『ロッコク・キッチン』特別動画3本公開、全国上映
ベストカレンダー編集部
2026年3月6日 19:31
ロッコク・キッチン公開
開催日:3月6日
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福島・ロッコク沿いの食卓を丁寧に描くドキュメンタリーの現在地
ノンフィクション作家の川内有緒と映画監督の三好大輔が共同監督したドキュメンタリー映画『ロッコク・キッチン』が、2026年3月6日(金)よりシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』ほか全国で順次拡大上映されています。本作は国道6号線(通称「ロッコク」)を軸に、福島の浜通りで営まれる暮らしと食を通じて、震災後の時間の流れや記憶を映像化した作品です。
2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原発事故から年月が経ち、被災地では帰還した人、移住してきた人、復興・仕事のために訪れる人などさまざまな背景を持つ人々が混在する新たな生活史が刻まれています。本作は、そうした地域の日常を食卓やキッチンという「生活の場」から見つめ直すことを試みています。
取材の手触りと映像の特徴
川内有緒がインタビューと構成を担当し、三好大輔が映像撮影を中心に担う共同監督体制で制作されています。キッチンに立つ人々の姿、料理の手ざわり、食卓で交わされる会話といった細部をやわらかく捉え、震災以前のホームムービー映像を挿入することで、かつての町や家族の風景を映像資料として継承する役割も果たしています。
作品は食という切り口を用いることで、従来の震災ドキュメンタリーとは視点を変えています。キッチン、鍋、スープといった日常のモチーフが、喜びや悲しみ、記憶や希望の証しとして映し出されています。
- 主な登場人物(映画内の“キッチン”)
- ・インド人女性スワスティカ・ハルシュ・ジャジュ(原発被災地でツアーを企画)
- ・写真家 中筋純(「おれたちの伝承館」を運営)
- ・武内優(夜だけオープンする野外本屋「読書屋 息つぎ」)
上映拡大を記念して公開された3本の特別動画
ポレポレ東中野に続き都内2館目となる3月6日からのシモキタ – エキマエ – シネマ『K2』での上映拡大を記念し、3種類の特別動画が制作・到着しました。映像は公式SNSで順次公開されます。
それぞれの動画は本編の持つモチーフを切り取る構成になっており、試写を観た観客の感想も併せて挿入されています。
- 料理編:映画内に登場するポトフやクラムチャウダーなど、家庭料理をフィーチャーした編成。料理の手ざわりや食べる場面を丁寧に見せます。
- 暗闇編:夜だけ開く本屋「読書屋 息つぎ」の営みを通してロッコク沿いの暗闇の景色を凝視する構成。
- 福島で生きる編:坂口恭平の主題歌「平日」をバックに、食卓を囲む人々やキッチンで料理する人々の柔らかな表情を捉えた編成。
映像には試写の感想が挿入されています。例として、「エンドロールが流れるころ、静かな涙が流れていました。悲しいわけではないのに、なぜだろう」(50代 女性 会社員)、「原発事故だけじゃない、復興だけじゃない、そこに住む人たちの姿を伝えてくれてありがとうございます」(50代 会社員 福島県在住)などの声が収められており、映画本編の印象を補強する内容になっています。
各界著名人19名のコメント全文
本作に対して漫画家、映画監督、音楽家、ジャーナリスト、写真家など各界の著名人19名から応援コメントが寄せられています。以下、敬称略・順不同でコメント全文を掲載します。
- 小松理虔(地域活動家)
- 決して、何かを強く主張するわけではない。怒りや悲しみを訴えかけるわけでもない。むしろ淡々と登場人物の声を拾い上げ、綴っていく。そこにあるのは、災渦の非日常ではなく、日々粛々と繰り広げられている私たち「ロッコクの民」の日常である。
- 内田春菊(漫画家)
- 以前の映画もそうだけど、川内さんの作品を見ると、本でも映画でも、「よくそんなことを思いつくな~」「よく作品として完成するまで頑張るな~」と驚く。その発想力とあきらめない力にほれぼれしつつ、私はただ口を半開きにして見ているのだった。
- ヤンヨンヒ(映画監督)
- 浜通りで生きることを選んだ、出身地や職業、国籍が違う人たちの「今」を知ろうと川内監督が不躾に発する「昨日の夜、何食べました?」という遠慮も媚びもない率直な声。全くもって痺れるセリフである。
