1月12日開幕 アニマックス朗読劇『富江』音だけの恐怖
ベストカレンダー編集部
2026年1月10日 14:49
朗読劇『富江』公演
開催期間:1月12日〜1月18日
📅 カレンダーに追加:Google|iPhone/Outlook
稽古場で浮かび上がった「音だけ」の富江──声と語りが紡ぐ恐怖
2026年1月12日から18日にヒューリックホール東京で上演される『Lemino presents アニマックス朗読劇「富江」』。開幕直前の12月下旬、稽古場を訪れると、まず印象に残ったのは役者たちの声の存在感だった。原作の画面に宿る視覚的な恐怖を、朗読劇という「音だけ」の表現にどう変換するかが稽古の核心であり、その試行錯誤が場面ごとに繰り返されていた。
稽古場では富江/中村アヤカ役の佐倉薫、中村保子役の高森奈津美、森光夫/雪夫役の野津山幸宏、小泉リョウ/岩田忠夫役の高塚智人が椅子に座り、必要に応じて立ち上がりながら芝居を進める。語り手である村上ロックは4人の視界を確保できる位置に座し、物語全体のトーンを整える役割を担っていた。演出は烏丸棗が務め、細かなセリフのタイミングや間合いを繰り返し確認していた。
稽古場で見た具体的な場面と演技の手触り
稽古はある場面、リョウが保子に過去の出来事を語り、協力を求めるシーンが行われていた。高塚が内に抑えていた感情を爆発させる瞬間、声が荒々しく響き、そこに寄せて高森が声を震わせる。呼吸やため息、言葉と言葉の合間に入る息遣いまでが生々しく、視覚がないぶん聴覚のディテールが際立つ。
その後の保子とアヤカ(富江)のやりとりでは、佐倉の“まろやかで蠱惑的”な声が凛と立ち上がり、富江の存在そのものを聴覚で成立させていた。村上の語りがさらに恐怖感を増幅させ、稽古場は音の層で原作の世界を再構築する作業の真っ最中だった。
- 演出:烏丸棗が細かなタイミングを指示
- 音響:リアルなSE(町内放送など)を稽古に組み込み、現実と物語の境界を曖昧にする演出が試されている
- チームワーク:休憩中に野津山が佐倉・高森と芝居のやり取りを確認するなど自然な連携が見られた
休憩時間のやり取りからは、稽古場の緊張感と和やかさが同居していることがうかがえた。高塚が衣装のチェックを行い、野津山がムードメーカーとして場を和ませる場面など、演者同士の信頼関係が舞台上での一体感へつながっている。
座談会で明かされた役作りと原作への向き合い方
座談会には佐倉薫、高森奈津美、野津山幸宏、高塚智人、村上ロックが登場し、オファーを受けた際の心境や役作り、原作『富江』との関係について率直に語った。近年、伊藤潤二作品は海外での評価も改めて高まり、今回の朗読劇化は国内外の注目を集める企画となっている。
出演方法はマルチキャスト方式で、役どころは日替わりで4人から6人が入れ替わる構成。座談会ではその点にも触れながら、各人がどのように役と向き合っているかが語られた。
- 佐倉薫(富江/中村アヤカ役)
- 「あの大好きな『富江』の富江役を私に?!と本当にビックリしましたが、こんな機会をいただけるなんてすごく光栄で嬉しいです。私は富江とは真逆の性格なので、思い切り演じられるのも楽しみです。『私は一番美しい!』という気持ちで演じています。富江役は最高に振り切れる役なので、『私を見て!』という感覚で臨んでいます。」
- 高森奈津美(中村保子役)
- 「朗読劇という形で生々しく演じられるのが面白そうだと感じました。保子はアヤカの姉としてずっと振り回される役どころで、10代から80代まで演じる必要があり、保子の人生を意識して表現しています。富江がそばにいたらしんどいと感じるだろうという率直な感想も述べていました。」
- 野津山幸宏(森光夫/雪夫役)
- 「僕は普段、美形の役はあまりやらないので、ハンサムな画家である森光夫の役どころに驚きました。原作では表情だけで見せる場面もあり、その内面の葛藤や最期を音だけでどう表現するかが難題です。稽古では町内放送のSEなどにより、現実と物語が一瞬交錯する演出に驚いた」と語りました。
- 高塚智人(小泉リョウ/岩田忠夫役)
