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enechainがシリーズB追加で50.5億円を調達、AIとM&A強化へ

シリーズB追加調達

開催日:1月26日

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シリーズB追加調達
今回の調達って何に使うの?
eSquare Liveの機能強化や拡張、AIラボの設立とプロダクトへのAI組み込み、最高水準のセキュリティ投資、さらに成長加速のためのM&A検討などに充当されます。
出資したのは誰?
リードはCoreline Venturesで、DCMやMinerva、米Sorosなどの投資家が参加。みずほキャピタルや三菱UFJキャピタル等も関与し、三菱UFJ・三井住友はJV支援を行っています。

シリーズB追加ラウンドで総額50.5億円を調達——資本・借入を組み合わせた大型ファイナンス

株式会社enechainは2026年1月26日、Coreline Venturesをリード投資家とするシリーズBの追加ラウンドにおいて、第三者割当増資に加え、複数の大手銀行からの追加の長期借入(リファイナンスを含む)を組み合わせた資金調達を実施し、総額50.5億円の調達を完了しました。プレスリリースは同日09:00に公開されています。

加えて、グループ会社であるeClearおよびeXstendに関しては、合弁パートナーである株式会社三菱UFJ銀行や株式会社三井住友銀行などから資金調達を含む支援を受けており、グループ全体の事業基盤は盤石であると報告されています。今回の調達により、グループでの累計調達額は数百億円規模に到達しています。

今回の資金調達の構成

調達は資本性の増資(第三者割当)と借入による長期的な資金確保を併用する形で行われました。Coreline Venturesがリードを務め、既存・新規の複数の投資家・金融機関が参加しています。

参加した主な投資家は以下の通りです。

  • Coreline Ventures(リード)
  • DCMベンチャーズ
  • Minerva Growth Partners
  • JPインベストメント(※)
  • 米Soros Capital Management
  • みずほキャピタル株式会社
  • 三菱UFJキャピタル株式会社

※JPインベストメントグロース合同会社を運営者とするJPS グロース・インベストメント投資事業有限責任組合が参加。

事業の現状と市場での実績——取扱高3兆円超、スクリーン取引高は前年比25倍超

enechainは「電力から燃料、環境価値まで、あらゆるエネルギーの価値を交換できる、誰にでも開かれたフェアなマーケット」を標榜しています。2024年4月にシリーズBラウンドでの資金調達を実施して以降、主力である卸電力の累計取扱高は3兆円を突破

また、直感的かつ迅速な取引を可能にするスクリーン取引サービスeSquare Liveを通じたスクリーン取引高は、前年同期比で25倍超の成長を遂げています。これらの実績は、プラットフォームの利便性や流動性の改善が市場に受け入れられていることを示しています。

eClear と eXstend の役割

取引の安全性・確実性を高めるため、電力取引の与信リスク低減および決済基盤として、三菱UFJ銀行が資本参画する合弁事業eClear(イークリア)を推進しています。eClearは電力取引の決済機能を担い、取引の安全性向上に寄与しています。

さらに、株式会社三井住友フィナンシャルグループと設立した合弁会社株式会社eXstend(エクステンド)は、燃料取引におけるヘッジ機会の提供を通じて、燃料価格変動リスクへの対応と事業者の安定経営を支援しています。いずれのジョイントベンチャーも一昨年設立されて以降、事業は順調に立ち上がり、市場参加者の取引を幅広く下支えしています。

調達資金の使途——機能開発、AI導入、セキュリティ強化、M&A検討

今回の資金は、AIの急速な発展や電力制度改革といった外部環境の変化を踏まえ、事業成長を確実にするため、またエネルギーという社会インフラを支えるマーケットプレイスの運営において市場参加者が安心して利用できるプラットフォーム構築のために活用されます。主な投資領域は複数にわたります。

以下に具体的な投資領域と狙いを列挙します。

  1. eSquare Liveへの更なる投資(今後3年間)

    商品・データの集約と拡張性を強化し、電力に加えて環境価値等の関連エネルギー商品やデータをeSquare Liveに集約します。将来の取扱商品の拡張や機能追加が容易なプラットフォーム化を目指します。

