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TIS×セカンドサイトが提供、AI不正検知サービス開始

AI不正検知サービス開始

開催日:1月28日

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AI不正検知サービス開始
このサービスって何ができるの?
取引ごとにAIがリスクスコアを算出してリアルタイム判定。スコアに応じたルールで即時取引制限が可能で、マルチテナントで学習モデルを共有し検知精度を高める点が特徴。
導入にはどれくらい時間かかるの?
要件定義から運用開始まで最短8ヶ月が目安。価格は個別見積りで既存システム連携や業務要件で変動するため、問い合わせで詳細見積りを受ける必要がある。

キャッシュレス普及と増大する不正利用──背景と今回の提携の狙い

キャッシュレス決済の利用拡大に伴い、クレジットカードを中心とした不正利用の被害額は増加傾向にあります。一般社団法人日本クレジット協会の集計によれば、2024年のクレジットカード不正利用被害額は過去最高の555億円に達したと報告されています(出典:同協会「クレジットカード不正利用被害の状況について」2025年4月11日)。高度化する不正手口に対して、決済事業者にはAIを活用した検知や本人確認強化など、より実効性の高い対策が求められています。

一方で不正検知の現場は、国際ブランドが提供する標準的なシステムと、事業者が個別に構築するハイエンドなシステムに二極化しています。前者では高度化する不正手口への対応が十分でない場合があり、後者では導入・運用コストが高くなりがちです。こうした課題を受け、TIS株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:岡本 安史)とセカンドサイトアナリティカ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:高山 博和)は協業し、AIエンジンを活用したマルチテナント型の「AI不正検知サービス」を共同で開発し、2026年1月28日13時10分に提供開始を発表しました。

両社の協業では、セカンドサイトアナリティカのAIルールエンジンを基盤に、カード決済不正に特化したアプリケーションとAIモデルを構築し、TISが業務ノウハウや運用要件を整理・定義してカスタマイズを実施しています。TISはまた、当該エンジンを用いたセキュアな運用基盤の構築や事業企画、サービスの販売・提供を担います。

サービスの特長と実装機能──AIスコアリングとマルチチャネル対応

「AI不正検知サービス」は、従来型のルールベース検知に加え、AIによるリスクスコアを標準搭載します。導入初期からAIスコアリングを利用可能とし、運用を通じてスコア精度を把握しながら、スコアに応じたルールの見直しを行うことでルール数の最適化やメンテナンス負荷の軽減を図ります。

また、マルチブランド対応・マルチチャネル対応を掲げ、複数の国際ブランドカードを発行するイシュアに対して不正検知対策を統合的に提供できます。対応する決済手段はクレジットカード、デビットカードのほか、プリペイドカード、コード決済、一部のハウス決済にも及びます。

AIスコアリングと学習機能

AIは個別取引や加盟店ごとのリスクをスコアとして算出します。算出されたスコアの内訳を参照することで、どの要因がリスク評価に寄与しているかを具体的に確認できます。スコアに対する評価ルールは各イシュアが作成・設定し、スコアに応じた取引制限を実施可能です。

さらにフィードバック機能を通じて、不正情報(検知結果や実際の不正判定データ)をAIモデルに反映させ、学習を継続することで検知精度の向上を図ります。これにより、個別事業者単独では得にくい検知情報を共有することで検知力を高めることが期待されます。

マルチテナントと加盟店軸の対策

本サービスはマルチテナント型で提供され、各イシュアで学習されたスコアリングモデルを共有する仕組みを採用しています。これにより、ある事業者で発生した不正利用情報が他社の取引にも反映され、不正手口の裾野が広がる前に検知できる可能性が高まります。

また、加盟店を軸とした不正利用対策も想定されています。特定加盟店での異常検知や、近年増加している「クレジットマスターアタック(プログラムにより大量に有効なカード番号を推測・生成して不正利用する攻撃)」への対策機能も備えています。

提供機能の一覧

以下はサービスで提供される主な機能です。各機能について、運用側の要件定義から運用開始までを見据えた設計が行われています。

  • スコアリング機能:個別取引・加盟店リスクのスコア算出、スコアに基づく取引制限、フィードバック機能によるモデル更新。
  • ルール機能:不正検知用ルールの登録・変更、ルールに基づく監視と異常取引の特定。
  • リアルタイム照会機能:取引に対する不正判定結果のリアルタイム更新、スコア内訳の参照によるリスク内容の確認。

