燈が三菱電機から50億円調達、産業OS開発を加速
ベストカレンダー編集部
2026年1月29日 13:32
三菱電機からの50億円調達
開催日:1月28日
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三菱電機と燈が描く共同の大局観:50億円調達と1,000億円評価の意味
燈株式会社(読み:あかり)は、2026年1月28日に三菱電機株式会社を引受先とする第三者割当増資により50億円の資金調達を実施したと、2026年1月29日午前9時に発表した。今回の増資に先立つ企業評価額は1,000億円であり、創業以来の黒字経営と実装力、技術的優位性が高く評価された結果である。
燈は2021年2月に東京大学発のAIスタートアップとして創業し、建設・製造・物流・卸売・小売など幅広い産業領域でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進してきた。今回の資金調達は同社にとって初の大型調達であり、三菱電機との戦略的事業連携を通じて「次世代産業OS」の開発を加速させ、国内外での競争優位性確立を狙う。
- 発表日:2026年1月29日 09時00分(リリース発表)
- 実行日(増資):2026年1月28日
- 調達額:50億円(第三者割当増資)
- 企業評価額:1,000億円(増資に先立つ評価)
- 引受先:三菱電機株式会社
- 燈(Akari Inc.)本社:東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ21階
- 代表:代表取締役社長 兼 CEO 野呂 侑希
- 創業:2021年2月(東京大学発)
「次世代産業OS」――フィジカルと知能化を結ぶプラットフォーム構想
燈が掲げる「次世代産業OS」は、単なるソフトウェアではなく、製造現場や建設現場、物流拠点などのフィジカルなアセットをAIで自律化・最適化するための統合基盤を目指す構想である。近年のAI潮流はデジタル空間に閉じないEmbodied AI(身体性AI)へと移行しており、燈は実機検証に強みを持つロボットエンジニアを社内に多数擁している点が特徴だ。
三菱電機が保有するFAシステムや社会システムに関する広範な事業領域、グローバルなネットワーク、そして製造現場から得られる膨大な実データや機器制御に関するドメイン知識と、燈の持つ最先端アルゴリズム開発力・迅速な実装力を組み合わせることにより、無人化・自立化された未来の工場の頭脳として機能するプラットフォームの実現を目指す。
両社の役割分担と技術的融合
三菱電機は「現場を動かす力(フィジカルなアセット)」と、設備やシステムのノウハウ、広範な現場データを提供する。一方で燈は「知能化する力(AIのアセット)」として、アルゴリズム設計、ロボット実装、フィールド検証を通じて現場に適用可能なソリューションを素早く形にする。両社の融合は、現場データを直接活用したAIの高精度化と実装スピードの両立を狙う。
以下は、両社の強みを比較整理した表である。
| 燈(Akari) | 三菱電機 | 共同で目指す成果 |
|---|---|---|
| 東京大学発のAIアルゴリズム開発力、ロボットエンジニアによる実機検証力 | FAシステム・社会インフラにおける現場知見、機器制御のドメイン知識、グローバルネットワーク | 実データ活用による高度な自律制御、無人化・自立化工場の実現、産業プラットフォーム化 |
資金使途と戦略的投資の中身:M&A・研究開発・エンジニアリング体制の強化
燈は調達した50億円を明確な戦略に基づき配分する。主な使途はM&Aの推進と研究開発(R&D)の加速であり、それぞれの領域で具体的な目的が設定されている。
M&Aについては、既存事業とのシナジーが見込まれる技術保有企業やドメイン特化型企業の買収・資本提携を推進することが示されている。一方、研究開発ではEmbodied AIおよび次世代産業OSの開発に向けたエンジニアリング体制の拡充が明記されている。
- M&Aの推進:シナジーが見込まれる企業の買収・資本提携によりドメイン知見と製品ラインを拡充する。
- 研究開発の加速:Embodied AI及び次世代産業OS構築に向け、アルゴリズム開発・実装・現場検証体制を強化する。
- エンジニアリング体制強化:ロボットエンジニアやソフトウェアエンジニアの採用・育成、実機検証環境の整備を進める。
当事者コメント(要旨)
三菱電機 執行役社長 漆間 啓 氏は、燈との戦略的パートナーシップについて「日本の産業DXを最先端AI技術で推進する燈様と、戦略的パートナーシップを構築できることを大変光栄に存じます」と述べ、燈の高度なAI技術とスピード感が、三菱電機の目指すデジタル変革に不可欠であると評価した。
燈 代表取締役社長 兼 CEO 野呂 侑希は、三菱電機が保有する現場データと燈のAIアルゴリズム・実装力の融合を通じて「世界に類を見ない産業OSを構築してまいります」とコメントしている。燈は創業以来黒字経営を維持し、事業利益を再投資する形で成長を続けてきたことも強調された。
両社のコメントは、単なる資本提携を超えた戦略的連携に基づく協業の決意を示しており、技術移転や市場展開で具体的な協業プロジェクトが進むことを示唆している。
燈の事業背景としては、AIを活用した生産性向上や匠の技の継承など、日本の基幹産業が抱える課題解決に取り組んでいる点が挙げられる。社内ではロボットエンジニアが実機での検証を日常的に行っており、理論と実装の両輪での技術開発が行われている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調達額 | 50億円(第三者割当増資、引受先:三菱電機) |
| 企業評価額 | 1,000億円(本増資に先立つ評価) |
| 目的 | 次世代産業OSの開発加速、M&A、R&D・エンジニア体制強化 |
| 主な事業領域 | 建設、製造、物流、卸売・小売等の基幹産業に対するAIソリューション提供 |
| 双方の強み | 三菱電機:現場データとハード資産・ドメイン知識。燈:AIアルゴリズムと実装力。 |
| 会社概要(燈) | 燈株式会社(Akari Inc.)所在地:東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ21階。代表:野呂侑希。設立:2021年2月。ホームページ:https://akariinc.co.jp/ |
今回の資金調達と三菱電機との戦略的連携は、燈が掲げる「日本を照らす燈となる」という使命の実現に向けた重要な一手である。産業の現場に深く根ざしたデータと制御技術を持つ企業と、現場適用を前提としたAIの組み合わせは、国内の生産性向上や技術継承の課題に対して新たな解を提示する可能性を持つ。上記の表は本記事で触れた主要事項を整理したものであり、発表内容を要点として読み取れるようにまとめている。