- 「実はホラーが苦手で原作を避けてきたが、今回原作を初めて読んで、ホラーに留まらない『富江』の魅力に気づいた」と述べつつ、リョウはトップモデルから老人に至るまで幅のある役で、演じる楽しさと体力的な負荷についても触れました。
- 村上ロック(語り部)
- 「高校生の頃から好きだった作品で、語り部としてト書きを細かく読み上げる作業に面白さを感じています。語り部の個人的な体験談を交えつつ、語りによる現実との混在感を稽古で感じている」と語りました。
座談会では、キャスト同士の和やかなやり取りや笑いも交えつつ、原作に対する個人的な思い出や、役を通じて経験している発見が語られた。たとえば佐倉は幼少期に大叔母の家で『富江』を読んでいた経験を話し、村上は友人の家で作品を知った経緯を怪談風に語る場面もあった。
公演に込める表現上の工夫
出演者は共通して「音だけで観客の想像を喚起すること」に挑んでいる。台本から章を抜粋して構成しているため、視覚的な情報はSEや語り、声の質感で補完しなければならない。そのため、町内放送のSEや生活音、語りのトーン調整などを稽古で徹底している。
佐倉は富江の美しさとグロテスクさの塩梅を、声の表現で如何に成立させるかを課題に挙げ、野津山は視覚に頼らない演出上の工夫に手応えを感じていると語った。高塚は原作の芸術性に触れ、その“引き込まれる表現”を舞台上で再現しようとする意欲を示した。
公演情報と制作体制、チケット詳細
本公演はアニメ専門チャンネル「アニマックス」を運営する株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパンと株式会社NTTドコモが共催し、制作はAge Global Networks、制作協力はstyle office、ロビー運営はスーパーエキセントリックシアターが担当している。協賛は株式会社イープラスと株式会社ファミリーマート。
脚本・演出は烏丸棗(劇団『牡丹茶房』主宰)。原作は伊藤潤二『伊藤潤二傑作集』(朝日新聞出版刊)より、『富江』の中から「画家」「通り魔」「トップモデル」「老醜」を朗読劇化している。
| 日付 | 開場/開演 | 出演(抜粋) |
|---|---|---|
| 1月12日(月・祝) | 18:30開場/19:00開演 | 佐倉薫、井澤詩織、中澤まさとも、高塚智人、村上ロック |
| 1月13日(火) | 18:30開場/19:00開演 | 佐倉薫、紡木吏佐、増元拓也、寺島惇太、たっくー |
| 1月14日(水) | 18:30開場/19:00開演 | 伊藤かな恵、福圓美里、中澤まさとも、岩崎諒太、はやせやすひろ(都市ボーイズ) |
| 1月15日(木) | 18:30開場/19:00開演 | 佐藤日向、伊瀬茉莉也、増元拓也、仲村宗悟、九十九黄助 |
| 1月16日(金) | 18:30開場/19:00開演 | 松井恵理子、紡木吏佐、野津山幸宏、笠間淳、はやせやすひろ(都市ボーイズ) |
| 1月17日(土)昼① | 12:30開場/13:00開演 | 内田彩、福圓美里、山下大輝、寺島惇太、たっくー |
| 1月17日(土)昼② | 15:30開場/16:00開演 | 内田彩、伊瀬茉莉也、山下大輝、竹内栄治、たっくー |
| 1月17日(土)夜 | 18:30開場/19:00開演 | 松井恵理子、伊瀬茉莉也、野津山幸宏、竹内栄治、村上ロック |
| 1月18日(日)昼① | 12:30開場/13:00開演 | 井上麻里奈、高森奈津美、河西健吾、阿座上洋平、九十九黄助 |
| 1月18日(日)昼② | 15:30開場/16:00開演 | 井上麻里奈、高森奈津美、河西健吾、阿座上洋平、はやせやすひろ(都市ボーイズ) |
会場はヒューリックホール東京(有楽町マリオン11F、阪急メンズ東京側)。住所は〒100-0006 東京都千代田区有楽町2丁目-5-1。アクセス詳細は会場サイト(https://hulic-theater.com/access/)を参照のこと。
チケットは全席指定で11,000円(税込)。チケット発売はイープラスの専用ページ(https://eplus.jp/animaxreading-tomie/)から。なお当日券は会場販売で全席指定11,550円(税込)、会場での現金払いのみとなる。詳細は公式サイトで確認すること。
