専修大×ビルディット、学生発の『語れる就活』提案とStockr活用法
ベストカレンダー編集部
2026年3月1日 12:12
大学生向け最終発表会
開催日:1月22日
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学生自身の言葉で取り戻す「語れる就活」——専修大×ビルディットの産学連携が示した視点
振り返りノートアプリ「Stockr(ストッカー)」を提供する株式会社ビルディットと、専修大学 経営学部 足代訓史ゼミによる「大学生向けコンセプト開発プロジェクト」は、就職活動の早期化やAI診断ツールの普及が進む現状で、学生が抱える「語れない自己理解」の課題に向き合いました。
2026年1月22日に実施された最終発表会では、学生自身の実体験を起点にした3つのコンセプトが示され、いずれも外部から与えられた結果に依存せず、自らの経験を振り返り言語化することに重きを置く内容でした。ここでは、発表内容と調査結果、Stockrの特徴、開催概要および関係者情報を具体的に整理して報告します。
3つの学生発コンセプトと調査結果の詳細
最終提案会で示された3チーム(A、B、C)のコンセプトは、それぞれ学生の実体験に基づく課題認識と解決策を提示しています。以下に各チームの提案と、発表で示された調査結果の数値や傾向を具体的にまとめます。
各チームの提案は、いずれも「機械的な診断結果」を最終解答とせず、記録と振り返りを通じて学生自身が自己理解を深められる点を重視しています。調査の母数や主要な定量結果も示されていますので、数値面からの裏付けも含めて紹介します。
チームA:SNSの「保存」で終わらせない、気づきの「居場所」づくり
チームAは、学生が情報収集に慣れている一方で、その情報を自分の思考や行動に結び付けられていない点に着目しました。調査(n=179)では、学生が学びや気づきを残す手段として最も多く利用しているのはSNSの保存機能であることが確認されました。
一方でインタビューからは、「保存したこと自体を忘れる」「後で見返さない」といった実態も明らかになりました。チームAはこの課題に対し、Stockrを「思考の居場所」として位置づけ、保存したコンテンツを自分なりの気づきに変換して蓄積するワークフローを提案しました。
- 調査母数:n=179
- 主要発見:SNS保存が最頻利用、だが振り返りが行われない実態
チームB:インターンの挫折を「自信の土台」に変える振り返り法
チームBは、インターンや就活に向き合う学生の「自分だけが足踏みしている感覚」に着目しました。調査(n=132)では約半数の学生が自信の揺らぎを感じており、約85%が「今より自信を高めたい」と回答しています。
また調査では、失敗や感情を1人で抱えがちで、そこから次の行動へつなげられていない実態も示されました。記録を習慣化している学生ほど経験を次に活かせている傾向があったことから、チームBは失敗や挫折を否定せず、次の行動へつなげるための振り返り法をStockr上で設計する提案を行いました。
- 調査母数:n=132
- 約50%が自信の揺らぎを自覚
- 約85%が自信向上を希望
チームC:AIや適職診断に依存しない自発的なキャリア構築
チームCは、MBTIや適職診断などのAI自己分析ツールの広がりに対し、「結果が抽象的で自分ごととして語れない」という学生の課題に着目しました。調査(n=130)では、約6割の学生がこうした自己分析ツールを利用した経験がある一方で、結果の具体性や個性の伝わりにくさが問題点として挙がりました。
インタビューでは「自発的に言語化した経験の方が腑に落ちやすい」という傾向が確認され、チームCは学生自身の言葉で記録することを起点にキャリア形成を支援するStockrの活用法を提案しました。ここからは、AIを補助的に用いつつも、主体的な言語化を不可欠にする方向性です。
- 調査母数
- n=130
- 主な気づき
- 約6割が自己分析ツール利用。だが「抽象的」「自分を理解できない」との声。
Stockrの機能とプロジェクト実施背景
「Stockr」は、単なる日記やタスク管理、メンタルケア系アプリとは異なり、記録→振り返り→可視化の流れをワンストップで提供する点を特徴とする振り返りノートアプリです。2026年2月時点での総ダウンロード数は約7.5万件です。
Stockrが提供する主な機能は以下の通りです。これらの機能は、学生の提案する活用シーンと結びつくことで、外部診断に頼らない自己理解の深耕を目指します。
- ストック機能:日々の思考や感情を記録する機能
- 再発見機能:過去の記録から気づきを得る検索・整理機能
- ビジョン設定コーチング(AI):目標や方向性の言語化支援
- AIコメント:記録に対するAIによるフィードバック
- 価値観診断(AI):価値観の棚卸を補助する診断
- スコア&レポート機能:日々の積み重ねを可視化する機能
