デザイナーの働き方調査:世代で変わる価値観とAI影響
ベストカレンダー編集部
2026年1月30日 12:05
デザイナー働き方調査
開催期間:12月25日〜1月1日
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世代で分かれるキャリア観――報酬重視からやりがい重視へ
デザイン関連職に従事する20歳から69歳の279人を対象に実施された、株式会社JDNの「働き方に関する実態・意識調査」からは、年齢階層による働く動機の明確な変化が読み取れます。調査は2025年12月25日(木)から2026年1月1日(木)の8日間にわたりWebアンケートで行われ、2026年1月30日 09時00分に公表されました。
調査項目の一つである「長く働き続けるために重要だと思う要素(複数回答)」では、年齢が若い層ほど経済的要素を重視し、年齢が上がるごとに仕事の内面的な満足や自己実現に比重が移る傾向が示されています。特に60代以上では80.0%が「仕事のやりがい」を重視しており、給与(20.0%)を大きく上回りました。
世代別の重視要素の詳細
年代別の傾向は単に「給与かやりがいか」という二分ではなく、30代・40代で人間関係(チーム・上司)を重視する傾向や、20代〜40代で勤務時間の柔軟性を求める動きが見られます。60代以上では経験を活かせる場(スキルを活かせる環境)へのニーズが高くなっています。
- 20代〜40代:およそ半数が「給与水準」を重視
- 30代〜40代:人間関係(チーム・上司)への関心が相対的に高い
- 20代〜40代:勤務時間の柔軟性を重視する傾向
- 60代以上:80.0%が「仕事のやりがい」を重視、経験の発揮を重視
これらの結果は、組織が世代ごとの価値観を踏まえた処遇や職務設計を検討する必要性を示しています。給与や安定を重視する世代に対しては経済的な基盤の提示、自己実現を重視する世代にはプロジェクトや役割の自律性確保などが有効な対応策として考えられます。
AIの普及に対する感度――ベテランほど変化を強く予想
AIの普及が働き方やデザイナーの役割に与える影響については、全体の57.7%が「変わる」と予測しており、特に50代では46.9%が「大きく変わる」と回答しています。一方で20代は「大きく変わる」と考える割合が24.7%にとどまり、世代間で温度差が確認できました。
この数値は、経験年数が多い世代ほど職能や市場構造の再定義に対する緊張感が高まっていることを示しており、若年層はAIを既存環境の一部として受け入れつつ柔軟に対応する姿勢が見られます。
自由回答に見られた主要な論点
AIにより想定される変化に関する自由回答(n=145)では、主に三つのテーマが多く挙げられました。それぞれ具体的な声を示します。
- 役割の変化:制作から選択・監修へ
- 制作の実務をAIが代行することで、デザイナーは上流工程や判断業務へシフトするという意見が多数寄せられました。例として「制作はAIでできるようになるため、デザイナーの役割はディレクションの側面が大きくなる(30代)」や「AIが提供するプランを検討し、どう活かしていくのか考えて行く必要がある(60代)」などがあります。
- 生産性の向上:時短と試行回数の最大化
- リサーチやラフ作成などの時間が短縮され、提案数や試行の幅が増えるという期待が挙がっています。「企画書の制作時間の削減、ラフデザイン案の提案数が増やせる(60代)」「クライアントの要望にもっと寄り添える提案がしやすくなる(30代)」といった具体的声がありました。
- 市場の二極化:参入障壁の低下と専門性の再定義
- 「誰でも作れる」ことにより単純作業の価値が下がり、専門性の差が顕在化する可能性が指摘されました。代表的な指摘は「スキルがなくてもデザイナーを名乗るフリーランスが増えそう(40代)」「粗製濫造になり、ハイクラスと二極化が進む(50代)」などです。
これらの意見は、AI導入が単なるツールの追加にとどまらず、業務設計や人材育成、評価基準の見直しを含めた組織的な対応を求めることを示唆しています。
学習手段と働き方の実態――若年層はデジタル学習、ベテランは現場学習
新しいデザインツールやスキル習得の方法については世代差が明瞭でした。20代の38.4%、30代の43.0%が「SNS・YouTubeなどの動画/Web記事」を主要な学習手段として挙げる一方、50代以上の56.2%は「業務を通じた試行錯誤」を学びの主軸にしています。
学習チャネルの違いは、社内教育や採用後の育成施策に影響を与えます。若年層には短尺動画やオンライン教材、ベテラン層にはOJTや実践的なケーススタディを組み合わせるなどの多様な学習設計が求められます。
転職意向と副業への関心
現在の転職意向は年齢とともに「定着」志向が強まる傾向が見られます。40代では「まったく考えていない」層が33.9%に達し、20代の20.5%を上回っています。一方で、40代は「条件が合えばすぐにでも転職したい」と回答した割合が16.9%と全世代で最も高く、安定志向と機会追求が併存するハイブリッドな意識が読み取れます。
副業への関心は全体で5割を超えており、40代の副業に対する関心は高い水準にあります。調査概要のまとめでは40代の副業への関心が62.7%と報告され、内訳では「やや興味がある」が40代で42.4%と最も高い値でした。対照的に60代以上では約4割が「全く興味がない」と回答しています。
- 40代:副業関心(合計)62.7%、やや興味がある 42.4%
- 60代以上:全く興味がない 約40%
- 40代:転職は考えていない 33.9%、条件次第で転職したい 16.9%
こうした結果は、40代が社内での安定を望みつつも、外部での経験や収入の機会拡大に強い関心を持っていることを示しています。企業側は副業を含むキャリア多様化を許容する制度設計を検討する必要性があります。
調査概要とJDNの取り組み、要点整理
本調査は生成AIの普及や働き方の多様化が進む時代に、デザイン業界の現場でのキャリア観や実態を可視化することを目的に行われました。以下に調査の概要と本記事で触れた主要なポイントを表形式で整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表元 | 株式会社JDN(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:朝田賢治) |
| 公表日時 | 2026年1月30日 09時00分 |
| 調査期間 | 2025年12月25日(木)〜2026年1月1日(木) |
| 調査対象 | 全国の20歳〜69歳のデザイン関連職として働く有職者 |
| サンプル数 | 279人 |
| 調査方法 | Webアンケート調査 |
| 主要な調査結果(要点) |
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| 関連メディア(運営) |
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表に示した通り、本調査はサンプル数279という規模でデザイナーの価値観、AIの影響認識、学習手段、転職・副業意向などを幅広く把握する内容でした。世代間の差異は、企業が人材採用や育成、働き方制度を設計する際に具体的な示唆を与えるものです。特に40代の「社内定着志向」と「副業への関心の高さ」、50代のAIに対する危機感、若年層のデジタル学習活用といった点は、組織の人事施策や教育プログラムを検討する際に考慮すべきポイントとして整理できます。
以上が株式会社JDNによる「働き方に関する実態・意識調査」の内容と主要な示唆の整理です。調査の詳細や各種メディア、運営情報については上記の各サイトで確認できます。