藤野知明の20年記録、書籍『どうすればよかったか?』発売
ベストカレンダー編集部
2026年1月29日 12:17
書籍発売
開催日:1月29日
📅 カレンダーに追加:Google|iPhone/Outlook
二十年の記録が問いかけるもの ― 映画の裏側を綴った一冊が刊行
株式会社文藝春秋は、ドキュメンタリー監督・藤野知明さんの新刊『どうすればよかったか?』を2026年1月29日(木)に発売しました。プレスリリースは同日06:00に発表され、書籍への予約が殺到したため、発売前の重版が決定したことも明らかにされています。
本書は、藤野監督が20年以上にわたって自身の家族にカメラを向け続けたドキュメンタリー映画『どうすればよかったか?』の裏側を、映像では伝えきれなかった事実や感情を含めて記した書き下ろしです。映画が公開されて話題を呼んだ背景と、その制作過程で記録された出来事が、文章としてまとめられています。
映画の概要と社会的反響
映画『どうすればよかったか?』は、姉の統合失調症発症と家族の対応を、弟である藤野監督が長期にわたり記録したドキュメンタリーです。公開は2024年12月で、口コミを中心に広がり、全国で満席や立ち見が続出しました。
動員は16万人を突破(2025年12月18日時点)し、ドキュメンタリー映画としては異例の大ヒットと評価されています。作品および書籍のクレジット表記には〈©2024 動画工房ぞうしま〉が付されています。
- 公開時期:2024年12月
- 動員実績:16万人(2025年12月18日時点)
- 制作クレジット:©2024 動画工房ぞうしま
書籍の中身と映像では見えなかった記録
本書は映画に収めきれなかったショッキングな事実や、監督が姉や両親と過ごした時間の中で抱いた悲しみ・怒り・混乱・葛藤・喜び・希望といった感情を、監督自身の言葉で率直に綴ったものです。映像だけでは伝えきれない細部や心情が文章によって補完されています。
書籍では、姉が発症した当時の家の様子を初めて録音している場面の描写や、姉が描いた家族のイラストなど、映画の資料や背景が具体的に示されます。家族史を追体験することで、読者は「家族とは」「人生とは」といった根源的な問いに直面します。
目次と構成
書籍は章立てで時間軸に沿った構成になっており、幼少期から最近までの家族の歩みを順に追う形です。各章で扱う年代や主題が明確に分けられているため、出来事の経緯を時系列でたどりやすい作りです。
- はじめに
- 第一章 子供時代の思い出(1966〜1982)
- 第二章 混乱の日々(1983~1992)
- 第三章 家族と離れて(1993~2000)
- 第四章 家族との対話(2001~2008)
- 第五章 時間を取り戻す(2009~2021)
- 第六章 姉のいない時間を生きる(2022~2025)
- おわりに
全体で200ページ。四六判並製カバー装で、定価は1,650円(税込)、ISBNは978-4-16-392064-1です。書誌情報の詳細は出版社の書誌ページにも掲載されています(https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163920641)。
家族の記録と制作経緯、監督の言葉
物語の中核となるのは、医学部に進学するほど優秀だった姉が突然叫び出し、統合失調症の症状が疑われたことです。医師で研究者でもある父母は当初それを認めず、精神科の受診から姉を遠ざけ、やがて玄関に鎖と南京錠をかけて家に閉じ込めるようになったとされています。
この家族の対応に疑問を感じた弟である藤野監督は、説得を試みるも解決に至らず実家を離れました。しかし18年後、映像制作を学んだ彼は帰省ごとにカメラを回し続け、一家の風景や姉の姿を記録していきます。20年にわたる撮影は、家族の内側から社会との断絶を可視化する営みとなりました。
藤野知明監督のコメント
藤野監督は書籍刊行に際して次のように述べています。映画で省略したことを文字にする機会を得たため、家で何が起きていたのか自身が何を考えていたのかをまとめた、としています。映画の仮題は『姉が統合失調症を発症し、考えたこと』であり、本書はその仮題に沿った内容になっていると述べています。
また、事前重版が決定したことに触れ、映像で伝えたことについてさらに詳しく知りたいという読者がいると実感したこと、そして我が家の事例だけに留まらず読者自身の家族や身の回りの出来事と結びつけて映画を観ている方が多いことを指摘しています。上映前には予想できなかった反響が広がっていると述べています。