本プロジェクトは、主に社会人ユーザーに利用されてきたStockrを大学生に浸透させるため、専修大学・足代ゼミの学生が約3か月にわたりデジタルサービスのヒット要因を研究し、学生目線での利用シーンやコンセプト作成を行った産学連携の取り組みです。
開催概要、参加者、運営企業・ゼミのプロフィール
最終発表会は2026年1月22日(木)14:50~17:15に専修大学 生田キャンパス 10号館 101G教室で開催され、専修大学 経営学部 足代ゼミの学生3グループ、経営学部 教授 足代訓史、株式会社ビルディット代表取締役 富田陽介らが出席しました。
開催に関する主な情報は以下の通りです。会場では発表のほか、学生の実体験に基づく提案が共有され、Stockrの学生向け活用法が議論されました。
| 開催日時 | 2026年1月22日(木) 14:50~17:15 |
|---|---|
| 開催場所 | 専修大学 生田キャンパス 10号館 101G教室 |
| 参加者 | 専修大学 経営学部 足代ゼミ学生(3グループ)、足代訓史教授、株式会社ビルディット 代表 富田陽介 ほか |
株式会社ビルディットの企業情報と、足代訓史ゼミの研究テーマ・活動内容についても発表資料で詳述されました。以下に両者の要点をまとめます。
株式会社ビルディットの概要
ビルディットは「Your growth, improve the world.(一人ひとりの成長が、世界をより良くする)」をスローガンに掲げる教育テクノロジー企業です。主に振り返りアプリ「Stockr」関連事業の開発・提供および教育/育成関連事業のDXコンサルティングを事業領域としています。
会社の基本データは次の通りです。所在地や代表者名、URL、設立年、資本金、従業員数が公表されています。
- 会社名:株式会社ビルディット
- 代表者:代表取締役 富田 陽介
- 所在地:東京都八王子市東町1-14 橋完ビル4F
- URL:https://bldt.jp/
- 設立:2016年3月
- 資本金:100万円
- 従業員数:12名(アルバイト・業務委託を含む)
足代 訓史ゼミの研究と活動
足代訓史ゼミはデジタルイノベーションとアントレプレナーシップに関する研究を行っており、身近なデジタルサービスのヒット要因やビジネスモデルの分析を教育活動の中心としています。
活動内容としては、InstagramやTikTok、Airbnbなど身近なサービスを題材にヒット要因や収益化の仕組みをチームで調査・研究し、複数のビジネスパターンを組み合わせることで新規ビジネスを構想する学習を行っています。
調査に基づく示唆とまとめ(表形式の整理)
本稿で取り上げたプロジェクトの主要な事実と数値、提案の要旨を表で整理します。以下の表は最終発表会の発表内容と関連データを一目で確認できるようにまとめたものです。
| 項目 | 内容・数値 |
|---|---|
| プロジェクト名 | 大学生向けコンセプト開発プロジェクト(専修大学 足代ゼミ × 株式会社ビルディット) |
| 最終発表会 | 2026年1月22日(木) 14:50~17:15/専修大学 生田キャンパス 10号館 101G教室 |
| 参加者 | 専修大学 経営学部 足代ゼミ学生(3グループ)、足代訓史教授、株式会社ビルディット 代表 富田陽介 ほか |
| チームA(調査) | 課題:SNSの保存で終わる。調査n=179。提案内容:情報を気づきに変換する「思考の居場所」 |
| チームB(調査) | 課題:インターン等での挫折→自信の揺らぎ。調査n=132。約50%が自信の揺らぎ、約85%が自信向上を希望。提案:挫折を次に活かす振り返り法 |
| チームC(調査) | 課題:AI診断・適職診断の結果が抽象的。調査n=130。約6割がツール利用経験。提案:自発的な言語化を促すキャリア構築支援 |
| Stockrのダウンロード数 | 約7.5万件(2026年2月時点) |
| ビルディット 基本情報 | 設立:2016年3月/資本金:100万円/従業員数:12名(アルバイト・業務委託含む)/所在地:東京都八王子市東町1-14 |
| 参考調査 | 株式会社SynergyCareerの調査(2025年)では、AIをES作成や自己分析に活用する学生が一定数存在するが、具体性や個性の伝わりにくさが懸念されている(出典URL:https://reashu.com/report-ai-chatgpt-es/) |
上の表に示した通り、本プロジェクトはデジタルツールで効率化が進む就職活動において、学生が自らの経験を言語化し「語れる」自己理解をいかに育てるかを具体的に検討したものです。調査数値は各チームの提案を裏付けており、Stockrの既存機能と学生提案の接続点が明確になった点が特徴的です。
今後も、学生側の実体験に基づく発想を踏まえたサービス設計や教育現場での活用検討が重要な論点として残ります。今回の発表会は、そうした議論を具体的なデザインや機能として示した事例の一つとして位置づけられます。