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LK-530で検証:テンポが脳と作業効率を変える

CNS2026学会発表

開催期間:3月7日〜3月10日

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CNS2026学会発表
音楽のテンポで本当に作業効率が変わるの?
本研究では速いテンポ(BPM150)で作業効率が有意に向上し、遅いテンポ(BPM60)でリラックス効果が確認されました。被験者30名をNIRSや心拍などで計測し、脳活動と生理指標の変化から統計的に裏付けています。
LK-530はどんなふうに使われたの?
カシオの光ナビゲーションキーボードLK-530と専用アレンジ音源を用い、被験者が聴取しながら短期記憶課題を実施。NIRS・心拍センサー・アイトラッカーで脳血流や心拍変動、瞳孔反応を同時測定して効果を評価しました。

カナダCNS2026で発表された鍵盤楽器と脳活動の関係

カシオ計算機株式会社と東京大学先端科学技術研究センターは、共同研究「BGM、カラオケ、演奏支援機能を有する鍵盤楽器の脳活性化効果」を、2026年3月7日から3月10日にカナダ・バンクーバーで開催された国際学会 Cognitive Neuroscience Society 2026(CNS2026)で発表しました。プレスリリースは2026年3月9日 10時01分に出されています。

発表は共同研究の一環として行われ、研究成果は音楽テンポが作業効率や脳活動に与える影響を実験的に示すものです。使用機材や実験手法、得られた知見は学会での口頭またはポスター発表の形で報告されました。

鍵盤楽器による脳活性化効果の研究を実施 画像 2

共同発表の背景と立場

本共同研究は、企業側の製品開発知見と大学の脳科学的な解析を融合させる試みとして進められました。カシオは製品としての鍵盤楽器や関連機能の有効性を科学的に検証する目的で、2025年7月に東京大学先端科学技術研究センターと共同研究契約を締結しています。

東京大学先端科学技術研究センター(RCAST)は1987年に設立された東京大学附置研究所で、材料・情報・環境エネルギーなど多分野を横断した先端研究を行っており、本研究はその学際的な枠組みを活用した共同プロジェクトです。

鍵盤楽器による脳活性化効果の研究を実施 画像 3

研究目的と検証した項目

本研究の目的は、音楽のテンポやカシオ独自のアレンジが認知機能や生理反応にどのように影響するかを脳科学的手法で明らかにすることです。研究で設定された明確な検証項目は三点あります。

研究で明確に設定された検証項目は以下の通りです。これらは実験計画と測定指標に直結しており、データ取得時に体系的に解析が行われました。

  • 音楽のテンポ(速い/遅い)が短期記憶課題の処理速度・正答率に与える影響
  • ビート強調などカシオの独自アレンジが生理指標および脳活動に及ぼす効果
  • 電子楽器を活用した認知サポート機能の可能性の評価

用語の定義と計測で用いた指標

本研究で用いた生理指標や脳活動指標の定義は実験結果の解釈に重要です。心拍数や心拍変動(HRV)などの生理指標と、脳の特定部位の活動強度という観点から解析が行われました。

ここでは実験で扱った主要指標について整理します。HRVは心拍間隔の変動を解析した指標で、心拍の自律神経応答を反映します。脳の覚醒水準は集中度や注意の向きやすさに関わる状態を示す指標として用いられました。

心拍変動(HRV)
心臓の拍動間隔の変動を解析して自律神経系の活動を評価する指標。1分間あたりの拍動数(心拍数)とともに解析。
覚醒水準
心身の活性化状態を示す指標で、脳の集中度や注意の向きやすさに関連する指標として評価。
背内側前頭前野(DMPFC)活動
自己状態の調整に関わる脳部位で、テンポ変化に依存した活動変化が観察されました。

実証実験の方法と使用機材

実証実験は2025年10月21日から11月6日まで、カシオ計算機 羽村技術センターで実施されました。被験者は合計30名で、被験状況下で音源を聴きながら認知課題を行い、複数の生理指標と脳活動を同時に測定しました。

実験の詳細は実務的に整理され、被験者ごとに同一のプロトコルに基づく測定が行われました。対象となる音源やアレンジデータ、測定機器はあらかじめ規格化され、同一条件下での比較解析に備えられています。

実験の具体的手順

実験は順序立てて実施され、各被験者は下記の手順で測定を受けました。手順は認知課題を行いながら各種センサーでデータを収集する形です。

  1. 被験者に対する事前説明と同意取得
  2. 装着機器のセットアップ(心拍センサー、NIRS、アイトラッカー)
  3. 基準値観察のための無音または安静状態の計測
  4. テンポの異なる音源提示(BPM150、BPM60、メトロノーム、無音)と同時に認知課題実施
  5. 各条件下での作業効率、脳活動、心拍変動、瞳孔反応の収集
  6. 終了後のデータ品質確認と解析準備

