3月1日発売予定の微生物農薬エコアークが根頭がんしゅに効く
ベストカレンダー編集部
2026年1月13日 13:07
エコアーク発売開始
開催日:3月1日
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ぶどう・ばらの根頭がんしゅ病に対する新たな選択肢
クミアイ化学工業株式会社は、非病原性微生物を有効成分とする新規微生物殺菌剤「エコアーク®」を2026年春から国内で販売すると発表しました(発表日:2026年1月13日 10時00分)。本製品は、ぶどうやばらなどで問題となっている根頭がんしゅ病(根や茎にがんしゅと呼ばれるこぶが形成される病気)に対して高い防除効果を示すことが報告されています。
根頭がんしゅ病はリゾビウム属の細菌が原因で、作物の生育不良や枯死を引き起こすため、被害が大きく、特にぶどう園やばら栽培の現場で深刻な課題となっています。現在、同病害に対する有効な薬剤的防除手段が存在しないことから、エコアーク®の市場投入は現場の防除対策に新たな選択肢を提供する可能性があります。
病害の現状と現場への影響
根頭がんしゅ病の発生により、植物体の根部や茎部にこぶが形成されると、栄養や水分の吸収が阻害され、生育不良や収量の低下、最悪の場合は枯死に至ることがあります。ぶどうでは醸造用ぶどう園や生食向け園地での発生が報告されており、産地・品種を問わず経済的影響が懸念されています。
ばらにおいても根頭がんしゅ病は栽培管理上の重大な問題であり、園芸生産者にとって従来の栽培管理や土壌改良だけでは十分に対処できない場合があることから、効果的な防除資材の導入が求められていました。
- 主な被害作物:ぶどう、ばら ほか果樹類
- 被害症状:根・茎に形成されるこぶ(がんしゅ)、生育障害、収量低下、枯死
- 現状の課題:薬剤的防除手段が確立されていない
エコアーク®の成分と防除効果、環境・安全性
エコアーク®は、岡山県とクミアイ化学工業、ケイ・アイ化成株式会社が共同で開発した、非病原性のRhizobium vitis(リゾビウム ビティス)ARK-1株を有効成分とする微生物殺菌剤です。製剤形態は水和剤(粉末を水に溶かして散布するタイプ)で、有効成分含有量は非病原性リゾビウム ビティス ARK-1 2.5E+11 cfu/gと公表されています。
ポット試験において、エコアーク®はぶどうの根頭がんしゅ病に対して高い防除効果を示したことが明記されています(プレスリリース所載:エコアークのぶどう根頭がんしゅ病に対する防除効果(ポット試験))。具体的な試験数値や条件は公表資料で確認する必要がありますが、現場導入に向けて有望な結果が得られている点は示されています。
有効成分・製剤情報の詳細
エコアーク®の有効成分および製剤タイプに関する主要情報は以下の通りです。製剤は水和剤であり、希釈して散布する仕様が想定されていますが、使用にあたっては製品ラベルや添付文書に従う必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | エコアーク®(登録商標:クミアイ化学工業) |
| 種類 | 非病原性リゾビウム ビティス水和剤 |
| 有効成分 | 非病原性リゾビウム ビティス ARK-1 2.5E+11 cfu/g |
上記はプレスリリースで公表されている製剤情報をそのまま整理したものです。使用に関する詳細(希釈倍率、散布時期、適用対象や使用回数等)は製品添付文書および農薬登録情報を参照してください。
環境影響と安全性の位置づけ
エコアーク®は自然界に存在する微生物を有効成分としているため、農業従事者に対する安全性に配慮した設計が意図されています。プレスリリースでは、標的外生物および環境への影響が極めて小さいとされており、食の安全・安心の観点でも貢献が期待されています。
このような特性は、農林水産省が推進する「みどりの食料システム戦略」の方向性にも合致するものと位置づけられており、化学合成農薬に比べて環境負荷低減に寄与する製品としての評価が想定されます。ただし、具体的な安全性データや非標的影響の評価結果は公表資料や評価報告書での確認が必要です。
開発・販売体制、特許と利用上の留意点
エコアーク®は岡山県、クミアイ化学工業、ケイ・アイ化成の共同開発による製品であり、複数の特許で保護されています。プレスリリースに記載された特許番号は以下のとおりです。
- 関連特許
- 特許第5854517号
- 特許第7399409号
- 特許第7384347号
これらの特許は有効成分および利用方法に関する権利をカバーしていると考えられ、製品の商業展開と知的財産保護の両面を担保するものです。研究開発の主体であるクミアイ化学工業は、研究開発型企業として今後も新規農薬の研究開発を継続するとしています。
販売体制と出荷時期
販売はクミアイ化学工業とグループ会社である(株)理研グリーンが担当する予定で、2026年春から国内向けに販売開始されます。発売地域や取り扱い販売店、流通方法については今後の案内によるとされています。
プレスリリース中には「エコアークの適用病害虫の範囲及び使用方法」との記載があり、製品ごとの適用範囲や使用方法(散布方法、希釈倍率、適用時期など)は製品ラベルや登録情報に従うことが示唆されています。利用者は発売後に提供される製品資料を確認する必要があります。
開発背景と期待される位置づけ
開発は地域行政(岡山県)と企業の共同で進められており、地域の農業課題に対する現場志向の取り組みが反映されています。エコアーク®は、既存の薬剤では対応が困難な根頭がんしゅ病の軽減に貢献することが期待されています。
ただし、現場での効果は土壌条件や栽培環境、病原の発生程度によって変動するため、導入に当たっては製品ラベル、試験データ、適用指針を確認し、適切な栽培管理と併用することが重要です。
製品情報まとめ
以下の表は、プレスリリースに基づきエコアーク®の主要情報を整理したものです。本表は発表された全ての公表項目をまとめたもので、使用に関する詳細は製品ラベルおよび法的な登録情報を参照する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | エコアーク®(登録商標:クミアイ化学工業) |
| 発表企業 | クミアイ化学工業株式会社(代表取締役社長:横山 優) |
| 発表日時 | 2026年1月13日 10時00分 |
| 発売時期 | 2026年春(国内) |
| 有効成分 | 非病原性 リゾビウム ビティス ARK-1 2.5E+11 cfu/g |
| 製剤の種類 | 水和剤 |
| 適用病害 | 根頭がんしゅ病(ぶどう、ばら、その他果樹類) |
| 開発体制 | 岡山県、クミアイ化学工業、ケイ・アイ化成(共同開発) |
| 販売 | クミアイ化学工業、(株)理研グリーン |
| 特許 | 特許第5854517号 / 特許第7399409号 / 特許第7384347号 |
| 関連リンク | https://www.kumiai-chem.co.jp |
本稿はクミアイ化学工業が2026年1月13日に公表したプレスリリースの内容を基に作成しました。製品の使用に関する具体的な指示や最新の登録情報は、発売時に提供される製品ラベルおよび各種公的資料を必ず参照してください。