    取引機能の追加・高度化により、グローバル水準のUI/UXおよびインフラ信頼性・可用性を備えたプラットフォームへと進化させる計画です。

  2. エコシステムの強化

    需給管理やリスク管理といった第三者システムとの連携を拡大し、eSquare Live中心のエコシステムを強化します。これによりユーザーの業務効率化を図ります。

    関連サービスとの統合やAPI連携など、実務上の運用負担軽減も視野に入れた技術投資を進めます。

  3. AIのプロダクト実装とAIラボ設立

    プロダクトへのAI組み込みを加速し、取引データ解析による価格予測や取引プロセス自動化などを実装します。これに向けて研究・社会実装を担うAIラボを新設します。

    大量の取引データを活用したモデル構築や実運用での検証を進め、市場参加者の利便性向上を図ります。

  4. セキュリティ基盤への大規模投資

    エネルギー分野は国家インフラに直結するため、サイバーリスク対策としてセキュリティ投資を強化します。最高水準のセキュリティ構築を目指し、堅牢で信頼できるプラットフォーム運営体制を整備します。

    運用体制の強化、外部監査や脆弱性対策の継続的実施を含む総合的な施策を実行します。

  5. M&Aの検討

    自社開発に加え、エネルギー業界のDXを加速させる周辺領域でのM&Aを積極的に検討し、マーケットプレイスを核としたエコシステムの拡張を進めます。

    非連続な成長を実現するための戦略的な買収により、技術・顧客基盤・サービス範囲の拡大を図る方針です。

リスク管理と信頼性の確保

資金の投下は単に機能開発を目的とするだけでなく、与信・決済基盤の堅牢化や運用・セキュリティ体制の強化に向けられます。市場インフラを運営する責務を踏まえ、リスク管理の強化を優先的に進める計画が示されています。

これにより、取引参加者が安心して利用できる環境整備を進めることが期待されます。

ステークホルダーのコメントとエコシステムの位置づけ

プレスリリースには、代表取締役 野澤氏とCoreline Ventures共同創業者兼ゼネラルパートナー 原健一郎氏のコメントが掲載されています。これらは今回の調達意義と今後の戦略を補強する内容です。

両者のコメントは、投資家の信頼と事業の社会的意義、技術と制度の両面で積み上げてきた実績を背景に、より大きな市場インフラを目指す意図を明確にしています。

代表取締役 野澤のコメント(要旨)

  • Coreline Venturesら投資家への感謝。
  • 増資により資本金が約100億円の節目に到達したこと。
  • 強固な財務基盤を背景にM&Aも含む大胆な戦略を検討し、AI投資を加速する方針。
  • スクリーン取引のスケーラビリティを重視し、市場のあり方の変革を目指す姿勢。
  • 日本発のグローバルレベルプラットフォーム実現へ向けた継続的な取組み。

Coreline Ventures 原 健一郎 氏のコメント(要旨)

  • Corelineとしてはスピンアウト前からの投資を含め、今回で3回連続のリード出資であること。
  • enechainがシステム、制度、流動性の各面で着実に基盤を確立してきた点を評価。
  • エネルギー・電力の安全保障上の課題が顕在化する中で、enechainの重要性が増しているとの認識。
  • チームの業界知見と高いシステム開発力の両立が、今後の市場インフラ化を支えるとする期待表明。

要点の整理と今後の観測点

本件は、資本増強と長期資金の確保を同時に進めることで、プラットフォームの機能強化・セキュリティ投資・AI導入・M&A準備といった多岐にわたる施策を実行可能にする重要な局面と位置づけられます。累計取扱高3兆円、eSquare Liveのスクリーン取引高が前年比25倍超といった実績は事業成長を裏付ける数字です。

以下の表に本記事で触れた主要な事実を整理します。

項目 内容
発表日 2026年1月26日 09:00
調達金額 総額50.5億円(第三者割当増資+複数銀行からの長期借入・リファイナンス等)
リード投資家 Coreline Ventures
参加投資家(主なもの) DCMベンチャーズ、Minerva Growth Partners、JPインベストメント(JPSグロース)、Soros Capital Management、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル 等
グループJVsと支援 eClear(MUFG参画)・eXstend(SMFG参画)へ合弁パートナーからの資金調達・支援
累計調達規模 グループで数百億円規模
主要実績 累計取扱高:3兆円超、eSquare Liveのスクリーン取引高:前年比25倍超
資本金(増資後の目安) 約100億円(節目)
主な資金使途 eSquare Liveの機能強化・拡張、AI導入とAIラボ設立、セキュリティ基盤の大規模投資、M&A検討
関連URL https://enechain.co.jp/

上記は今回プレスリリースで示された事実を整理したものである。資金使途の具体的実行、AIラボの立ち上げ時期やM&A方針の詳細、eSquare Liveの機能追加のロードマップなどは今後の発表で順次明らかになる見込みである。

本稿はプレスリリースの内容を元に事実関係を整理・解説したものである。