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MPACで所作を守る決済へ、S-Pittは4月提供開始

S-Pitt Mobile提供

開催日:4月1日

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S-Pitt Mobile提供
MPACって何が変わるの?
MPACは決済処理や伝票管理をクラウドに集約して端末をシンクライアント化する仕組み。端末コストや更新負担を下げつつ複数台運用やクラウドSIMバックアップで現場の運用負荷と待ち時間を減らす。
S-Pittっていつから使えるの?
S-Pitt Mobileは2026年4月以降に提供開始予定、薄さ10mmのS-Pitt Airは2026年夏頃の提供を予定。正式な発売日や詳細仕様は発表時点では未確定で、導入は問合せで確認を。

飲食店の所作を守りつつ「PIN必須時代」に対応する新たな決済基盤

2026年2月9日、株式会社エム・ピー・ソリューション(本社:東京都港区、代表取締役社長:佐藤栄治)とカードサービス株式会社(本社:東京都港区、社長:齋藤賢志)は、クラウド集約型決済サービス『MPAC(MPS Advanced Cloud)』と、新しい対面決済端末群を共同で発表しました。発表の背景には、2025年4月から原則化されたクレジットカード決済時の暗証番号(PIN)入力義務化があり、これに伴う運用面・顧客体験面の課題解消が目的です。

発表資料では、同サービスを既存の対面式キャッシュレス決済サービス『KAZAPi(かざっぴ)』として提供するほか、他の決済代行事業者やクレジットカード事業者への提供も予定しているとし、両社は役割分担としてエム・ピー・ソリューションがサービス企画・運営を、カードサービスが専用端末およびアプリケーション等の技術開発・提供を担当すると明記しています。なお、本ソリューションは特許出願中です。

エム・ピー・ソリューションとカードサービス、決済処理を「クラウド移行」する新サービス『MPAC』を提供 画像 2

導入の背景と現場の課題

2025年4月のPIN入力必須化により、従来高級レストランなどで行われてきた「Sign on Paper(サインでの本人認証)」スタイルの継続が困難になりました。こうした変化に対して、エム・ピー・ソリューションが行った実態調査では、端末を変更・機能追加した店舗のうち57.8%が「端末の見た目や操作性が店舗の雰囲気やサービス水準に合致していない」と回答しており、端末のデザイン・薄型化等に改善要望が多いことが示されています。

加えて、従来の決済端末には以下のような構造的な課題がありました。

  • 高額な端末コスト(1台あたり十数万円)により導入台数が制限される
  • 決済センターで各端末を厳密に識別・管理する必要がありシステムが複雑化する
  • 端末に大規模アプリを搭載しているため、保守・更新時の通信料と時間負担が大きい

こうした課題を踏まえ、両社は端末の機能を極力軽量化し、決済処理や伝票管理などをクラウド側に集約する設計で、ホスピタリティを阻害しない「所作」に配慮した決済体験の再現を目指しています。

エム・ピー・ソリューションとカードサービス、決済処理を「クラウド移行」する新サービス『MPAC』を提供 画像 3

シンクライアント化による『MPAC』の仕組みと現場効果

『MPAC』は、従来端末で担っていた複雑な処理をクラウドへ移すことで、決済端末をWebブラウザ機能のみを持つ「シンクライアント(Thin Client)」化します。これにより端末コストの低減、運用の柔軟化、更新負担の軽減を目指しています。

サービス設計の主なポイントは以下の通りです。各項目ともクラウド側での集中管理を前提としており、店舗の運用効率を高めることを狙いとしています。

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1. 処理機能のクラウド集約(シンクライアント化)

従来は端末ごとに「伝票管理」「UI制御」「決済カーネル」などを搭載していましたが、『MPAC』では決済上必須の「決済カーネル」のみを端末に残し、その他の処理はすべてクラウドで実行します。これにより、端末は軽量化され低価格化が可能となり、1店舗で複数台を導入しやすくなります。

店舗に複数台を配置することで、混雑時の決済待ち時間や、故障による業務停止リスクを軽減できます。また、端末固有の設定に依存しないため、予備端末の即時追加や台替えもクラウド設定の反映だけで完了します。

エム・ピー・ソリューションとカードサービス、決済処理を「クラウド移行」する新サービス『MPAC』を提供 画像 5

2. 「端末フリー」な管理構造と運用メリット

データをクラウドで一元管理するため、システムは「個別の端末」ではなく「店舗全体」として稼働します。その結果、ある端末での決済を別の端末で呼び出してキャンセルするなど、従来は端末単位で制約されていた会計処理が柔軟になります。

この仕組みは、繁忙期における端末不足対応や、端末故障時の業務継続性確保に直結します。利用端末の物理的な識別に依存しないため、現場のオペレーションがシンプルになります。

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3. 通信と決済ネットワークの構成

接続は基本的に店内Wi‑Fiを前提としますが、通信断やWi‑Fi未設置の店舗向けに端末には内蔵のクラウドSIMを搭載し、ワンタッチでモバイル通信に切り替えられるバックアップ機能を装備します。クラウドSIMによるモバイル通信は、未使用の月は基本料金が発生せず、実際に使用した月のみ料金請求される仕組みです。

決済ネットワークとしては、三菱UFJ銀行が運営する決済ネットワーク『SP‑NET』を採用し、飲食業界で主流の1回払いに最適化した仕様で高品質な決済処理を実現します。

