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3月30日実施|工場で最大3.2W高出力Wi‑Fi実証

高出力Wi‑Fi実証実験

開催日:3月30日

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高出力Wi‑Fi実証実験
実験っていつどこでやるの?
2026年3月30日、キリンビール仙台工場で実施。ビーマップが主導しNTT‑BP、シスコ、Edgecoreと協力、総務省の実験試験局免許を取得して正式に行います。
高出力Wi‑Fiで何が変わるの?
最大3.2Wの高出力化で工場内のカバレッジ拡大やスループット向上、AGVなどの安定接続が期待される一方、既存通信との干渉回避とAFCや制度整備が課題です。

工場現場で行われる「高出力Wi‑Fi」実証実験の全体像

株式会社ビーマップは、麒麟麦酒株式会社(キリンビール)、エヌ・ティ・ティ・ブロードバンドプラットフォーム株式会社(以下NTT‑BP)、シスコシステムズ合同会社(以下シスコ)、Edgecore Networks Corporation(以下Edgecore)の協力を得て、2026年3月30日(月)にキリンビール仙台工場(仙台市宮城野区)で高出力アクセスポイントを用いた無線通信の実証実験を実施します。これは来年度以降に想定される6GHz帯のSP(Standard Power)モードの制度改正と、AFC(Automated Frequency Coordination)運用の導入を見据えた先行技術検証です。

実験では最大送信出力(EIRP)を3.2Wに設定し、屋内・屋外の通信特性を比較・検証します。現行法で屋外において認められている出力25mWと比較すると約125倍に相当する出力であり、通常運用では許容されない条件を、総務省からの「実験試験局」免許を得た上で実施する点が重要なポイントです。

最大3.2Wの高出力Wi-Fiによる工場無線通信の実証実験を実施 画像 2

実験の目的と背景

国内では6GHz帯の高出力利用は未認可のままですが、海外ではAFCを前提に高出力Wi‑Fiが産業用途で拡大しています。総務省でもSPモードとAFC導入に関する制度検討が進む中、日本の利用環境に適した出力条件や運用モデルを実証に基づき整備する必要があります。

本実験の主目的は次の2点です。第一に工場環境における通信品質・エリア差の定量評価、第二に将来のAFC制度化を見据えた高出力Wi‑Fiの実環境特性の把握です。これにより、産業現場での適用可能性や運用上の課題を整理します。

  • 実施日:2026年3月30日(月)
  • 発表日:2026年3月9日 09時00分
  • 実施場所:キリンビール株式会社 仙台工場(屋内および屋外)
  • 最大送信出力(EIRP):3.2W
最大3.2Wの高出力Wi-Fiによる工場無線通信の実証実験を実施 画像 3

比較検証する出力モードと測定項目

本実験ではWi‑Fi 6E/Wi‑Fi 7の利用を前提に、3つの出力モードを比較します。各モードは運用想定が異なり、通信エリア、品質、安定性に与える影響が出力によってどのように変化するかを具体的に測定します。

検証対象の出力モードは以下のとおりです。これらは6GHz帯に関する運用形態の標準分類として用いられるものです。

  1. VLP(Very Low Power):屋外利用を前提とした超低出力モード。
  2. LPI(Low Power Indoor):屋内利用を前提とした屋内出力モード。
  3. SP(Standard Power):今回検証する高出力モード(最大3.2Wなどの高出力運用を想定)。

測定はNTT‑BPの電波測定ノウハウを活用して行われ、以下の項目に着目します。

  • 通信エリア範囲(カバレッジ)の定量評価
  • 通信品質(スループット、遅延等)の計測
  • 接続の安定性(切断頻度、再接続時間など)
AFC(Automated Frequency Coordination)とは
高出力の6GHz帯Wi‑Fi機器が既存の重要通信に干渉しないよう、APの位置情報やアンテナ高さをもとにクラウド上のデータベースが利用可能な周波数チャネルと最大送信出力を指示するシステムです。AFCは周波数の有効活用と既存重要通信の保護を両立させる役割を担います。
6GHz帯(Wi‑Fi 6E / Wi‑Fi 7)の意義
従来の2.4GHzや5GHzより広い帯域と多数のチャンネルを持ち、電波干渉が少なく高速通信が可能です。しかし既存の固定通信との共用に伴う干渉回避が課題であり、LPIやVLP運用が先行してきました。SPとAFCの導入で屋外高出力運用が現実味を帯びます。
最大3.2Wの高出力Wi-Fiによる工場無線通信の実証実験を実施 画像 4

参加企業の役割と使用機器の詳細

本実験にはそれぞれ専門的な役割と提供機器があります。協力企業の役割分担は以下のとおりです。

  • NTT‑BP:実験試験局免許申請に関するアドバイス、電波測定の協力。
  • シスコシステムズ:SPモード対応無線LANアクセスポイントの提供、検証環境構築の技術支援。
  • Edgecore Networks:SPモード子機として使用する無線LANアクセスポイントの提供。