- つじあやの(ウクレレシンガーソングライター)
- 自分ではない、誰かに思いをめぐらせること。それが、あたたかな灯し火になる。この映画に登場する優しき人々が、そう教えてくれました。私も、そんな風に生きたい。
- 和合亮一(詩人)
- 深くて、広くて、美しくて、やさしい映画。国道6号線を真ん中にして暮らしている浜通りの人々の、言葉が、笑いが、涙が、息づかいが、そして歳月と季節が映されている。時に静かでゆっくりと、時にはにぎやかで力強く、何かが確実に動き出していることを、紡ぎ出されるフィルムの光のなかで予感させてくれる。ひとつひとつの風景に立ちたくなる、暮らしているみんなに会いたくなる、そして一緒にごちそうを食べたくなる。震災から15年の春を迎えつつある今。エンドロールと未来を見つめて、福島で生きる……、と呟きたくなった。
- 小川直人(山形国際ドキュメンタリー映画祭プログラム・コーディネーター)
- 映画を見ながら、あの震災の日からしばらくして、食事も喉を通らない気持ちになったときのことを思い出していた。それと、レイモンド・カーヴァーの短篇小説『ささやかだけれど、役にたつこと』。生きていればいろいろあるけれど、それでも、まずは食べる。食べることが新たな日常の第一歩になるから。誰かに振る舞うのもいい。自分が作った料理を美味しそうに食べる人を見るのは小さな喜びだから。ところで、食事の場面でときどき器の数が多い気が……。さては監督たちも一緒に食べているな!(うらやましい!)
- 渡辺俊美(ミュージシャン)
- 自分のために作る料理は不味いけど、人のために作る料理は不思議と美味しいです。それは、相手を想う気持ちがそうさせるのかもしれません。そうです。人の笑顔が見たくて作るからです。人の笑顔が僕にとって一番「幸せ」だからです。笑顔は生きている「証」だからです。
- 高橋洋充(浪江町出身 / ホームムービー提供者)
- 帰還できた人も、できなかった人も、移住をしてきた人も、「あなたがいま感じていることや、ここでつくりあげた日常はとても素敵ですよ」と肯定してくれているようで、ある意味、「赦し」や「救い」を感じさせる映画ではないかと思います。
- 江口由美(映画ライター)
- 奪われた日常や土地の記憶に思いを馳せながら、福島にゆかりのある町に根付き、つどい、料理を囲んで語り合う人たちの姿がなんとも愛しい。東日本大震災から十五年。言葉にできない複雑さをそのまま丁寧に掬い取ろうとする両監督の志が、ロッコクで生きる人々の心と響きあう。暗闇の中の小さな灯りのような、本当に尊い作品。作ってくれてありがとう、という気持ちでいっぱいだ。
- 坂口修一郎(ミュージシャン/プロデューサー BE A GOOD NEIGHBOR Inc.)
- 2011年3月11日からしばらく、自分が何を食べていたのか、まったく思い出せない。無力さに打ちひしがれ、音楽も聴く気になれず、映画も観なかった。心を失い、食べ物の味も感じなかった。あれから長い時間が過ぎた。食べることは人をつくり、人をつなぎ、地域をつくる。映画の中で、土地に居場所を見つけ、楽しげにキッチンに立つ人々の姿を見て、心が少しずつ戻ってきていることを感じた。被災地を貫く「ロッコク」という道の、ポジティブな現在地を確認できて、嬉しくなりました。
- 白石果林(ライター)
- 私がこれまでに観た震災を題材にした映画は、どれもずしんと心に重く響くものでした。でも『ロッコク・キッチン』は、クスッと笑えて、胸が温かくなって、ほろっと涙がでる。「行ってみたい」「食べてみたい」と心が動く。こんなふうに伝えることもできるのだと思いました。本作は「震災」にフォーカスするのではなく、「暮らし」を記録しています。一人ひとりの暮らしのなかに、喜びも悲しみも戸惑いも希望もあり、震災もある。私が「被災者」と捉えていた人たちの日常を教えてくれました。
- Tamurapan(シンガーソングライター)
- 例えば、ただ車で道を走る、食べる、そんな特別でも何でもないようなシーンに突然胸がぎゅっとなることがありました。その場面を特に意識しない人もいれば、私もまた、誰かの大切な場面に無関心でいたのかもしれません。でも同じものを見ながらそれぞれの違う暮らしを思う。静かに映し出される時間のなかにそっと入り込んでくる学びや発見もあり、観てよかったと思いました。それにしても、ご飯を食べるっていいなあ。また6号線をドライブしてメヒコに寄ってご飯を食べてアクアマリンふくしまに遊びに行きたい。
- 番場秀一(ミュージックビデオ監督)