使用機材と測定項目

実験で使用した機材と測定項目は以下の通りです。機材はカシオの光ナビゲーションキーボード LK-530 と、脳血流測定用のNIRSシステム、心拍センサー、アイトラッカーが中心です。

  • 主要楽器:光ナビゲーションキーボード LK-530(カシオ)
  • 使用音源:テンポの異なるクラシック曲(BPM150/BPM60)、メトロノーム音、無音
  • 計測装置:脳血流測定用NIRSシステム、心拍センサー、アイトラッカー
  • 測定項目:作業効率、脳活動パターン(DMPFC など)、心拍変動、瞳孔反応
  • 専用データ:LK-530用の専用アレンジデータ(ビート強調などの独自アレンジを含む)

実験結果の詳細と示唆

実験の結果、音楽のテンポが脳活動や覚醒水準に影響を与えることが示されました。特に背内側前頭前野(DMPFC)の活動と心拍の変化はテンポ依存で変化し、速いテンポでは体と脳の覚醒レベルが高まる傾向が観察されました。

結果の要点として、速いテンポの楽曲を聴いた際には作業効率が有意に向上し、遅いテンポの楽曲を聴いた際にはリラックス効果が確認されました。この二極性は、音楽が内的状態の調整に関わるメカニズムを通じて認知や生理反応を変えることを示しています。

観察された主な効果

実験で確認された主要な効果は以下の通りです。各項目は測定データに基づく解析で補強されています。

  • 速いテンポの楽曲:被験者の作業効率が有意に向上した
  • 遅いテンポの楽曲:リラックス効果が確認された
  • DMPFC の活動および心拍変化はテンポ依存であり、速いテンポで覚醒水準が上昇する傾向

これらの知見は、音楽のテンポやアレンジが認知支援やウェルネス用途の設計に活用できることを示しています。カシオは得られた科学的知見を基盤に、音楽と脳科学を融合した製品・サービス開発を推進する方針です。

研究はまた、電子楽器を用いた認知サポート機能の可能性を示唆しており、適切なテンポ選択やアレンジによって、作業パフォーマンスの向上やリラックスの誘導が実装可能である点が示されました。

分析の観点と今後の適用分野

本研究の解析は脳血流・心拍・瞳孔反応を総合的に見ることで、音楽が心理生理状態に与える影響を多面的に評価する試みでした。実用化に向けては、製品内の音楽プログラムやユーザーの状態に応じた自動調整機能などへの応用が考えられます。

研究で得られた知見は、脳活性化(脳活)、ウェルネス、ウェルビーイングの実現に向けた製品・サービス開発に活用される見込みです。カシオは今後も東大先端研との連携を深め、社会実装の検討を進める方針を明らかにしています。

今回の発表内容の要点整理

以下の表に、本発表で示された主要な情報を整理してまとめます。実験の条件、使用機材、測定項目、主要な結果、そして組織情報まで含めています。

項目 内容
発表者 カシオ計算機株式会社 と 東京大学先端科学技術研究センター
プレスリリース日時 2026年3月9日 10時01分
学会 Cognitive Neuroscience Society 2026(CNS2026)
学会開催日・場所 2026年3月7日〜3月10日、カナダ・バンクーバー
研究期間 2025年10月21日〜2025年11月6日
実施場所 カシオ計算機 羽村技術センター
被験者数 30名
使用モデル 光ナビゲーションキーボード LK-530
使用音源 テンポの異なるクラシック曲(BPM150/BPM60)、メトロノーム音、無音
測定機器 NIRS(脳血流測定)、心拍センサー、アイトラッカー
測定項目 作業効率、脳活動パターン、心拍変動、瞳孔反応
主な結果 速いテンポで作業効率が有意に向上、遅いテンポでリラックス効果。DMPFC 活動と心拍変化はテンポ依存で変化。
共同研究開始 2025年7月に共同研究契約締結
関連組織(カシオ) カシオ計算機株式会社、業種:製造業、本社:東京都渋谷区本町1-6-2、電話:03-5334-4111、代表者:高野 晋、上場:東証プライム、資本金:485億9200万円、設立:1957年06月、URL: https://www.casio.com/jp/

以上が学会発表およびプレスリリースで提示された全ての主要情報の整理です。実験手法、測定機材、期間、参加者、使用機器に関する具体的な記述を含め、得られた成果とその解釈、企業としての今後の活用方針までを含めて報告しています。