3月17日開幕 スマートエネルギーWEEKでFCV試乗を体験
ベストカレンダー編集部
2026年3月12日 18:01
スマートエネルギーWEEK
開催期間:3月17日〜3月19日
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水素の「つくる・はこぶ・ためる・つかう」が見える展示会、社会実装への転換点
2026年3月17日から19日にかけて、東京ビッグサイトで開催されるスマートエネルギーWEEK【春】は、国内外から約1,600社が出展する大規模な複合展示会です。本展は水素、太陽光、二次電池、スマートグリッド、バイオマス、洋上風力などグリーントランスフォーメーション(GX)の中核技術を一堂に集め、来場者が技術の“現状”と“これから”を俯瞰できる場を提供します。
水素はCO₂を排出しないエネルギーとして、交通分野のみならず鉄鋼・化学などの重工業や発電用途にも活用が広がっています。日本はエネルギー自給率が低く、再エネ供給にも限界があるため、将来増大する水素需要を安定的に確保する仕組みづくりが喫緊の課題となっています。本展では、水素の「つくる」「はこぶ」「ためる」「つかう」というサプライチェーン全体を示す出展や実演が計画されており、社会実装段階へ移行している現実を体感できます。
国際的な動向と市場予測
国際エネルギー機関(IEA)は水素エネルギーが技術開発段階から社会実装段階へ移行しつつあると分析しています。欧州での大型水電解装置の稼働や、中国での燃料電池商用車の急速な普及など、実用化の動きが加速している事実が報告されています。
また市場規模の見通しとして、富士経済『2026年版 水素利用市場の将来展望』は2040年度に向けて98兆円という試算を示しています。出典情報は展示会資料および公式リリースに明示されています。
“動く水素社会”を体験できるFCV試乗会の全容
本展の構成展のひとつである「H2 & FC EXPO【春】 – 第25回 [国際] 水素・燃料電池展 -」では、会場で実際に走行する最新の燃料電池車(FCV)を体験できる試乗会が企画されています。特別協力はトヨタ自動車とHyundai Motor Companyで、実車による動態展示を通じて水素モビリティの実力を評価できます。
試乗会は走行の様子を通じて、加速性能や取り回し、実際の運用に近い環境での挙動を確認する機会となります。特に商用FCトラックは、長距離や重量輸送など“電化が難しい領域”の脱炭素化に向けた現実的な解決策として注目されています。
試乗会のスケジュールと参加方法
試乗申込:各出展社ブースにて申し込みを受付けます。走行の観覧のみの場合は予約不要で、直接試乗会場に来場すれば観覧可能です。
試乗時間:2026年3月17日(火)10:15~17:00、18日(水)10:15~17:00、19日(木)10:15~15:00(最終日は15時終了)。なお、車種・時間は予告なく当日変更になる可能性があります。
- 協力企業:トヨタ自動車、Hyundai Motor Company
- 代表試乗車:トヨタ「クラウン FCV」(第3世代FCシステム搭載)、Hyundai「The all-new NEXO」
- 注意点:走行観覧は予約不要。ただし試乗は各出展者の受付が必要。変更の可能性あり。
トヨタとHyundaiのFCシステム概要
トヨタ自動車が出展する第3世代FCシステムは、商用分野のニーズに対応するため耐久性を高め、ディーゼルエンジンと同等の耐久性を目標に開発が進められています。燃費性能の向上やコスト低減も視野に入れており、実運用を見据えた設計が特徴です(小間番号 W17-46)。
Hyundaiの「The all-new NEXO」は、水素と空気中の酸素を反応させて発電した電力を動力源とするFCVです。走行中は高効率フィルターで微細な粉じんをろ過し、排出するのはクリーンな空気と純水のみとなる設計で、よりクリーンなモビリティの実現を目指しています(小間番号 W17-32)。
展示会で示される核心技術と出展企業の取り組み
本展では水素に関わる「つくる」「はこぶ」「ためる」「つかう」を支えるコア技術が多数展示されます。研究段階を越え、実装・運用を視野に入れた製品やシステムが実際の導入事例や実証試験の成果とともに出展されます。
以下は出展企業の主要な出展内容と技術概要です。本稿では提供された全社の出展説明を網羅します。
- 本田技研工業(Honda)
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Hondaは2050年ビジョンに基づき、水素燃料電池を中核とした取り組みを紹介します。2025年に世界初公開した次世代燃料電池モジュールの試作品も展示され、カーボンニュートラル社会実現に向けた技術進化と実装への取り組みが間近で確認できます。
出展の焦点は、モジュール化された燃料電池の効率化と実用性向上、そして他システムとの統合による運用性の確保です。
- 東京都
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東京都は「東京水素ビジョン」に基づく支援策や普及促進の取り組みを紹介します。2030年のカーボンハーフ達成と2050年の脱炭素社会を見据えた都市レベルでの導入計画や支援制度が説明されます。