会場では朗読劇オリジナルグッズも販売される。関連情報は公式ページ(https://www.animax.co.jp/animaxreading/tomie202601/)および公式X(https://x.com/animax_reading)で随時案内される。
出演者・スタッフ一覧と関連情報
本項ではキャストの役割分類、スタッフ、および関連サービス情報を整理する。演出・脚本は烏丸棗、主催はNTTドコモおよびアニマックスブロードキャスト・ジャパン。制作はAge Global Networks、制作協力はstyle office。ロビー運営はスーパーエキセントリックシアター。協賛はイープラスとファミリーマート。
原作は伊藤潤二『伊藤潤二傑作集』(朝日新聞出版刊)。朗読化の対象は『伊藤潤二傑作集1 富江〈上〉』より「画家」、『伊藤潤二傑作集2 富江〈下〉』より「通り魔」「トップモデル」「老醜」。
- 富江/中村アヤカ:佐倉薫、伊藤かな恵、佐藤日向、松井恵理子、内田彩、井上麻里奈
- 中村保子:井澤詩織、紡木吏佐、福圓美里、伊瀬茉莉也、高森奈津美
- 森光夫/雪夫:中澤まさとも、増元拓也、野津山幸宏、山下大輝、河西健吾
- 小泉リョウ/岩田忠夫:高塚智人、寺島惇太、岩崎諒太、仲村宗悟、笠間淳、竹内栄治、阿座上洋平
- 語り部:村上ロック、たっくー、はやせやすひろ(都市ボーイズ)、九十九黄助
また、Lemino(ドコモの映像配信サービス)に関する情報も公表されている。Leminoプレミアムは月額990円(税込)で、初めて申し込みの利用者は初回初月無料の適用がある(適用条件や例外あり)。サービスサイトや各種SNSアカウントのリンクが明記されているので、詳細は公式ページを確認すること。
公演情報の要点まとめ
以下の表は本記事で紹介した主要項目を整理したものです。公演日程、会場、料金、チケット情報、主要キャスト、制作クレジット、原作情報などを一覧化しています。最後に公演をめぐるポイントを自然な文章でまとめて締めくくる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公演名 | Lemino presents アニマックス朗読劇「富江」 |
| 公演期間 | 2026年1月12日(月・祝)~1月18日(日) 全10公演 |
| 会場 | ヒューリックホール東京(有楽町マリオン11F) |
| チケット料金 | 全席指定 11,000円(税込)/当日券 11,550円(税込、現金のみ) |
| チケット販売 | イープラス専用ページ:https://eplus.jp/animaxreading-tomie/ |
| 公式情報 | 公式HP:https://www.animax.co.jp/animaxreading/tomie202601/ / 公式X:https://x.com/animax_reading |
| 原作 | 伊藤潤二『伊藤潤二傑作集』より「画家」「通り魔」「トップモデル」「老醜」 |
| 脚本・演出 | 烏丸棗(劇団『牡丹茶房』主宰) |
| 主催/制作 | 主催:株式会社NTTドコモ、株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパン / 制作:Age Global Networks |
| 制作協力・運営・協賛 | 制作協力:style office / ロビー運営:スーパーエキセントリックシアター / 協賛:イープラス、ファミリーマート |
| 公演形式 | 朗読劇(音のみで表現)/マルチキャスト方式(役柄は日替わりで4~6名で構成) |
| グッズ | 朗読劇オリジナルグッズを会場で販売 |
稽古場の報告と座談会からは、本公演が視覚に頼らない「音の表現」を徹底的に追求していることが読み取れる。出演者それぞれが原作に対する思い入れや役への挑戦を語っており、マルチキャストの構成は複数の視点から富江という存在を描く仕掛けになっている。チケットや会場、スケジュールの詳細は公式ページで確認できるため、観劇を検討する際はそちらの情報を参照されたい。取材・文は藤野さくら、撮影は成田颯一が担当した。