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CULTA、7億円調達で次世代イチゴ『SAKURA DROPS』強化

CULTAが7億円調達

開催日:3月2日

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CULTAが7億円調達
何が発表されたの?
CULTAがプレシリーズAで7億円を第三者割当増資で調達したと発表。Archetype VenturesやUntroDらがリードし、AIを使った非遺伝子組換えの高速品種開発やブランド・生産拡大に充てる。累計は約10億円。
SAKURA DROPSってどんな品種なの?
高温耐性を持ち、収量を約30%、糖度を約40%向上させた実用品種。完熟で収穫しても輸送で10日以上品質を維持でき、AI選抜による高速育種で気候変動に強い供給を目指している。

CULTAがプレシリーズAで7億円を調達 — 気候変動適応の次世代品種開発を加速

株式会社CULTA(本社:東京都小金井市、代表取締役CEO:野秋収平)は、2026年3月2日付のプレスリリースで、プレシリーズAラウンドにおいて7億円の第三者割当増資を実施したと発表しました。リード投資家はArchetype VenturesおよびUntroD Capital Japanで、その他ニッセイ・キャピタル、HAKOBUNE、DG Daiwa Ventures、電通ベンチャーズ(電通グループ)らが引受先に名を連ねています。

同社が公表した情報によれば、今回の調達を受けて累計調達額は約10億円となります。調達資金は、独自ブランドの強化、垂直統合モデルによる生産・流通の拡大、新規海外産地の開拓、さらなる品種開発など複数の用途に充てられる予定です。

【気候変動に負けない農業へ】次世代品種開発スタートアップCULTA、プレシリーズAラウンドで7億円の第三者割当増資を実施 画像 2

調達の構成と背景

今回の第三者割当増資は、農業分野における気候変動適応と高速品種開発というCULTAの強みを評価した複数の投資家によるものです。会社が掲げる「独自のAI品種開発プロセス」による高速化と、垂直統合モデルでの販売まで一貫した事業実行力が資本供給の決め手となりました。

主な出資先(順不同)

  • Archetype Ventures(リード)
  • UntroD Capital Japan(リード)
  • ニッセイ・キャピタル
  • HAKOBUNE
  • DG Daiwa Ventures
  • 電通ベンチャーズ(電通グループ)
【気候変動に負けない農業へ】次世代品種開発スタートアップCULTA、プレシリーズAラウンドで7億円の第三者割当増資を実施 画像 3

AIと非遺伝子組換え手法で品種開発を5倍速化——SAKURA DROPSの性能

CULTAは従来のゲノム編集や遺伝子組換えを用いない「独自のAI品種開発プロセス」によって、品種開発の高速化を実現していると説明しています。プレスリリースでは、従来10年を要するイチゴの新品種開発を2年で成功させ、3年半で4品種を開発・市場投入したとしています。一方で会社概要には「3年で4品種の開発・市場投入を実現」との表記もあり、資料内に表記の差異が見られます。

いずれにせよ、CULTAが強調するのは時間の短縮と規制回避の両立です。AIを用いた選抜・設計と、従来の育種プロセスの効率化により、従来比で約5倍速の開発を可能にしたとしています。これにより気候変動に迅速に適応できる品種を市場へ投入する速度が高まります。

SAKURA DROPSとYUKIMI DROPSの特性

CULTAが自社ブランドとして展開する品種のうち、代表的なものとして「SAKURA DROPS」が挙げられます。プレスリリースと会社概要には、SAKURA DROPSの具体的な特性が明記されています。

主な特性は以下の通りです。

項目 SAKURA DROPSの特性
気候変動耐性 高温環境下でも安定した収量・品質を実現
完熟持続性 果実の硬度を高め、完熟状態で収穫・輸送しても10日以上の品質維持が可能
収量・糖度 収量を約30%、糖度を約40%向上させた実用化実績

また、プレスリリースでは同様に自社ブランドとして展開する「YUKIMI DROPS」の名前が挙がっており、今回の資金は両ブランドの強化にも充てられることが明記されています。

垂直統合モデルと生産・販売ネットワークの現状

CULTAは品種開発から生産委託、原則全量買い取り、販売・マーケティングまでを一気通貫で行う垂直統合モデルを採用しています。生産は生産者に委託する一方、流通と販売を自社で統括することで品質管理とブランド価値の維持を図っています。

このモデルにより、同社は日本とマレーシアでの生産拡大を既に進めており、シンガポール・マレーシア・香港・タイの小売りチャネルで自社品種のイチゴが販売されていると報告されています。

