街頭演説を点数化で検証 勝ちパターンと再ランキング
ベストカレンダー編集部
2026年2月8日 11:42
街頭演説分析
開催日:2月8日
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街頭演説を「点数化」して見えた“勝ちパターン”——投票予測を精査する試み
知識表現AIを用いるコグニティ株式会社は、2026年2月8日投票日の衆院選に向け、各党の街頭演説(10党・合計419分)を対象に、発言の内容だけでなく伝え方の「型」を定量化する分析を実施したと発表した。本分析は投票予測そのものを鵜呑みにするのではなく、演説の特徴が投票予測とどの程度整合するかを点検することを目的としている。
同社によれば、対象は10党の街頭演説をコグニティの組織分析サービス「COG-EVIDENCE」で分解し、話題の構造、説明の反復、問いかけへの応答といった要素を数値化したものである。また、投票予測データとしては、選挙ドットコムとJX通信社が共同で実施した全国意識調査の数値を「評価値」として用い、投票予測が高い演説に共通する特徴セット(いわゆる『勝ちパターン』)を抽出した。
速報として示された主要なポイント
コグニティが公開した速報は複数の観点に分かれる。第一に、投票予測が高い演説に共通する要素が3点に収束した点だ。第二に、論点の数だけでなくその並び方や情報量の差が影響している点。第三に、話速や語量における輪郭の違いが観測された点。これらの観点を組み合わせ、演説の特徴から再ランキングを算出している。
なお同社は、同様の選挙分析を過去に3回(2022年参院選、2024年都知事選、2025年参院選)行っており、本件は4回目の実施に相当する。
「勝ちパターン」の中身と、各党に見られた具体的な差異
コグニティが抽出した「勝ちパターン」は次の3点に要約される。(1)論点数を増やす(主なトピックの割合を増やす)、(2)繰り返し説明の割合を減らす、(3)問いかけに対する自問自答(回答)の長さを増やすことだ。これらは「論点が立っていて、同じ話を回さず、聴衆側の反応(受け取り)を引き出す設計」になっている演説が高評価となることを示している。
演説の論点構成に関しては単に数が多いか少ないかだけでなく、その並び(情報量の高い話題が上位にあるかどうか)にも差が出るとしている。高評価側は「主張の核」や「意味づけ」が明確な話題が上位に並ぶ傾向がある一方、低評価側は「投票行動の呼びかけ」や同趣旨の繰り返しが上位に来やすいという。
語りの輪郭(量・速度)で見えた傾向
語量や話速、文の長さなどの測定では、高投票予測側の演説はややゆっくりめの速度帯にあることが示された。数値でいうと、高投票予測側は254.2語/分、全体平均は271.2語/分だった。メジャー政党の街頭演説が相対的にゆったり話す傾向にある点を示唆している。
問いかけに対する自問自答については、(公示前の)議席数が多い党ほど「自答の長さ」が長い一方で、「自問自答の数」は逆の傾向、すなわち議席数が多い党ほど問いかけ自体が少ない傾向が確認された。
演説スコア化と再ランキングの結果——チームみらいの想定以上の評価
コグニティは上述の勝ちパターンを用いて、各党の演説を0〜100点でスコア化し、演説特徴から逆算した再ランキングを算出した。ここで重要なのは、この再ランキングが投票予測そのものの順位を示すのではなく、あくまで「勝ちパターン保有度」による評価である点だ。
再ランキングの結果は次の通りだ。
- 1位:自由民主党(100点)
- 2位:チームみらい(75点)
- 3位:中道改革連合(70点)
- 4位:国民民主党(58点)
- 5位:日本共産党(53点)
- 6位:れいわ新選組(35点)
- 6位:日本維新の会(35点)
- 8位:日本保守党(18点)
- 9位:参政党(5点)
- 10位:社会民主党(0点)
この結果から同社は、投票予測の序列そのものではなく、演説の短くシンプルな特性に基づく計算でチームみらいが事前想定以上のスコアを得ている点を指摘している。
分析対象とデータの出所、注意点
分析対象は下記の10党の街頭演説(合計419分)で、文字化にはYouTubeの「文字起こし表示」をそのまま利用している。したがって、YouTubeの誤変換がそのまま分析に反映される可能性がある旨を同社は明記している。
- 対象政党とソース(各YouTubeリンク)
- 自由民主党:https://www.youtube.com/watch?v=p4OF8iBwKCk
- 中道改革連合:https://youtu.be/rD_-cgvwkLY?si=u5EKEZV0-bi98Gf4
- 日本維新の会:https://www.youtube.com/live/daZNGLE4RpU?si=yThSTyPtzkjQpGCb
- 国民民主党:https://www.youtube.com/live/RtNIVOhKrWw?si=hA34TygWL680HlQf
- 参政党:https://www.youtube.com/live/XXCnHvCB5DQ?si=O5IuJjs2TtpuYir9
- チームみらい:https://www.youtube.com/live/94bNVSixxiI?si=Lfm8C8SCktEuYHWm
- 日本共産党:https://www.youtube.com/live/BfNeFnpVLx0?si=Dod6gtkj8AyFCkwa
- れいわ新選組:https://www.youtube.com/live/O4gMbFbLgxc?si=lqu_dlHmQIIAhLgJ
