条件を確認できるようになり、業務の手戻りや確認作業の削減が期待される。
これらは取適法に基づく契約の見直し作業だけでなく、日常的な取引管理の効率化にもつながるため、組織全体でのリスク管理やコンプライアンス体制の強化にも寄与する。
提供スケジュール、関連情報、会社概要と参考資料
今回発表された各機能の実装スケジュールは次のとおりである。対象契約洗い出し機能は2025年11月28日にすでに実装済みであり、ビジネスデータ連携は2026年1月中、API連携は2026年3月中の実装が予定されている。既存の拡張項目のAI自動入力は2024年11月20日に発表されており、今回の機能と連動して運用することが意図されている。
本文中で参照されている調査や過去のリリースのリンクは、以下のとおりである。Sansan株式会社の「契約の適切な履行に関する実態調査」(2025年7月30日発表)および「契約データベース『Contract One』が新機能『拡張項目のAI自動入力』を実装」(2024年11月20日発表)が該当する。今回の発表は2026年1月6日 11時00分に公表された。
- 発表企業
- Sansan株式会社
- 発表日時
- 2026年1月6日 11時00分
- 対象法令
- 中小受託取引適正化法(取適法) 施行日 2026年1月1日
- 関連リリース
- 契約の適切な履行に関する実態調査(2025年7月30日)
https://jp.corp-sansan.com/news/2025/0730.html - 拡張項目のAI自動入力 実装(2024年11月20日)
https://jp.corp-sansan.com/news/2024/1120.html
以下に、今回の発表内容を整理した表を掲載して記事を締める。表には機能名、実装時期、主な機能説明、想定される活用場面を記載している。表の後、簡潔なまとめの文章で本稿を終える。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表企業 | Sansan株式会社 |
| 発表日時 | 2026年1月6日 11時00分 |
| 背景(法令) | 中小受託取引適正化法(取適法) 施行日 2026年1月1日 |
| 既存機能 | 拡張項目のAI自動入力(発表:2024年11月20日) — 契約書の記載内容をAIで解析しあらかじめ設定した項目へ自動入力 |
| 新機能:対象契約洗い出し | 実装済み(2025年11月28日) — 契約区分や支払条件などの拡張項目を基に企業ごとの該当契約件数を集計、キーワード・期日で絞り込み可能 |
| 新機能:ビジネスデータ連携 | 実装予定(2026年1月中) — 企業ロゴ、住所、業種、従業員数、資本金、代表者名などを契約ダッシュボード上に表示、詳細画面で契約情報と連動 |
| 新機能:API連携 | 実装予定(2026年3月中) — Contract Oneがデータ化した契約情報や設定項目を外部システムから取得可能にし、経理や営業の現場業務に統合 |
| データ基盤 | 「Sansan」ビジネスデータベース(230万件以上)と名寄せ技術で企業情報を高精度に統合 |
| 会社概要(抜粋) | 設立:2007年6月11日 / 所在地:〒150-6228 東京都渋谷区桜丘町1-1 渋谷サクラステージ 28F / 資本金:72億44百万円(2025年8月31日時点) |
| 関連サービス | Sansan、Eight、Bill One、Contract One、Sansan Data Intelligence URLs: https://jp.corp-sansan.com/ https://jp.sansan.com/ https://8card.net/ https://bill-one.com/ https://contract-one.com/ https://jp.sansan.com/sansan-data-intelligence/ |
本稿ではSansan株式会社がContract Oneに実装した3つの新機能とその背景、技術基盤、実装スケジュールを整理した。取適法施行に伴い契約と企業属性の横断的な照合が求められる状況に対し、今回の機能群は契約管理の効率化と精度向上を目的とした実務的な手段を提供するものである。企業は実装スケジュールを踏まえ、自社の契約管理プロセスや既存システムとの連携方針を検討する必要がある。