3/14開幕|フィンランドのサウナ展、広島で実寸模型も
ベストカレンダー編集部
2026年2月21日 18:12
フィンランド・サウナ展
開催期間:3月14日〜6月28日
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サウナが根づく暮らし──フィンランドの文化としてのサウナ
2000年以上前に起源があるとされるサウナは、フィンランドの家庭や公的な場に自然に備わり、日常と深く結びついた文化となっています。本展「フィンランド スピリット サウナ ー建築、デザインからサウナハットまで」は、サウナが人びとの心身やコミュニケーションに果たしてきた役割を、歴史・建築・デザイン・美術といった多様な観点からひも解く構成です。
フィンランドのサウナ文化は、2020年にユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、その社会的意味が国際的にも認められています。本展では、暮らしの場としてのサウナがどのように設計され、道具や日常のなかにどのように位置づけられてきたかを、図面や模型、道具類、写真資料など約200点の資料で提示します。
展示の主題と構成
展示は以下のような章立てで構成されています。第1章から第5章を通じて、サウナの本質、歴史、美術との関わり、アルヴァ・アアルトをはじめとする建築、そして日常を彩るデザインを順にたどります。
- 第1章 サウナの本質
- 第2章 サウナの歴史
- 第3章 サウナと美術(主にマルッタ・ヴェンデリンの作品)
- 第4章 サウナと建築(アルヴァ・アアルトのサウナ群を紹介)
- 第5章 サウナとデザイン(サウナ道具 約130点を含む展示)
各章は図面・実寸模型・写真・物品展示・映像資料など多様なメディアを交えて解説され、フィンランドにおけるサウナの日常性と象徴性が総合的に理解できる構成です。
アルヴァ・アアルトのサウナと実寸模型の再現
本展の見どころの一つは、アルヴァ・アアルト(1898—1976)が設計したサウナ群の紹介です。アアルトの事務所で設計されたサウナは独立した建物が29棟(うち23棟が実現)、住宅内のサウナが48室(うち38室が実現)にのぼります。本展ではその代表的な6作品を取り上げます。
とりわけ、ムーラッツァロの実験住宅(コエタロ、ユヴァスキュラ、1952–54)に付随するサウナ小屋は、アルヴァ・アアルトが実際に楽しんでいた場面を想起させる資料とともに、実寸模型で再現されます。来場者は設計の空間スケールを視覚的にかつ具体的に体感できます。
アアルトのサウナ6作品(展示で紹介)
- 幻の文化サウナ(ユヴァスキュラ、1925) — 実現せず
- サナトリウムのサウナ(バイミオ、1932) — 働く人を癒やす目的
- マイレア邸のサウナ(ノールマルック、1938) — 母屋と渡り廊下で接続
- ヨキサウナ(カウットゥア、1944–46) — 川の傍に建つサウナ
- コエタロのサウナ(ムーラッツァロの実験住宅、ユヴァスキュラ、1952–54) — 実寸模型で再現
- コッコネン邸のサウナ(ヤンヴェンバー、1967–69) — 暖炉のある部屋付き
これらの建築に関する図面や平面・立面・断面図、関連写真を通じて、サウナが建築的にどのような位置づけで設計されてきたかが示されます。アアルトの設計理念や素材の取り扱いも資料により読み取れます。
展示資料の中には、1960年代にムーラッツァロで撮影されたアルヴァ・アアルトがサウナを楽しむ写真なども含まれ、時代と実践の結びつきが具体的に示されています(Photo: Heikki Havas)。
サウナ道具、美術、活用できるオープン・プログラム
第5章「サウナとデザイン」では、白樺のヴィヒタ、木製桶、ひしゃく、サウナストーブ、サウナハット、温度計など、サウナを演出する道具類を中心に約130点を展示します。日常のささやかな道具が持つデザイン性と文化的意味を確認できます。
また、本展に連動して常設のオープン・プログラム「フィンランドサウナのいまむかし」を無料で開催します。70年代のサウナと現代のサウナを部分再現し、空間スケールを体感できる展示は実際に入ることが可能です。映像資料の上映、関連書籍の閲覧コーナー、江田島のフィンランド式サウナ『NOT BUSY』がセレクトした書籍や県内のサウナ情報も提供されます。
関連プログラム(日時・登壇者・定員など)
- トーク(デザイン編): 2026/3/21(土)15:00–16:30。登壇:渡部千春(デザインジャーナリスト、東京造形大学教授)、上條桂子(編集者、ライター)。定員80名。整理券を当日10時より1階受付で配布。会場:地下1階ミュージアムスタジオ。参加無料。
- トーク(ライフスタイル編): 2026/4/25(土)15:00–16:30。登壇:石井風子(B•B•B POTTERSディレクター)、浜竹睦子(イラストレーター)。定員80名。整理券を当日10時より1階受付で配布。会場:地下1階ミュージアムスタジオ。参加無料。
- 学芸員ギャラリートーク: 5/16(土)、6/13(土)15:00–16:00。会場:B-1展示室。申込不要、要展覧会チケット。地下1階展示室入口集合。
- アートナビ・ツアー: 毎週土日祝を中心に時間帯が変動(–4/12までは12:10–、15:10–の15分程度、4/18–は11:45–、14:45–の30分程度)。会場:B-2、B-3。要展覧会チケット、申込不要。ただし初日やイベント開催日は実施しない場合あり。
これらのプログラムは、展示の理解を深めるための解説的な催しで、参加条件や配布方法が異なるため、来館前に詳細を確認することが適切です。
展覧会の基本情報、チケット、ミュージアムの施設情報
