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4月開始予定:みちびき連携で守る国産セキュアUAV実証

物理認証UAV実証

開催期間:4月1日〜3月31日

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物理認証UAV実証
この共同研究で何が実現されるの?
みちびき認証(PoHN)やGeoMPC、TEEをUAVに組み込み、位置・時刻の物理的真正性でAI攻撃やGNSS偽装を無効化する国産セキュアドローンの実証を目指す。
いつ実用化されるの?
正確な市販時期は未定。両社は2026年度中にプロトタイプで実証実験を行い、評価を経て防衛省や重要インフラ向けに段階的に提案する計画だ。

AIによる自動化攻撃が突きつける「真正性の危機」と国産化の必要性

2026年現在、サイバー攻撃はAIを悪用して自動化・高度化しており、防衛や重要インフラを標的とした新たな脅威が顕在化しています。特に、正規端末の乗っ取り、ディープフェイクによるデータ改ざん、そしてGNSSスプーフィング(位置情報偽装)は、既存の「デジタル情報」中心のセキュリティモデルで対処が困難な事象を引き起こしています。

こうした状況下で、外部プラットフォームに依存しない国産のセキュリティ基盤と防衛用無人航空機(UAV)供給体制の確立は、経済安全保障の観点からも急務とされています。デジタル情報の複製や偽装がAIにより容易になる一方で、物理空間における事実(場所・時刻・デバイスの存在)を照合する仕組みを取り入れることが、真正性(Authenticity)を担保する新たな方策として注目されています。

VlightupとAerospace Design、AI時代の脅威に対抗する防衛用無人航空機に係る「ソブリン・セキュリティ・アーキテクチャ」要素技術の共同研究を開始 画像 2

具体的な脅威の整理

AIを用いた攻撃は従来のペネトレーション手法を超えて、以下のような形で現場に影響を与えます。まず、正規端末の乗っ取りにより合法的な通信経路が悪用される点、次に映像やログの改ざんが容易になり証拠性が損なわれる点、さらにGNSSの偽装により位置情報そのものが信頼できなくなる点が挙げられます。

これらは単独でも重大なインシデントを引き起こしますが、組み合わせて利用されることで被害を拡大します。したがって、被害を未然に防ぐには、サイバー側の対策に加えて物理空間の証明力を付与する手法が必要です。

主なAI脅威
正規端末の乗っ取り、ディープフェイクによるデータ改ざん、GNSSスプーフィング(位置情報偽装)
対策の方向性
物理的真正性の証明(場所・時刻・デバイスの検証)、国産サプライチェーンの強化
VlightupとAerospace Design、AI時代の脅威に対抗する防衛用無人航空機に係る「ソブリン・セキュリティ・アーキテクチャ」要素技術の共同研究を開始 画像 3

連携の中核技術:みちびき認証、PoHN、GeoMPCを機体に組み込む設計

Vlightup株式会社(代表取締役:皆本祥男)が提供するソブリン・セキュリティ・インフラ「TRUSTAUTHY」と、Aerospace Design株式会社(代表取締役:太田裕一)が持つ高性能機体設計力を融合し、UAVに対して物理的防壁を複数実装することが共同研究の中核です。両社はAIベースの乗っ取りやスプーフィングを物理的に遮断することを目的としており、その具体的仕組みが以下の三つの実装ポイントです。

共同研究で目指すのは、単なるソフトウェアの強化にとどまらない、ハードウェアレベルでの真正性検証と指揮権管理の仕組みです。安全性の向上と同時に、情報の出所を数学的に証明できる形でデータに署名を付与する点が特徴となります。

実装する三つの物理的防壁

以下に、本共同研究でドローンに実装する三つの防壁を詳述します。これらは相互に補完し合い、単一の突破口で全体が無力化されない設計を目指しています。

  • 1. 「みちびき」信号認証によるPoHN(Proof of HereNow)

    機体の制御システムにVlightupのセキュリティモジュール(TEE:Trusted Execution Environment)を統合し、日本の準天頂衛星システム「みちびき」からの信号認証を活用します。受信する位置情報の正当性をハードウェアレベルで検証することで、GNSSスプーフィング攻撃を無効化します。

    さらに、撮影データや機体ログに「位置・時刻」の改ざん不可能な電子署名を付与し、情報の出所を数学的に証明できる形で保存・伝送します。

  • 2. GeoMPC(位置情報連動型マルチパーティ計算)による指揮権の物理的防護

    指揮命令系(C2リンク)にGeoMPCを応用し、重要コマンド(武装解除、飛行経路変更など)の実行権限を分散化します。コマンドが実行されるためには、特定の場所にいる指揮官の承認が必要となる設計です。

