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東京ドームら日台3者、台北で国際防災共同宣言

台北国際防災フォーラム

開催期間:1月16日〜1月17日

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台北国際防災フォーラム
この共同宣言で何が具体的に変わるの?
大規模施設が避難・医療・復旧拠点として能動的に機能する方針を採り、国際的な知見共有や日常を活かした訓練で運営連携を強化。東京ドームは得た知見を自社計画に反映する。
誰が参加して誰と連携するの?
UCLAの阿部教授や蔣万安台北市長をはじめ、東京ドーム、台北メトロ、台北ドーム、東北大、東京消防庁や医療・行政・学術の幅広い関係者が参加した。

台北で開かれた国際防災フォーラムの背景と目的

株式会社東京ドームは、2026年1月16日(金)・17日(土)の2日間、台湾・台北市で開催された国際防災フォーラム「Disaster Preparedness Platform in Taipei」に実行委員会の一員として参加しました。本フォーラムは、自然災害リスクを共有する日本と台湾の文脈において、数万人規模の観客を収容するドームやアリーナといった大規模集客施設が果たすべき役割を再定義することを目的としています。

従来の「受動的な防災」から、施設自らが都市の防災能力を能動的に高める「能力モデル」への転換を目指すもので、UCLAや東北大学などが推進する国際プロジェクト「ArcDR3」統括プロデューサーである阿部仁史教授(UCLA)の全面的な協力のもと開催されました。フォーラムの企図、開催体制、会場などの基本情報は以下の通りです。

  • 名称:Disaster Preparedness Platform in Taipei
  • 開催日:2026年1月16日(金)・17日(土)
  • 会場:台北市立大学(博愛キャンパス)/台北市政府庁舎12階会議室
  • 主催:Disaster Preparedness Platform in Taipei実行委員会(事務局:UCLA阿部仁史教授/株式会社東京ドーム)
  • 協賛:台北ドーム(遠雄巨蛋事業股份有限公司)、台北メトロ(台北大衆捷運股份有限公司)、三井不動産株式会社、台湾三井不動産株式会社(台灣三井不動産股份有限公司)
  • 協力:台北市政府消防局、東京消防庁
【実施レポート】東京ドーム・台北メトロ(台北アリーナ)・台北ドームが都市防災の強化で連携 国際防災フォーラム「Disaster Preparedness Platform in Taipei」開催 画像 2

フォーラム開催の背景

日本と台湾では地震や台風など自然災害のリスクが高く、数万人を収容する施設は災害時の避難場所や医療活動の拠点として重要です。本フォーラムでは、それらの施設が都市全体の防災力を向上させるための方策、運営体制、専門連携のあり方を議論しました。

UCLAの阿部仁史教授をはじめ、東北大学など国内外の学術機関や行政、消防、医療機関、施設運営者が参画し、実務的な観点と学術的知見を結び付けることが目的とされました。

【実施レポート】東京ドーム・台北メトロ(台北アリーナ)・台北ドームが都市防災の強化で連携 国際防災フォーラム「Disaster Preparedness Platform in Taipei」開催 画像 3

公開フォーラム(1月16日)の議論と登壇者の主張

1月16日(金)に行われた公開フォーラム(会場:台北市立大学)では、蔣万安台北市長をはじめ、日台の建築、消防、医療、施設運営の専門家が登壇しました。パネルディスカッションは「アカデミア」「大規模施設」「消防」「医療」の4分野に分かれ、FEMAが示す5領域「予防、保護、減災、対応、復旧・復興」に沿って具体的な能力や施策が議論されました。

公開フォーラムでは、実務者と研究者が混在する形で議論が行われ、施設の物理的強靭化だけでなく、運営面での連携、情報共有、訓練設計、地域住民との日常的な接点づくりなど多角的な視点が提示されました。

【実施レポート】東京ドーム・台北メトロ(台北アリーナ)・台北ドームが都市防災の強化で連携 国際防災フォーラム「Disaster Preparedness Platform in Taipei」開催 画像 4

パネルディスカッションの構成

  • アカデミア:災害科学と都市計画の観点からの提言
  • 大規模施設:施設運営側の実務的課題と対応策
  • 消防:現場対応と避難誘導の実務
  • 医療:救急・復旧フェーズでの医療体制の整備
【実施レポート】東京ドーム・台北メトロ(台北アリーナ)・台北ドームが都市防災の強化で連携 国際防災フォーラム「Disaster Preparedness Platform in Taipei」開催 画像 5

蔣万安台北市長のコメント

蔣万安台北市長は、2024年に行った東京ドーム視察や2025年の東京ドームと台北メトロの友好協定締結に言及し、都市レベルの安全基準整備の重要性を述べました。蔣市長は次のように述べています。

蔣万安 台北市長の発言
「世界レベルの施設は、世界レベルの安全基準を備えなければなりません。いかなるミスも重大なリスクにつながる可能性があるからこそ、我々は『シナリオなき避難訓練』などを通じて現場の対応力を強化しています。本フォーラムを通じて東京ドームや専門家の知見を借り、国際的な防災基準に合わせ、市民とイベント参加者の安全を確保するための包括的かつ適切な対応メカニズムの構築に努めていきます。」