展覧会名は「フィンランド スピリット サウナ ー建築、デザインからサウナハットまで」。会期は2026年3月14日(土)から6月28日(日)までです。会場は広島市現代美術館の展示室B-2、B-3で、開館時間は10:00–17:00(入場は閉館の30分前まで)となっています。休館日は月曜日(ただし5月4日は開館)と5月7日(木)です。
観覧料は以下のとおりです。前売りおよび30名以上の団体料金は()内に示されます。本展チケットで同時開催のコレクション展も観覧可能です。原爆障害者章、身体障害者手帳等をお持ちの方とその介添者は無料です。
- 一般
- 1,100円(850円)
- 大学生
- 800円(600円)
- 高校生・65歳以上
- 550円(400円)
- 中学生以下
- 無料
前売券の取扱は広島市現代美術館受付およびオンラインショップ「339」で、販売は2026年3月13日(金)までです。主催は広島市現代美術館、特別協力にアルヴァ・アアルト財団および公益財団法人ギャラリーエークワッド、後援にフィンランド大使館、フィンランドセンター、広島県、広島市教育委員会など多数のメディア・団体が名を連ねます。協賛はDNP大日本印刷、企画協力はS2が担当しています。
本展の作品点数は図面や実寸模型、サウナアイテムなど約200点、デザイン関連は約130点が展示されます。展覧会カタログ『フィンランド スピリット サウナ』はB5変型、188頁、価格2,600円+税。企画・編集はアルヴァ・アアルト財団、ギャラリー エー クワッド、S2。装幀・編集デザインは株式会社D_CODE、発行は株式会社国書刊行会です。
ミュージアムショップとカフェ
ミュージアムショップ「339」では、本展オリジナルのサウナハットやタオルのほか、フィンランド輸入雑貨(サウナの精霊トントゥ、サウナストーン等)を会期限定で販売します。コレクション展示や特別展示に連動したグッズ展開です。
併設のカフェ「KAZE」では通常メニューに加え、本展に関連した特別メニューを期間限定で提供予定です。展覧会観覧後にそちらで過ごすことも可能です。
同時開催の展覧会、広島市現代美術館について
本展にあわせて同館では、特別展「エイドリアン・バーグ:無限の庭園」(開催中—4/12)とコレクション展2025-Ⅲ ハイライト+リレーションズ(開催中—6/7)が同時開催されています。コレクション展は、月ごとのハイライトと、ゲストアーティスト平野薫を迎えた「リレーションズ」展示など、多様な企画が実施されています。
広島市現代美術館は1989年5月3日に開館し、建築家黒川紀章による設計で比治山公園の緑に囲まれた立地にあります。2023年3月18日にリニューアルオープンしており、自然景観と調和する建築的表現が特徴です。所在地・連絡先は以下のとおりです。
- 所在地
- 〒732-0815 広島市南区比治山公園1-1
- 電話
- TEL: 082-264-1121 FAX: 082-264-1198
- 関連リンク
- https://www.hiroshima-moca.jp/exhibition/finlandspirit
展示の要点を整理した表
以下の表は、本記事で紹介した展覧会の主要情報をまとめたものです。会期や会場、料金、主催・協力体制、関連プログラムなどを一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会名 | フィンランド スピリット サウナ ー建築、デザインからサウナハットまで |
| 会期 | 2026/3/14(土)– 6/28(日) |
| 開館時間 | 10:00–17:00(入場は閉館の30分前まで) |
| 会場 | 広島市現代美術館 展示室 B-2、B-3 |
| 休館日 | 月曜日(ただし5/4は開館)、5/7(木) |
| 観覧料 | 一般1,100円(850円)、大学生800円(600円)、高校生・65歳以上550円(400円)、中学生以下無料。原爆障害者章等をお持ちの方とその介添者は無料 |
| 前売券取扱 | 広島市現代美術館受付、オンラインショップ「339」(販売は3/13まで) |
| 主催・協力・後援 | 主催:広島市現代美術館。特別協力:アルヴァ・アアルト財団、公益財団法人ギャラリーエークワッド。後援:フィンランド大使館、フィンランドセンター、広島県、広島市教育委員会、各新聞社・放送局等。協賛:DNP大日本印刷。企画協力:S2 |
| 作品点数 | 図面や実寸模型、サウナアイテムなど 約200点(サウナ道具 約130点を含む) |
| 展覧会カタログ | 『フィンランド スピリット サウナ』B5変型、188頁、2,600円+税。企画・編集:アルヴァ・アアルト財団、ギャラリー エー クワッド、S2。発行:国書刊行会 |
| 関連プログラム | トーク(3/21、4/25)、学芸員ギャラリートーク(5/16、6/13)、アートナビ・ツアー(毎週土日祝等)、オープン・プログラム「フィンランドサウナのいまむかし」常設(会期中) |
| ミュージアムショップ / カフェ | ショップ「339」で展覧会オリジナルのサウナハット・タオル等を会期限定販売。カフェ「KAZE」にて本展関連の特別メニューも提供予定 |
| 問合せ | 広島市現代美術館 TEL: 082-264-1121 / https://www.hiroshima-moca.jp |
本記事では、展示の主題、アルヴァ・アアルト関連の紹介、道具や美術的な接続、関連イベントや実務的な来館情報までを整理して紹介しました。会期中は実寸模型や体感型のオープン・プログラムも行われ、図面や写真、物品を通じてフィンランドのサウナ文化の〈いまとむかし〉を多面的に理解する構成になっています。