調達資金の具体的な使途

プレスリリースでは、今回の7億円の主な使途として以下が挙げられています。

  1. CULTA自社品種による独自ブランド「SAKURA DROPS」の強化
  2. CULTA自社品種による独自ブランド「YUKIMI DROPS」の強化
  3. 垂直統合モデルによる日本・東南アジア展開の加速(日本・マレーシアの生産量拡大、国内販売の順次開始)
  4. 新規海外産地の拡大(東南アジア各国・豪州への進出と現地生産体制の構築)
  5. 更なるイチゴ新品種開発と果樹品目への新規展開(ブドウ・リンゴ等への展開)

加えて、会社概要では対象品目の拡大計画として、柑橘、コーヒー、バナナへの展開予定も明記されています。生産サイドでは既に日本国内で100軒以上の生産者が栽培に参加している点もプレスリリースで触れられています。

代表と投資家のコメント、そして事業の位置付け

プレスリリースはCULTAの代表取締役CEOである野秋収平氏のコメントを掲載しています。野秋氏は、気候変動が農業に与える影響を産業存続の危機として捉え、品種の切り替えを迫られる次の10年に対応できる「次世代品種」を提供することを目標に掲げています。

同氏のコメントを原文のまま掲載します。

CULTA 代表取締役CEO 野秋収平
「CULTAは『農業』という産業の構造を変革するために設立されました。世界中で高品質な農産物が求められているという大きな機会がある中、加速する気候変動は、間違いなくこの産業の大きな足枷となります。世界中の産地で『今まで通り作れない』という産業存続の危機が、現実のものとなってきました。
気候変動はグローバル農業に訪れた明確なパラダイムシフトです。農家が品種の切り替えを迫られる次の10年に、農家・消費者双方が求める『次世代品種』を届けることができる会社こそが、この産業で『次世代のリーディングカンパニー』になると確信しています。
すでにイチゴのみならず、ブドウ・リンゴ等の新品種開発にも着手し、高速で進行中です。目指すのは、あらゆるフルーツ・嗜好作物をを手がけるグローバルカンパニーです。
私たちの最終ゴールは、人類の豊かさに欠かせないこの巨大産業を次世代に引き継ぐことです。CULTAは品種開発のテクノロジーと日本の強みを活かして、世界中の生産者と手を取り合いながら、『気候変動に負けない農業』を創っていきます。」

また、参加投資家からは事業実行力や技術的優位性を評価するコメントが寄せられています。以下に投資家のコメントを原文どおり掲載します。

Archetype Ventures Partner/GP 向川恭平氏
「世界のどこにいても美味しいものを鮮度よく食べられるようにしたい。」初めてお会いした野秋さんが語ってくださった壮大なビジョンを鮮明に覚えています。ステークホルダーも多く、商流も複雑な農業の世界で、なんと難しい挑戦をされているのだと。
野秋さん及びCULTA社のメンバーは、自身の強みである品種開発技術のみならず、その後続く生産・ロジ・ブランディング・小売のバリューチェーン全体に精通しなががらも俯瞰的に見る稀有な視座を持ち、何より現状の農業従事者、生産者に対するリスペクトを持っております。
既に界隈では「世界一」と名高い白いちごの育種・生産・販売の達成をはじめ、大変な成果が出ており、今後爆発的な成長を遂げる姿を伴走できることが楽しみでなりません。」
UntroD Capital Japan 代表取締役社長 永田暁彦氏
素晴らしい技術とアントレプレナーシップを持つ野秋さんと出会い、出資をしてから3年が経ちました。その後、優れた人材のチームアップとともに新たなイチゴ品種の開発や国内外の提携農家の獲得など、次々と目標を達成されています。
今般、CULTA社のさらなる成長を支援するため、追加の支援を決定いたしました。引き続き野秋さんたちの優れた技術で世界の農業課題が解決できるよう、全力で応援してまいります。」
ニッセイ・キャピタル キャピタリスト 高口雄太氏
CULTA社の魅力は独自の品種開発技術を用い、高付加価値なイチゴを短期間で複数品種開発、市場投下した事だけでなく、本当に美味しいイチゴを誕生させた事です。
これを世界中どこでも食べられる近い未来を想像しただけでワクワクしています。
自社品種のブランドを確立させ、垂直統合モデルで提供していくにはまだチャレンジングな部分もあります。ですが野秋社長を始めチームの皆さんならやり切れると信じております。
今回株主としてご一緒させていただいた事をとても嬉しく思っております。弊社としても全力でご支援させていただきます。」
HAKOBUNE Founding Partner 栗島祐介氏
世界の農業は気候変動により、品種の根本的な刷新を迫られています。CULTAへの出資の決め手は、この巨大な課題に対して”品種開発の速度”という本質的な競争優位を確立している点です。「独自のAI品種開発プロセス」により従来10年の開発を2年に短縮し、既に4品種を市場投入している実績は、技術力と事業実行力の双方を証明しています。また、品種開発から生産・販売までを一気通貫で手がける垂直統合モデルにより、生産者と共に価値を生み出す持続可能な産業構造を築こうとしている点にも強く共感しました。野秋さん率いるチームが、日本の品種開発技術を武器に世界の農業の気候変動適応をリードしていく存在になると確信しています。HAKOBUNEとして、その挑戦に伴走してまいります。」
株式会社DG Daiwa Ventures シニアアソシエイト 進藤 光太氏
弊社は、CULTAが日本の強みが生きる果樹・高付加価値作物領域において、グローバル市場を獲得できる可能性を有している点を高く評価し、出資を決定しました。
果物を中心とした園芸作物市場は、世界的に需要が拡大しており、品質・収量・安定供給に対するニーズも高まっています。CULTAが取り組む市場は、こうした成長性と明確な産業ニーズを併せ持つ領域だと考えています。
特に、高い市場ニーズを持つIPを、「独自のAI品種開発プロセス」で規制を受けずに高速開発を実現している点は、従来の果樹育種が抱えてきた時間的制約を大きく改善するものであり、同社の明確な競争優位性です。
今回の出資を通じて、CULTAが日本発で果樹分野における新しいスタンダードを築いていくことを支援していきたいと考えています。」
電通ベンチャーズ プリンシパル 諫山樹氏
気候変動という地球規模の課題に対し、「独自のAI品種開発プロセス」で挑むCULTAのビジョンに共感し、出資させて頂きました。同社が創り出す品種は、日本が世界に誇るべき「知財」であり、妥協のないジャパンクオリティを体現しています。CULTAのイチゴを一口食べれば、生産効率や輸送性の追求に留まらない、独創的な美味しさへのこだわりを感じることができます。この品種の価値と感動を世界の食卓へ届けるべく、電通グループのノウハウを用いたグローバルなブランディング支援等を検討していきます。生産者には持続可能な農業の未来を、生活者には豊かな食体験を提供するという、CULTAの産業変革の挑戦に伴走して参ります。」