- 社会民主党:https://youtu.be/mJva8R7Oeho?si=eyPt5N7k9jl7kIOr
- 日本保守党:https://www.youtube.com/live/af3QeRpLa8w?si=ggRa9-IuCvOZsasW
また照合に用いた投票予測の出所は「選挙ドットコム×JX通信社」の全国意識調査であり、同社はその結果を評価値として活用している。
分析手法、関連サービス、特集ページの案内
コグニティのCogStructureは、知識表現(Knowledge Representation)やオントロジーのアプローチを基盤にしており、発話や文章を比較可能な指標に落とし込むことに重きを置く技術だ。生成AIが文章を生成することを得意とする一方で、CogStructureは発話・文章の構造と情報量を抽出・可視化する点が特徴である。
今回の分析では政見放送や街頭演説の発話を要約・生成するのではなく、話題(論点)とその情報量・構造を抽出し、各党の特徴を定量的に比較する形で整理している。
特集ページとnoteの公開情報
コグニティは今回の分析結果を踏まえて、有権者向けの特集ページ「2026年衆院選・政論解体新書」を公開している。URLは以下の通りだ。
- 特集ページ:https://cognitee.com/2026vote
- 関連note(有料記事等):https://note.com/cognitee/n/n9fecbac0fc6e
特集ページでは、各党のマニフェスト動画・政見放送・街頭演説の論点や特徴を一覧化し、傾向や注意点を分析・共有している。具体的には以下の分類での公開が行われている。
- 一の巻:各党マニフェストの分析から「偏り」を把握する論点・特徴一覧
- 二の巻:政見放送の「具体策」言及が昨年比での減少を可視化
- 三の巻:自民⇔中道の違いを印象から外して判断するための比較
- 四の巻:街頭演説の特徴から投票予測を精査し、演説を点数化(noteは無料公開)
Baseline Review(トライアル)の内容と申し込み
コグニティは、定性データを構造化して「改善に使える指標」や「行動に落ちる示唆」に変換するサービスを提供しており、その入口として「Baseline Review(お試し)」をリリースしている。価格は5万円(税別)で、リリース日は1月27日とされている。
提供内容は録画・音声・書類等を2本提出し、分析結果と1時間のブリーフィングを受け取る形式。個人利用の場合はブリーフィングに代えてメールもしくはオンラインセミナーでの実施が可能である。申込ページは以下の通りだ。
- 申込ページ:https://cognitee.com/baseline-review-cog-evidence
分析の要点整理と企業情報のまとめ
ここまで示した分析の要点と関連情報を、表形式で整理する。表には対象、手法、主な発見、再ランキングの順位、注意点、関連URL、及びコグニティの企業情報を含める。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分析対象 | 10党の街頭演説(合計419分)。文字起こしはYouTubeの自動文字起こしを使用。 |
| 分析手法 | コグニティのCogStructure(知識表現AI)で話題・論点・説明の反復・問いかけ応答等を数値化。投票予測(選挙ドットコム×JX通信社)を評価値として照合。 |
| 主な発見(勝ちパターン) | (1)論点数を増やす、(2)繰り返し説明を減らす、(3)問いかけへの自答を長くする。語速はややゆっくり(高評価側254.2語/分、平均271.2語/分)。 |
| 演説からの再ランキング(0–100点) | 1位:自由民主党(100点)、2位:チームみらい(75点)、3位:中道改革連合(70点)、4位:国民民主党(58点)、5位:日本共産党(53点)、6位:れいわ新選組(35点)、6位:日本維新の会(35点)、8位:日本保守党(18点)、9位:参政党(5点)、10位:社会民主党(0点)。 |
| 注意点 | 使用した文字起こしはYouTubeの自動文字起こしのため、誤変換が分析に反映されている可能性がある。再ランキングは投票予測そのものではなく、演説特徴に基づくスコアである。 |
| 関連リンク | 特集ページ:https://cognitee.com/2026vote / note:https://note.com/cognitee/n/n9fecbac0fc6e / Baseline Review申込:https://cognitee.com/baseline-review-cog-evidence |
| 企業情報(コグニティ) | 社名:コグニティ株式会社 代表:代表取締役 河野 理愛 本社:〒140-0015 東京都品川区西大井一丁目1番2−208号 設立:2013年3月28日 資本金:6億円(準備金含む) 従業員:71名(リモートワーカー含む) Web:https://cognitee.com/ |
| 受賞等 | EY Innovative Startup エンタープライズ部門受賞(2019)、第11回 HRアワード 人材開発・育成部門 最優秀賞(2022)、第22回 日本テレワーク協会 テレワーク推進賞 優秀賞(2022)、第3回TOKYOテレワークアワード 推進賞(2023)、一般社団法人生成AI活用普及協会協議員(2023〜) |
以上の通り、本分析は演説の「伝え方」に焦点を当て、投票予測との整合性を点検する視点から演説を定量化したものである。演説の論点構造や話し方の輪郭が、投票予測とどのように噛み合うかを示す資料として活用できる情報を提示している。