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起立性調節障害:診断前に約7割が叱る実態

保護者アンケート調査

開催期間:2月17日〜2月27日

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保護者アンケート調査
これって本当に病気なの?
起立性調節障害は自律神経の乱れによる身体疾患で、起床時の立ちくらみや強い倦怠感が主症状。午後に改善することが多く外見からは分かりにくいため誤解されやすいが、医療的な対応が必要な病気です。
診断を受けたら親の対応はどう変わるの?
調査では診断後に約82.6%の保護者が接し方を変化させ、体調優先や叱らず声かけ、睡眠環境の改善、無理に起こさないといったケアにシフトする傾向が明確に出ています。

朝の不調が「怠け」と受け取られる現状と起立性調節障害の特徴

朝、なかなか起きられない、体がだるいといった症状が続くと、周囲はつい「夜更かし」や「甘え」「やる気の欠如」と解釈しがちです。こうした誤解が生じやすい疾患の一つが起立性調節障害(OD)です。本稿は、一般社団法人 起立性調節障害改善協会が実施した保護者アンケート調査の結果を基に、現状の実像と診断前後での接し方の変化を整理して報告します。

起立性調節障害は自律神経の乱れにより、起床時の立ちくらみや強い倦怠感、頭痛などの身体症状が現れる身体疾患です。特徴として午後から夕方にかけて症状が軽くなる傾向があり、外見上は一時的な回復が見られるために「怠け」「気持ちの問題」と結びつけられることが少なくありません。その結果、適切な診断や支援が遅れる要因となっています。

起立性調節障害、気づく前に「叱ってしまった」保護者は約7割 画像 2

疾患理解のギャップが生む家庭内の摩擦

今回の調査では、起立性調節障害と診断された、あるいは疑いのある子どもを持つ保護者126名を対象にしたアンケートを通して、診断前に保護者が感じていた受け止め方と診断後の対応の変化を可視化しています。調査は2026年2月17日から2月27日までの期間にインターネットで行われました。

疾病の特性を知らない時期には、親子の間にすれ違いが生じやすく、保護者が厳しく叱ることで後に後悔の念を抱くケースが散見されます。本人の意図や性格とは無関係に、身体的な不調が原因であることがわかるまで、その対応が誤った方向に進みやすい点が重要な指摘です。

起立性調節障害、気づく前に「叱ってしまった」保護者は約7割 画像 3

調査の主要な結果:診断前後で変わる保護者の意識

本調査のサマリーは次の通りです。診断前に「怠け・甘え」と感じて叱った経験がある保護者が68.2%を占め、診断後には接し方が変わったと答えた保護者が82.6%に上りました。診断が保護者の認識を大きく変える契機になっていることが示されています。

診断後に保護者が意識している対応としては「体調の優先(25.3%)」が最も多く、次いで「叱るより声かけを意識(15.6%)」「睡眠環境や生活リズムの配慮(15.6%)」「無理に起こさない(12.5%)」「医療機関での相談・治療(12.1%)」と続きます。診断前と後で対応が明確にシフトしている点が確認できます。

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診断までに見られる誤解の内訳

調査では、不調の原因をどのように受け止めていたかも尋ねています。最も多かったのは「気持ちの問題(怠け等)」で29.4%、続いて「生活リズムの乱れ」27.8%、成長期の一過性の問題と見なしていた割合は19.0%でした。興味深い点として、当時「病気ではないか」と明確に考えていた保護者はゼロであったと報告されています。

この受け止め方の傾向は、症状を身体的なSOSとして認識することの難しさを示しています。外見的には回復に見える時間帯があるため、周囲に変化を理解してもらうまでに時間を要することが、診断遅延の一因となっています。