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4. ゼロタッチ・アップデートとPOS連携

アプリケーション本体をクラウド側で運用することで、機能追加や修正はサーバー側の対応で反映され、個々の端末更新に伴う大容量通信は最小化されます。これによりアップデート作業と管理コストが軽減されます。

さらにPOSとのAPI連携により、レジの会計情報を端末で即座に表示可能です。領収書・利用控えのデジタル発行(メール・SMS送信)にも対応しており、ペーパーレス化による消耗品コスト削減やスムーズな会計体験を提供します。

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薄さ10mmの『S‑Pitt Air』とレシート機能付『S‑Pitt Mobile』

端末面では、ホスピタリティを重視する空間に溶け込む薄型・洗練デザインを掲げた専用端末「S‑Pitt Air(エスピットエアー)」と、レシート発行機能を備えた「S‑Pitt Mobile(エスピットモバイル)」を発表しています。特に『S‑Pitt Air』は薄さが10mmという設計で、従来の伝票ホルダーに近い所作をデジタルで再現することを意図しています。

ハードウェアの製造はXC TECH社(上海)が担当し、日本国内での輸入・保守はカードサービス株式会社が行います。発表資料には各端末の製品仕様を示す見出しが含まれており、具体的な製品仕様は今後の提供時に合わせて示される見込みです。

『S‑Pitt Air』の狙いと設計

『S‑Pitt Air』は、高級飲食店などで重要視される「おもてなしの所作」を損なわない薄型デザインを最重要視して設計されています。テーブルでのスマートな支払い動作をデジタル環境でも可能にすることを狙っています。

製品仕様については発表資料内に見出し「<「S‑Pitt Air」製品仕様>」として示されていますが、発表段階で公開されているのは設計コンセプトと製造・保守体制に関する情報です。

『S‑Pitt Mobile』の特徴

『S‑Pitt Mobile』は端末にレシート発行機能を備え、店舗の運用形態に応じて使い分けが可能です。こちらも製品仕様は発表資料内に「<「S‑Pitt Mobile」製品仕様>」として掲載されていますが、詳細は提供時期に合わせて提示されることになっています。

提供時期は、S‑Pitt Mobileが2026年4月以降、S‑Pitt Airが2026年夏頃に提供開始予定とされています。

両社の役割、企業概要と問い合わせ

今回の協業における役割分担は明確です。エム・ピー・ソリューションはサービス企画・運営を担い、対面式の既存サービス『KAZAPi』や無人機向けサービス『JMMS』と連携して提供する計画を示しています。エム・ピー・ソリューションはまた、2024年1月より自販機を活用したマーケティングサービス『ジハトク』の提供も行っており、キャッシュレス決済を軸とした幅広いソリューションを手がけています。

カードサービス株式会社は、端末の製造・輸入・整備とアプリケーション開発を中心に、決済端末の卸販売・レンタル、システム開発・保守まで一貫して提供する企業です。決済・認証技術を基盤に、多様な決済手段や端末のラインナップを扱い、導入支援から保守までをカバーします。

導入に関する問合せ

サービス導入に関する問い合わせ先はエム・ピー・ソリューションの問い合わせフォームが案内されています(https://mp-solution.com/contact/)。発表文書では、サービスは『KAZAPi』としての提供に加え、他の決済事業者向けの提供も予定されていることが記載されています。

両社は、端末とクラウドを組み合わせた協業体制により、飲食店などでの顧客体験向上と運用効率化を同時に目指すことを掲げています。

要点の整理

以下の表は、本発表で示された主要な情報を項目別に整理したものです。サービスの特徴、提供時期、関係者の役割、通信・決済基盤、問い合わせ先などをまとめています。

項目 内容
サービス名 MPAC(MPS Advanced Cloud)/クラウド集約型決済サービス(特許出願中)
目的 PIN入力必須化・従来端末の高コストと運用硬直性の解消、ホスピタリティを維持した対面決済体験の実現
主な機能 端末をシンクライアント化、端末フリーの一元管理、クラウドSIMによるバックアップ通信、ゼロタッチ・アップデート、POS連携・ペーパレス
決済ネットワーク 三菱UFJ銀行運営のSP‑NETを採用(1回払いに最適化)
端末 ・S‑Pitt Air(薄さ10mm、高級レストラン向けデザイン)

・S‑Pitt Mobile(レシート発行機能搭載)

※各製品仕様は発表資料内に見出しで示されている
提供時期 S‑Pitt Mobile:2026年4月以降、S‑Pitt Air:2026年夏頃(予定)
役割分担 エム・ピー・ソリューション:サービス企画・運営、カードサービス:端末・アプリの開発提供と日本での輸入・保守
製造 端末ハードウェア製造:XC TECH社(上海)
導入問い合わせ https://mp-solution.com/contact/
備考 発表時点で『MPAC』は特許出願中。『KAZAPi』を通じた提供や他決済事業者への提供も予定

本件は、決済端末の役割を再定義してクラウドで集中管理する設計により、店舗側の運用負担とコストを抑えつつ、ホスピタリティを重視する飲食店の所作をデジタルで可能な限り再現することを目標としています。発表に含まれた導入時期や役割分担、通信・決済ネットワークといった要点を踏まえ、導入を検討する店舗や決済事業者にとって比較検討のための基礎情報が整理されています。