- 劇場が虫の声で満たされた 映画の夜が劇場の暗闇と溶け合い彼方の裸電球が灯っている ロッコク通ってあそこに行こう 夜空の黒い星が輝いている
- 小森はるか(映像作家)
- 私が映画『ラジオ下神白』を撮影していた頃に聞いていたような話や震えるような感情とはまた全く違う形で、「そこに今いる人たちの日常」のようなものが初めて映画にうつされたこと、そこを訪ねて行こうと思われたことにすごく感動しています。
- 金平茂紀(ジャーナリスト)
- この映画は、キラキラしてるものとは違うもの、つまり、もう一回暗闇の中で自分たちの生き方を考えてみようよ、ということを描いたものですよね。僕は、この映画を2回見たんですが、総選挙が終わり、日本の空気が変わった中で見た時に、感じ方がガラッと変わったんですね。映画には人の善意やそれぞれの生き方を肯定するような対話が描かれているんだけど、2回目はそういう善意や価値観すらも「なに言ってんだよ」と全てを更地にするような、暴力的な空気が生まれてきたという危機感を強く感じながら見ました。だから僕は見た方がいいと思いますね、この映画を。見た人の中にきっといろんなことに想像力を広げてくれる映画だと思います。
- えのきどいちろう(コラムニスト)
- 「捨てたもんじゃない」って気持ちをシェアするためにこの映画は作られたと思うなぁ。力のある作品です。大きな映画館じゃないかもしれないけど、きっとずーっと上映が続いて、たくさんの人に届くことでしょう。
- 石飛徳樹(映画評論家 / 元朝日新聞記者)
- 我々マスメディアの人間は、原発事故で避難したまま戻れない人、逆に戻った人を取材するときは、その側面でばかり見てしまうところがあって、やっぱり厳しい生活をされている、大変な思いをされているっていう視点で取材して記事にする。でも、どんな人も一つの面だけで生きているわけじゃない。この映画はご飯の話から入り、厳しい部分だけをわざわざえぐるわけでもない、そういった意味でとても珍しくユニークな映画です。そのアプローチは、とても腑に落ちるところがあって、見終わったあと僕はとても嬉しくなりました。
- 小池アミイゴ(イラストレーター、画家)
- 面白かった〜〜〜! 東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から15年。 福島の浜通りを題材とした映画を「面白い」と思えたことが、やはり面白い。 ああ、人と出会えた映画だったなー!と。震災直後、自分でさえ「行かない方がいい」なんて言われた福島浜通り、いや、東日本の地。でも自分は「東北に通ったこその自分」としか思えず、もし「わたしはまだ行けてない」と思うような方がいたら、15年経つ今からでも行ってみたらいいよ、と思うのです。が、その前にぜひこの映画を観れたらいいねっ!
- 石川直樹(写真家)
- 震災に関してはジャーナリスティックな視点で色々な報道はされてきているんだけれど、この映画はそういうところではない部分、ただ刻一刻と過ぎ去っていく時間をきちんと見つめて、すくい上げているんだなと感じました。何かを強調するわけでもなく、こういう取材の仕方や、関わり方があるんだな、と思いながら見させていただきました。
劇場上映スケジュールとラジオ出演情報
本作は2025年の山形国際ドキュメンタリー映画祭でワールドプレミア上映され、大盛況を得たのち、全国順次公開中です。以下に確定している劇場上映スケジュールと、震災から15年目に合わせたラジオ出演情報を具体的に示します。
上映スケジュールにはバリアフリー版の上映予定も含まれており、各地での公開が継続されます。
- 3月4日(水)~7日(土) 鹿児島ガーデンズシネマ(鹿児島県鹿児島市)
- 3月6日(金)〜 シモキタ- エキマエ – シネマ「K2」(東京都世田谷区)
- 3月13日(金)〜3月19日(木) まちポレいわき(福島県いわき市)
- 3月13日(金)〜3月19日(木) フォーラム福島(福島県福島市)
- 3月13日(金)〜3月19日(木) フォーラム仙台(宮城県仙台市)
- 3月14日(土)〜3月20日(金) シアターキノ(北海道札幌市)
- 4月2日(木)〜 CINEMA Chupki TABATA(東京都北区) ※バリアフリー版上映
- 4月3日(金)〜4月16日(木) シネマネコ(東京都青梅市)
- 4月10日(金)〜4月23日(木) 上田映劇(長野県上田市)
- 4月24日(金)〜5月7日(木) 出町座(京都市上京区)