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質問別の詳細データと受診のきっかけ

ここではアンケートのQ1からQ5までの具体的な数値を示します。全ての設問結果をそのまま掲載し、診断前後での保護者行動の変化を読み取れるように整理しています。

以下は設問ごとの数値です。各設問の回答は有効回答126名に対する割合で示されています。

設問 回答内容 割合
Q1:叱った経験 ときどきあった 56.3%
あまりなかった 23.8%
よくあった 11.9%
まったくなかった 8.0%
Q2:当時の受け止め方 怠けなど気持ちの問題 29.4%
生活リズムの乱れ 27.8%
成長期によくあること 19.0%
学校に行きたくない理由がある 16.7%
どう受け止めてよいか分からなかった 6.3%
その他 0.8%
Q3:受診のきっかけ 朝起きられない状態が続いた 24.2%
めまいなどの不調を訴えはじめた 24.2%
学校を休みがちになった 21.0%
自分で調べて疑った 11.0%
医師や学校関係者に指摘された 10.0%
その他 9.6%
Q4:診断後の接し方の変化 少し変わった 53.2%
大きく変わった 29.4%
あまり変わらなかった 11.9%
ほとんど変わらなかった 5.6%
Q5:現在意識していること(複数回答可) 体調を優先する 25.3%
叱るより声かけを意識 15.6%
睡眠環境や生活リズムを整える 15.6%
無理に起こさない 12.5%
医療機関での治療や相談 12.1%
その他 18.9%
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数値が示す意味と読み解き

Q1の結果では「よくあった」「ときどきあった」を合わせると68.2%が叱った経験を有しており、診断前の誤解が保護者の行動に直接的に影響を与えていたことが分かります。Q4では診断後に接し方が変わった割合が合計で82.6%に達しており、診断の有無が親の意識を左右する決定的要因であることが示唆されます。

受診のきっかけについては、生活態度の変化(朝起きられない=24.2%)と身体的症状(めまい等=24.2%)が同率で上位に位置し、外見上の行動変化と身体的苦痛の訴えが診断へ導く重要な契機になっていることが読み取れます。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会の見解と調査概要まとめ

調査主体である一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、診断されるまで保護者が「自分の育て方が悪いのか」「子どもが甘えているだけではないか」といった不安に置かれ、つい厳しく接してしまう状況が生まれると指摘しています。協会は重要な点として、保護者が自分を責める必要はないこと、診断という客観的な情報が親子の向き合い方をリセットする契機になることを挙げています。

協会はまた、不調を身体のSOSとして受け止めること、安心して休める環境づくりや肯定的な声かけを重視することを推奨しています。具体的には無理に起こさない、体調を優先する、必要に応じて医療機関を受診する、といった対応が診断後に多くの家庭で採られていることがデータで示されています。

調査主体
一般社団法人 起立性調節障害改善協会
調査期間
2026年2月17日〜2月27日
調査対象
起立性調節障害と診断された子どもを持つ保護者(有効回答数126名)
調査方法
インターネットによるアンケート調査

本調査の詳細や支援情報は、一般社団法人 起立性調節障害改善協会の公式サイトで確認できます(https://odod.or.jp/)。

以下に、本記事で示した主要ポイントを表形式で整理して締めくくります。

項目 要点
対象 起立性調節障害と診断された子どもを持つ保護者126名(有効回答)
調査期間 2026年2月17日〜2月27日
診断前に叱った経験 ときどきあった56.3%、よくあった11.9%(合計68.2%)
当時の受け止め方 気持ちの問題29.4%、生活リズムの乱れ27.8%、成長期19.0%
受診のきっかけ 朝起きられない24.2%、めまい等24.2%、学校を休みがち21.0%
診断後の接し方の変化 少し変わった53.2%、大きく変わった29.4%(合計82.6%)
現在意識している対応 体調優先25.3%、声かけ重視15.6%、生活リズム整備15.6%、無理に起こさない12.5%、医療相談12.1%
情報提供元 一般社団法人 起立性調節障害改善協会(https://odod.or.jp/)

本記事は調査結果を整理して報告したものであり、診断や対応については医療機関や専門機関の助言を基に判断することが重要です。調査は保護者の認識変化と対応実態を明らかにしており、周囲の理解と早期の診断が家庭内での不必要な摩擦を減らす鍵になることを示しています。