これらのコメントからは、投資家側が技術的な優位性、事業の垂直統合による実行力、そして日本発の品種IPが持つ国際的な競争力に期待していることが読み取れます。

会社概要と今の事業領域

プレスリリースに記載された会社概要の要点は以下の通りです。

社名
株式会社CULTA
所在地
〒184-0012 東京都小金井市中町2-24-16 農工大・多摩小金井ベンチャーポート303
代表者
代表取締役CEO 野秋 収平
URL
https://culta.jp/

同社は高温環境に強いイチゴをはじめ、気候変動下でも安定して育つ食味に優れた新品種を高速に開発しており、当面はイチゴを中心に展開しつつ、ブドウ・リンゴ・柑橘、さらにコーヒー・バナナといった嗜好作物にも品目を広げる計画を示しています。

要点の整理

以下の表は、本プレスリリースで提示された主要情報を整理したものです。資金使途、技術の特徴、現在の事業展開、関係投資家といったポイントを一目で確認できます。

項目 内容
発表日 2026年3月2日
調達ラウンド プレシリーズA(第三者割当増資)
調達金額 7億円(今回)/累計調達額 約10億円
リード投資家 Archetype Ventures、UntroD Capital Japan
その他投資家 ニッセイ・キャピタル、HAKOBUNE、DG Daiwa Ventures、電通ベンチャーズ 等
技術の特徴 ゲノム編集・遺伝子組換えを用いない独自のAI品種開発プロセスで従来比約5倍の高速開発を主張
実績 イチゴ新品種の開発を短期間で実現(プレスリリース内では「2年で新品種」「3年半で4品種」「3年で4品種」との表記あり)
主要ブランド SAKURA DROPS、YUKIMI DROPS
生産・販売体制 垂直統合モデル(生産委託・原則全量買取・自社で販売・マーケティング)/日本・マレーシアで生産、シンガポール等で販売
今後の重点領域 日本・東南アジアでの生産拡大、新規海外産地(東南アジア各国・豪州)、品種開発の更なる加速、果樹(ブドウ・リンゴ等)への展開
連絡・参照 https://culta.jp/

本記事ではプレスリリースの記載内容を整理してお伝えしました。CULTAは技術的優位性と事業チェーン全体を見据えた実行体制を掲げ、気候変動に対応した品種の開発とそのグローバル展開を目指しています。調達資金の使途は明確に示されており、今後の生産拡大や品種領域の拡張がどのように実行されるかが注目されます。