- 4月25日(土)〜 シネ・ヌーヴォ(大阪府大阪市)
- 5月15日(金)〜 シネマテークたかさき(群馬県高崎市)
<その他、今後上映予定の劇場>
- 元町映画館(兵庫県神戸市)
- Otto(埼玉県さいたま市) ※バリアフリー版上映
- あまや座(茨城県那珂市)
- シネ・ウインド(新潟県新潟市)
- フォーラム盛岡(岩手県盛岡市)
ラジオ出演予定(震災15年の3月11日に合わせた放送を含む)
監督や制作スタッフが各局に出演し、作品の背景や制作過程、登場人物について語ります。3月11日には福島のラジオ局での1時間特番が予定されています。
確定している出演情報は以下です。
- 3月9日(月)18:00-19:45 NHKラジオ「Nラジ」 出演:川内有緒監督
- 3月11日(水)9:00-11:00 TOKYO FM「Blue Ocean」 出演:川内有緒監督
- 3月11日(水)19:00-19:55 ふくしまFM 特別番組『昨日の夜、なに食べましたかー映画「ロッコク・キッチン」をめぐってー』 出演:川内有緒+三好大輔共同監督、プロデューサー渡辺陽一、宮本英実
作品の制作クレジットと外部リンク
制作に関する主要クレジット、上演時間、公式サイトやSNSへのリンクも公表されています。以下に主な制作クレジットを示します。
- 監督
- 川内有緒 + 三好大輔
- 音楽
- 坂口恭平
- 撮影・録音
- 三好大輔
- 編集
- 川内有緒、三好大輔
- スチール
- 一之瀬ちひろ
- アニメーション制作
- 森下征治、森下豊子
- サウンドデザイン
- 滝野ますみ
- ドローン撮影
- 森下征治
- ナレーション
- 武内優
- プロデューサー
- 渡辺陽一、宮本英実
- 制作
- 2025年 / 制作国:日本 / 上映時間:122分
- 配給
- ロッコク・キッチン・プロジェクト事務局(株式会社植田印刷所内)
- 公式サイト・SNS
- https://rokkokukitchen.com/ YouTube:https://www.youtube.com/@rokkokukitchen Instagram:https://www.instagram.com/rokkokukitchen/ X:https://x.com/rokkokukitchen note:https://note.com/rokkokukitchen
- 問い合わせ
- rokkokukitchen@gmail.com
内容の整理(要点を表でまとめる)
この記事で触れた主要な情報を表に整理します。上映スケジュール、ラジオ出演、制作クレジット、特別動画の内容、外部リンクと問い合わせ先を一覧化しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | ドキュメンタリー映画『ロッコク・キッチン』 |
| 公開開始日 | 2026年3月6日(金)(シモキタ – エキマエ – シネマ『K2』ほか順次公開) |
| 上映時間 | 122分 |
| 監督 | 川内有緒 + 三好大輔 |
| 音楽 | 坂口恭平(主題歌「平日」含む) |
| 特別動画 | 料理編/暗闇編/福島で生きる編(公式SNSで順次公開) |
| 著名人コメント | 内田春菊、ヤンヨンヒ、つじあやの、小松理虔、和合亮一、ほか計19名(コメント全文を公式発表にて掲載) |
| 主要上映スケジュール | 鹿児島ガーデンズシネマ、シモキタ-エキマエ-シネマ「K2」、まちポレいわき、フォーラム福島、フォーラム仙台、シアターキノ、CINEMA Chupki TABATA(バリアフリー版)ほか多数 |
| ラジオ出演 | 3月9日 NHKラジオ「Nラジ」(川内監督)、3月11日 TOKYO FM「Blue Ocean」(川内監督)、3月11日 ふくしまFM 1時間特番(共同監督ら出演) |
| 配給 / 制作 | ロッコク・キッチン・プロジェクト事務局(株式会社植田印刷所内) / 制作:2025年 |
| 公式サイト・SNS・問い合わせ | https://rokkokukitchen.com/ YouTube:https://www.youtube.com/@rokkokukitchen 問い合わせ:rokkokukitchen@gmail.com |
以上がドキュメンタリー映画『ロッコク・キッチン』に関する公表情報の整理です。作品は食と暮らしを手掛かりに震災後の時間と記憶を織り上げ、特別動画の公開やラジオ出演、各地での上映を通じて広く紹介されています。