使用する代表的な高出力アクセスポイントは下記の2機種です。いずれも高負荷・過酷環境での運用を想定したハイエンド機です。

最大3.2Wの高出力Wi-Fiによる工場無線通信の実証実験を実施 画像 5

Cisco Wireless 9179F アクセスポイント(シスコ)

本モデルはWi‑Fi 7(IEEE 802.11be)対応のフラッグシップ機で、スタジアムやアリーナなどの超高密度環境向けに設計されています。ソフトウェア設定可能なアンテナやGPS/GNSS内蔵のAFC対応ハードウェア構成を備え、屋内外の両運用に適したEnvironment Packで耐候性能を確保できます。

  • Wi‑Fi 7対応:最大データ転送レート24 Gbps(理論値)
  • 屋内/屋外コンバーチブル設計(IP65/IP67等級に対応可能)
  • ソフトウェア制御によるアンテナ指向性切替
  • AFC対応:GPS/GNSSレシーバー内蔵

Edgecore Networks OAP101‑6E(Edgecore)

本モデルはWi‑Fi 6E対応の屋外耐久型アクセスポイントで、IP68相当の高耐久・耐環境設計と広い動作温度範囲を持ちます。TIPのOpenWiFi仕様に対応し、オープンなネットワーク設計を検証する用途にも適しています。

  • 高耐久・耐環境設計(IP68、-40°C〜60°C動作)
  • Wi‑Fi 6Eトライバンド対応:最大5.4Gbps(3バンド合計理論値)
  • TIP OpenWiFi対応によるベンダーロックイン回避の検証

検証の意義と今後の活用想定、実験の位置付け

ビーマップは本実験で得られるデータを制度検討や標準化議論に提供し、日本の産業インフラを支える無線通信基盤の高度化に寄与することを目指しています。具体的には、工場、物流、エネルギー、防災分野などでの広域・安定通信が求められるユースケースを整理し、高出力Wi‑Fiがどのように適用可能かを示すことが狙いです。

加えて、製造現場における稼働監視、AGVやロボットの制御、非常時の情報共有といった業務プロセスに対して、高出力Wi‑Fiを活用した次世代無線ネットワークの設計指針や運用モデルを構築することを目指します。これにより現場の有線依存を緩和し、レイアウト変更時の配線負担やコストを低減する可能性が検討されます。

当社代表取締役社長の杉野文則氏は、国内の無線出力規制がIoT導入の障壁になっている現状に触れ、中国や米国の先進事例を参考にしつつ、日本の製造業に適合した運用課題の検討が必要であると述べています。杉野氏は自身の工場勤務経験にも言及し、日本の製造業に貢献する意志を示しています。

今回の実験は総務省の免許に基づく公式な実証であり、実環境での具体的な測定結果は、今後の制度改正や導入方針に資する重要な技術的エビデンスとなる見込みです。また、実験結果を通じて高出力Wi‑Fiが「通信エリアの分断」や「設備コスト増大」といった現場課題にどのように対処し得るかを整理していく計画です。

関連リンク

詳細情報や今後の更新は、関連サイトで公開される予定です。公式情報は以下のリンクを参照してください。

実証実験の主要項目まとめ

以下の表に本記事で扱った実証実験の主要事項を整理します。表は実施日、場所、出力、検証対象モード、使用機器、協力企業および目的を一覧化したものです。

項目 内容
発表日 2026年3月9日 09時00分
実施日 2026年3月30日(月)
実施場所 キリンビール株式会社 仙台工場(屋内・屋外)
実施主体 株式会社ビーマップ(協力:キリンビール、NTT‑BP、シスコ、Edgecore)
許認可 総務省の「実験試験局」免許を取得のうえ実施
最大送信出力(EIRP) 3.2W(現行屋外許容値25mWの約125倍に相当)
比較検証モード VLP(Very Low Power)、LPI(Low Power Indoor)、SP(Standard Power)
検証項目 通信エリア(カバレッジ)、スループット・遅延等の通信品質、接続安定性
主な使用機器 Cisco Wireless 9179F(Wi‑Fi 7、24Gbps理論値、AFC対応)/Edgecore OAP101‑6E(Wi‑Fi 6E、IP68、3バンド合計理論値5.4Gbps)
協力企業の主な役割 NTT‑BP:免許申請支援・電波測定、シスコ:AP提供・技術支援、Edgecore:子機提供

この表は実験の主要要素を短く整理したもので、本文では背景、目的、機器仕様、協力体制、測定項目までを詳細に解説しました。本実験から得られるデータは、制度検討や標準化議論、産業分野への適用検討に役立てられる予定です。