    この仕組みにより、遠隔地からの自動化されたハイジャックや、AIエージェントによるなりすまし操作を物理的に制約し、命令系の真正性を担保します。

  • 3. ハードウェアレベルの信頼境界(TEE等)と情報の署名化

    VlightupのセキュリティモジュールをTEEとして機体に組み込み、センシティブな認証・署名処理をハードウェア内で閉域化します。これにより、ソフトウェアレベルでの侵害があっても重要な認証情報が抽出されにくくなります。

    また、取得データに付与される電子署名は改ざん検出機能を兼ね、後続の解析や証跡管理で高い信頼性を保ちます。

両社の役割分担と企業情報、代表者コメントの要旨

本共同研究において、Aerospace Designは高負荷環境や極限条件での機体設計・構造解析、UAVのハードウェア開発を担当します。一方でVlightupは暗号・認証技術、特にProof of HereNow(PoHN)やGeoMPCなどのソブリン・セキュリティ要素を提供し、機体の信頼基盤を設計します。

以下に両社の概要と代表者コメントを整理します。コメントはプレスリリースに基づく発言の要旨を引用・整理したものです。

Vlightup株式会社
代表取締役:皆本 祥男
所在地:東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内 13F
事業内容:ブロックチェーンとGNSSを活用したセキュリティプラットフォーム「TRUSTAUTHY」の開発・提供
URL:https://trustauthy.jp/
Aerospace Design株式会社
代表取締役:太田 裕一
所在地:愛知県名古屋市中村区名駅3丁目26番8号 KDX名古屋駅前ビル13階
事業内容:航空宇宙機器の機械設計・構造解析、UAV開発、エンジニアリングコンサルティング
URL:https://aerospace-design.jp/

代表者コメントの要旨

Vlightup 代表の皆本氏は、AIによる攻撃が一般化する現状においてデジタル情報だけで資産やインフラを守ることは困難であると指摘し、みちびき衛星をアンカーとすることでサイバー攻撃を物理的事実で無効化する新たな標準を提示する意図を述べています。

Aerospace Design 代表の太田氏は、同社が目指す領空侵犯等に対応する無人航空機製品化の文脈で、Vlightupの先鋭的なサイバーセキュリティ技術が機体に情報の信頼性を付与すると述べ、Made in Japanの防衛用UAVとして品質と使い勝手を両立させる方針を示しています。

スケジュール、プロトタイプと導入想定、連絡先情報の整理

両社は本要素技術の共同研究で得られた成果を基に、2026年度中にプロトタイプ機による実証実験を行う予定です。実証実験の後、段階的に防衛省・自衛隊および重要インフラ事業者へ「物理認証付きセキュアUAVプラットフォーム」として提案を進める計画が示されています。

プロジェクトにおける試作機の概念モデルは「防衛用無人航空機『ケルベロス』」と名付けられており、今後の実証で評価・改良を重ねることが想定されています。これにより我が国の経済安全保障および防衛生産基盤の強化に寄与することが目標とされています。

導入想定と適用範囲

導入先として想定されるのは、防衛省・自衛隊をはじめとする政府系の防衛組織および電力・通信など重要インフラを運用する事業者です。これらの組織は位置情報や通信の真正性が特に重要であり、物理的認証を付加したUAVプラットフォームは高い価値を持ちます。

また、サプライチェーンを国産技術で完結させることで、海外プラットフォームに依存しない自律的な運用が可能になり、長期的な安全保障面でのメリットが期待されます。

本記事の要点まとめ
項目 内容
共同研究主体 Vlightup株式会社(TRUSTAUTHY提供)とAerospace Design株式会社(UAV設計)
目的 AI脅威に対抗可能な次世代セキュリティアーキテクチャの構築(防衛・重要インフラ向け)
中核技術 みちびき信号認証によるPoHN、GeoMPC、TEEによるハードウェア保護、電子署名付与
実装予定の物理的防壁 1) PoHN(位置・時刻のハードウェア検証)、2) GeoMPC(場所連動型承認)、3) TEEでの署名化と保護
スケジュール 2026年度中にプロトタイプによる実証実験を予定
概念モデル 防衛用無人航空機『ケルベロス』
導入候補 防衛省・自衛隊、重要インフラ事業者
連絡先(広報) Vlightup株式会社 広報担当 Email: connect@vlightup.jp

本件は、Vlightupの暗号・認証技術を国家レベルのインフラ防衛基盤へ転用する戦略的取り組みの第一弾であり、Aerospace Designの機体設計力と組み合わせることで物理的真正性を担保するUAVプラットフォームの実現を目指しています。2026年度中のプロトタイプ実証を経て、防衛・重要インフラ分野への適用が検討される見込みです。