アンコール上映と舞台挨拶の予定、関連情報
書籍刊行に合わせて、全国の映画館で書籍刊行記念アンコール上映が開催されています。東京のポレポレ東中野では書籍刊行記念のアンコール上映が行われており、日程により大阪や福岡などでも順次公開されています。
以下に明記されている上映開始日や舞台挨拶の予定もプレスリリースで発表されています。
- 東京:ポレポレ東中野(書籍刊行記念アンコール上映中)
- 福岡:KBCシネマ1・2(1月30日より)
- 大阪:第七藝術劇場(1月31日より)
- 横浜:シネマリン(順次公開)
- 神戸:元町映画館(順次公開)
- 京都:出町座(順次公開)
- 広島:横川シネマ(順次公開)
舞台挨拶のスケジュール(予定)も明示されています。具体的には、1月31日(土)大阪 第七藝術劇場、2月2日(月)・2月6日(金)には東京 ポレポレ東中野で藤野監督による舞台挨拶が予定されているほか、各地での舞台挨拶が順次行われるとされています。上映情報の詳細は公式サイトにて確認するよう案内されています。
関連するオンライン情報として、公式サイト(https://dosureba.com)とアンコール上映予告篇のYouTubeリンク(https://youtu.be/yeFPky2qOIA)が公開されています。書誌ページのURLも書籍情報として挙げられています(https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163920641)。
著者プロフィール(要旨)
著者であり監督の藤野知明(ふじの・ともあき)は1966年北海道札幌市生まれ。北海道大学農学部林産学科を7年かけて卒業した後、横浜での就業を経て1995年に日本映画学校映像科録音コースに入学しました。
- 主な経歴
- サハリンの先住民に関する短編ドキュメンタリー制作に参加後、近代映画協会やCG・アニメ制作会社、ゲーム開発会社で映像制作に携わる。
- 拠点移動と活動
- 2012年に札幌に戻り、2013年に淺野由美子と「動画工房ぞうしま」を設立。マイノリティに対する人権侵害をテーマとした映像制作を継続。
- 監督作品
- 短編『八十五年ぶりの帰還 アイヌ遺骨 杵臼コタンへ』(2017)、長編『とりもどす』(2019)など。『どうすればよかったか?』(2024)は山形国際ドキュメンタリー映画祭[日本プログラム]など国内外の映画祭で上映。
- 現在の活動
- 『アイヌ先住権とは何か?ラポロアイヌネイションの挑戦(仮)』などの制作のほか、淺野由美子監督作品のプロデュースや編集にも関わる。
要点を整理した表と結び
以下の表は、本記事で取り上げた書籍と映画、公開・刊行に関する主要な情報を整理したものです。制作背景、刊行日、価格、ISBN、動員実績、アンコール上映の開始日や舞台挨拶など、読者が参照しやすいように一覧化しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 『どうすればよかったか?』 |
| 著者 | 藤野知明 |
| 発売日(書籍) | 2026年1月29日(木) |
| 判型・頁数 | 四六判並製カバー装、200ページ |
| 定価 | 1,650円(税込) |
| ISBN | 978-4-16-392064-1 |
| 出版社 | 株式会社 文藝春秋 |
| 映画公開 | 2024年12月公開、©2024 動画工房ぞうしま |
| 動員実績 | 16万人突破(2025年12月18日時点) |
| 重版状況 | 予約殺到により発売前重版決定 |
| アンコール上映(主な開始日) | 東京:ポレポレ東中野(開催中)、福岡:KBCシネマ1・2(1/30〜)、大阪:第七藝術劇場(1/31〜)他 |
| 舞台挨拶予定 | 1/31 大阪 第七藝術劇場、2/2・2/6 東京 ポレポレ東中野 ほか各地 |
| 関連リンク | 公式サイト、アンコール上映予告(YouTube)、書誌ページ |
書籍『どうすればよかったか?』は、映像を通じて提示された問いを文章として深め、家族の内側で起きた出来事の全体像を明らかにする試みです。刊行情報やアンコール上映、関連するリンクは上の表にまとめた通りです。詳細な上映情報や最新のスケジュールについては公式サイトで確認することが推奨されています。