要件定義から運用開始までの導入期間は最短で8ヶ月とされており、導入企業の業務要件や既存システムとの連携状況に応じた個別の設計・見積もりが行われます。

両社の役割分担と技術的な強み

開発体制における役割分担は明確です。セカンドサイトアナリティカはAIルールエンジンを基盤として、不正検知に特化したエンジンとAIモデルの構築を担当しました。TISはカード決済分野での業務ノウハウと運用要件の整理・定義を行い、その要件に基づいてカスタマイズを実行しています。

さらにTISは、当該エンジンを活用したセキュアな運用基盤の構築、事業企画、サービスの販売・提供を担うことで、実運用に耐えうる体制を提供します。両社の強みを組み合わせることで、実効性のある不正検知サービスの市場導入を目指しています。

セカンドサイトアナリティカ
AIルールエンジンの提供、カード決済領域への不正検知エンジンのカスタマイズ、機械学習・ディープラーニング等を用いたモデルのR&Dを主に担当。
TIS株式会社
カード決済不正検知に関する業務ノウハウの整理・定義、セキュアな運用基盤の構築、事業企画およびサービスの販売・提供を担当。TISは金融、産業、公共、流通サービス分野など多様な業種で3,000社以上のビジネスパートナーを有し、50年以上の業界知識とIT構築力を持つことが紹介されています(出典:TIS公式情報)。

導入計画・価格・問い合わせ情報と今後のロードマップ

提供価格は個別見積もりとなっており、詳細は問い合わせフォームにて案内されています。サービスの詳細紹介ページおよび問い合わせページのURLは以下です。

  • 提供サービス紹介:https://www.tis.jp/service_solution/ai_fraud_detection/
  • お問い合わせ(個別見積もり):https://www.tis.jp/inq/ai_fraud_detection_tdw/
  • プレスリリース(関連):https://www.tis.co.jp/news/2025/tis_news/20260128_1.html

導入目標として、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、コード決済事業を展開する決済事業者を中心に、2027年度までに4社への導入を目指す計画が示されています。加えて、2026年4月にはファーストユーザーとして大手プリペイド決済事業者への導入が決定していると明記されています。

疑問点や導入検討の相談、見積もり依頼は以下の窓口まで連絡するよう案内されています。

窓口 担当 連絡先
TIS株式会社 デジタルイノベーション事業本部 PAYCIERGE総合窓口 E-mail:paycierge@ml.tis.co.jp
セカンドサイトアナリティカ株式会社 問い合わせ窓口 E-mail:info@sxi.co.jp

記事の要点まとめ

以下の表は本記事で触れた「AI不正検知サービス」の主要事項を整理したものです。導入期間、対象決済手段、主な機能や両社の役割、導入目標などを一覧にしました。

項目 内容
発表日 2026年1月28日 13:10(TISインテックグループによる発表)
サービス名 AI不正検知サービス(マルチテナント型、不正検知AIモデル搭載)
提供開始 2026年1月28日より提供開始
主な提供機能 AIスコアリング、ルール機能、リアルタイム照会、フィードバックによるモデル更新
対応決済 クレジットカード、デビットカード、プリペイド、コード決済、一部ハウス決済
技術的特徴 セカンドサイトアナリティカのAIルールエンジンを基盤としたカスタマイズ、マルチテナントによるスコア共有、加盟店軸の対策
導入期間目安 要件定義~運用開始まで最短8ヶ月(個別条件により変動)
導入目標 2027年度までに4社への導入を目指す。2026年4月に大手プリペイド決済事業者がファーストユーザーとして導入予定
価格 個別見積り(問い合わせ先参照)
問い合わせ TIS:paycierge@ml.tis.co.jp / セカンドサイトアナリティカ:info@sxi.co.jp
参考出典 一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の状況について」(2025年4月11日)及びTIS/セカンドサイトアナリティカの各公式ページ

今回の発表は、標準的な検知では対応が難しい高度化した不正手口と、個別に構築する場合の運用負荷という二つの課題に対して、AIの学習機能とマルチテナント運用による情報共有を組み合わせた実務的な選択肢を提示するものです。導入検討に際しては、各事業者の既存システムとの連携要件や運用ポリシーを踏まえた個別設計・見積りが必要となります。