行政レベルでの支援や規制整備の現状も展示され、地域施策と産業側の接続点を知ることができます。
- 三菱化工機
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下水由来バイオガスを原料とする水素創エネ技術を紹介します。下水バイオガスをメタン精製して再生可能エネルギー由来の原料として利用するシステムで、エネルギー消費と運転コストの低減を図る事業です。下水道革新的技術実証事業(B-DASH)に採択された事例でもあります。
この技術は都市インフラと再エネを組み合わせた地方分散型供給の一端を担う取り組みとして提示されます。
- エノア
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余剰電力から製造した水素を専用タンクで貯蔵し、発電や燃焼など多用途に活用する再エネ水素蓄エネシステムを披露します。水電解時の副産物である酸素や熱、発電時に生じる熱までを有効活用する点が特徴です。
「つくる・ためる・つかう」をトータルで提供するソリューションとして、系統安定化や地域エネルギーの自立化に資することが期待されています。
- 荏原製作所
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世界初の液体水素用遠心ポンプの開発に成功したと発表しています。液体水素は極低温で容易に気化するため、輸送・昇圧のための専用ポンプ技術が不可欠です。LNG用昇圧ポンプの技術を応用し、液体水素に対応する専用設計を実現しています。
国際的なパートナー連携を視野に入れており、液体水素物流の実装準備が進展していることを示します。
- 日機装
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ストレージから移送、ディスペンスまでを一体化した「フルシステム」型水素ステーションを出展します。安全性・効率性・信頼性を重視し、分解・移設が容易で需要に応じた拡張が可能です。
迅速な輸送・設置を特徴とし、地域ニーズに合わせたスケール調整ができる点が示されます。
開催概要と来場のポイント
本展示会は東京ビッグサイトを会場に、2026年3月17日(火)から19日(木)の3日間、10:00〜17:00(最終日のみ10:00〜15:00)で開催されます。主催はRX Japan合同会社で、複数の専門展示会が同時開催される統合イベントです。
構成展示会には以下が含まれます。来場者は複数分野を同時に比較検討できるため、企業の導入検討者、行政関係者、研究者、メディアなど幅広い層にとって有意義な場となります。
- H2 & FC EXPO【春】― 第25回 [国際] 水素・燃料電池展
- PV EXPO【春】― 第22回 [国際] 太陽光発電展
- BATTERY JAPAN【春】― 第20回 [国際] 二次電池展
- SMART GRID EXPO【春】― 第19回 [国際] スマートグリッド展
- WIND EXPO【春】― 第17回 [国際] 風力発電展
- BIOMASS EXPO ― 第11回 [国際] バイオマス展
- ZERO-E THERMAL EXPO ― 第10回 ゼロエミッション火力発電 EXPO
- [特別企画] BIPV WORLD ― 建材一体型太陽光発電ワールド
公式情報や来場登録は展示会の公式サイトで案内されています。関連リンクは記事末に記載します。
重要ポイントの整理
以下の表は本記事で紹介した展示会・試乗会の主要事項を整理したものです。会期、会場、試乗会日時、主要出展企業、及び市場見通しと出典を含めてまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展示会名 | 第25回 スマートエネルギー WEEK【春】(複合展示会) |
| 会期 | 2026年3月17日(火)~19日(木) 10:00~17:00(最終日 10:00~15:00) |
| 会場 | 東京ビッグサイト |
| 主催 | RX Japan合同会社 |
| 出展規模 | 約1,600社(国内外) |
| H2 & FC EXPO 試乗会 | 試乗日時:3月17日 10:15~17:00 / 3月18日 10:15~17:00 / 3月19日 10:15~15:00 申込:各出展社ブースにて受付(観覧は予約不要) 協力:トヨタ自動車、Hyundai Motor Company |
| 主要出展企業(抜粋) | 本田技研工業、東京都、三菱化工機、エノア、荏原製作所、日機装 他 |
| 市場予測 | 2040年度の水素利用市場規模予測:98兆円(出典:富士経済『2026年版 水素利用市場の将来展望』) |
| 関連リンク | 公式サイト(スマートエネルギーWEEK【春】) |
本展示会は、水素のサプライチェーン全体を通じた最新事例と実装段階の技術を一度に確認できる場として設計されています。会場での実機展示や試乗会、審査済みの実証事例紹介を通じて、企業の導入検討や政策立案に資する情報収集が可能です。なお、試乗や展示の内容は当日変更される場合があるため、来場前に公式サイトで最新情報を確認することが推奨されます。