非公開の実務者会議と共同宣言(1月17日)の中身

1月17日(土)は非公開の実務者会議(会場:台北市政府庁舎12階会議室)が行われ、公開フォーラムでの議論を社会実装へとつなげるための詳細な検討が行われました。会議の後には、東京ドーム、台北メトロ(台北アリーナ)、台北ドームの連携による共同宣言が行われました。

共同宣言では、大規模集客施設が都市防災の拠点として機能するための「国際的なネットワーク形成」と「継続的な知見共有」を重視し、具体的な合意事項が示されました。会場ではフォーラム集合写真および共同宣言集合写真が記録されています。

共同宣言の署名者(写真の左から)

集合写真に写る主要署名者は以下のとおりです。写真左から、東京ドーム 代表取締役会長、CEO 北原 義一、台北メトロ 董事長 趙 紹廉氏、台北ドーム 総経理 李 柏熹氏が並びました。

この並びは、三者間の同等かつ対等な協力関係を象徴するものとして式典で紹介されました。

共同宣言および合意された5項目

本フォーラムを通じて確認された合意事項は以下の5点です。各項目は大規模施設の運営・管理、地域連携、国際的な知見共有に直結する具体的行動を含みます。

  1. 能動的な防災環境の整備:受け身の対策ではなく、自ら環境を整えることで都市の安全に貢献すること。
  2. 多機能な支援拠点の確立:避難場所としての機能に加え、復旧や医療活動も支える総合的な基盤を構築すること。
  3. 国際的・専門的な連携:行政や医療、大学等と協力し、蓄積した知見を世界規模で共有・活用すること。
  4. 日常を活かした意識向上:スポーツやイベントの魅力を活用し、市民と防災を結びつけるナッジとなる活動を推進すること。
  5. 豊かで包摂的な環境再生:災害に強いだけでなく、日常から誰もが使いやすく豊かな環境づくりを追求すること。

参加者一覧、協力体制と今後の取り組み

本フォーラムには、学術、行政、消防、医療、法律、施設運営の幅広い専門家が登壇しました。登壇者の氏名と所属は以下の通りです(アルファベット順・敬称略)。

登壇者一覧
阿部 仁史【UCLA 建築・都市学部 教授】
有光 司馬【東京ドーム 執行役員 開発室長】
趙 孟成【台北アリーナ 副総経理】
原田 奈穂子【岡山大学 学術研究院 ヘルスシステム統合科学学域 教授】
五十田 博【日本建築学会 災害委員会 委員長】
鄭 泰昇【台湾建築学会 理事長】
香田 将英【岡山大学 学術研究院 医歯薬学域・地域医療共育推進オフィス 特任准教授】
栗山 進一【東北大学 災害科学国際研究所(IRIDeS) 所長】
李 柏熹【台北ドーム 総経理】
南谷 健太【森・濱田松本法律事務所 弁護士/ハーバード公衆衛生大学院 修士(MPH)】
小野田 泰明【日本建築学会 会長】
石 冨元【国立台湾大学病院 救急医学部 医師】
田中 智子【東京消防庁 防災部 参事兼防災安全課長事務取扱】
塗 同銘【台北メトロ 副総経理】
上田 勝州【三井不動産 ビルディング本部 運営企画一部 企画グループ長】
吳 杰穎【台北市立大学 都市発展学科 教授兼学科長】
矢作 寛之【東京消防庁 防災部 防災安全課 地域防災係長】
葉 俊興【台北市政府消防局 第一救災救護大隊 大隊長】

協賛・協力機関としては、台北ドーム、台北メトロ、三井不動産各社、台北市政府消防局、東京消防庁が名を連ね、官民学医が連携する体制で進められました。

株式会社東京ドームは、フォーラムで得られた知見を自社の防災計画に反映させるとともに、東京ドームシティ全体や周辺地域との連携を深め、より安全・安心な都市環境の構築に貢献する方針を示しています。今回の共同宣言を契機に、大規模集客施設が担うべき新たな役割の確立を目指すと明記されています。

以下に、本記事で取り上げた主要事項を表に整理し、最後に簡潔にまとめます。

項目 内容
開催名 Disaster Preparedness Platform in Taipei
開催日 2026年1月16日(金)・17日(土)
会場 台北市立大学(博愛キャンパス)/台北市政府庁舎12階会議室
主催 Disaster Preparedness Platform in Taipei実行委員会(事務局:UCLA阿部仁史教授/株式会社東京ドーム)
協賛 台北ドーム(遠雄巨蛋事業股份有限公司)、台北メトロ(台北大衆捷運股份有限公司)、三井不動産株式会社、台湾三井不動産株式会社(台灣三井不動産股份有限公司)
協力 台北市政府消防局、東京消防庁
主要合意事項 1. 能動的な防災環境の整備

2. 多機能な支援拠点の確立

3. 国際的・専門的な連携

4. 日常を活かした意識向上

5. 豊かで包摂的な環境再生
主要参加組織・人物 東京ドーム、台北メトロ(台北アリーナ)、台北ドーム、UCLA、東北大学ほか、登壇者一覧参照
今後の取り組み 東京ドームは得られた知見を自社防災計画へ反映し、東京ドームシティおよび周辺地域との連携を強化する方針

以上が本フォーラムの要旨と合意内容の整理です。公開フォーラムと実務者会議を通じて得られた議論と共同宣言の内容は、今後の施設運営や都市防災計画に直接的に反映されることが期待されます。