2024年10月29日、eLxr Proが国内販売開始!AI対応Linuxの新境地

eLxr Pro販売開始

開催日:10月29日

eLxr Pro販売開始
eLxr Proってどんな製品なの?
eLxr Proは、エンタープライズやAI向けに特化したLinuxディストリビューションで、Cloud-to-Edgeデプロイメントに対応しています。
eLxr Proの販売開始日はいつ?
eLxr Proは2024年10月29日に国内での販売が開始されました。

ウインドリバー、AIおよびクリティカルなワークロード向けの革新的なエンタープライズLinux製品を発表

2024年10月29日、ウインドリバー株式会社は、Cloud-to-Edgeデプロイメント特有のニーズに応えるエンタープライズグレードのLinux製品『eLxr Pro』の国内販売を開始したことを発表しました。この製品は、今年7月にローンチされたオープンソースのeLxr Projectをベースにしており、エンタープライズ、AI、および業界特有のワークロードやユースケースをターゲットにしたDebianベースのディストリビューションです。

eLxr Proの特長と利点

eLxr Proは、高性能なエッジおよびエンタープライズのニーズに直面している企業向けに設計されています。自律走行車、航空宇宙、防衛、エネルギー、金融、医療、産業用オートメーション、スマートシティ、通信など、幅広い新たなユースケースに対応し、次世代の商用デプロイメントに向けた厳しいパフォーマンス要件や運用要件を満たすことが可能です。

具体的な機能としては、以下が挙げられます:

  • 遠隔での自動更新
  • コンテナ化されたアプリケーションとオーケストレーション
  • AI推論と機械学習
  • 自律型運用

これにより、データを生成元の近くで処理するために、ニアエッジおよびファーエッジのアプリケーションを最適化してデプロイすることが可能になります。

市場背景とニーズ

2024年6月にCentOSのサポートが終了したことを受け、多くのCIOがLinuxベンダーの見直しを迫られています。既存の選択肢は制約が厳しすぎたり、複雑すぎるものが多く、進化の早いこの分野でのダイナミックな要求に追従できない実装につながっています。このような背景から、シームレスなCloud-to-Edgeソリューションへの需要が高まっているのです。

ウインドリバーのプレジデント、アビジット・シンハ氏は、「ある特定の企業が支配する形ではなく、導入規模に対して柔軟かつ信頼のおけるサポートビジネスのオプションが求められている」と述べています。eLxr Proは、業界をリードするオープンソースのソリューションプロバイダーがサポートする、堅牢で差別化された新たな選択肢です。

eLxr Projectの概要

eLxr Projectは、Cloud-to-Edgeをカバーする信頼性の高い革新的なソリューションを求める技術者や企業ユーザーが、最新テクノロジーにアクセスできるようにすることを目的としたコミュニティ主導のプロジェクトです。オープンソースライセンスの基で配布され、ユーザーは自由に利用できます。

このプロジェクトでは、既存のDebianパッケージを精査し、業界特有のワークロードを実行するために必要なパフォーマンスの最適化と強固なセキュリティを最小限のフットプリントで提供します。今後のリリースサイクルでは、ハードウェアサポートの追加やクラウドネイティブ機能の拡張が計画されています。

eLxr Proの商用サポート

eLxr Proは、コミュニティ主導のeLxr Projectで提供される標準ライフサイクルを超える包括的な長期商用向けのサポート、プロフェッショナルサービス、保守サービスを提供します。これにより、ユーザーはオープンソースの柔軟性とイノベーションを活かした最先端テクノロジーを特有のニーズに応じて利用でき、eLxrベースのシステムの信頼性と安定性を向上させることができます。

業界随一の専門知識を有するウインドリバーは、特に制約の厳しい環境でのデプロイメントにおいて、パフォーマンス、セキュリティ、カスタムのハードウェア機能、認証など業界特有の要件を満たすオープンソースソリューションの構築をサポートします。

ウインドリバーのオープンソース分野におけるリーダーシップ

ウインドリバーは、約20年間にわたり、エッジコンピューティング向けにカスタマイズされた市場をリードする商用オープンソースLinuxソリューションを提供してきました。オートモーティブ、航空宇宙・防衛、インダストリアル、メディカル、ネットワーク、通信業界など多岐にわたるお客様がウインドリバーの高度な製品とサービスを活用し、これまでに何千ものLinuxプラットフォームやアプリケーションの開発、デプロイに成功しています。

また、ウインドリバーはYocto Project、Open Handset Alliance、Zephyr Project、StarlingXなど主要なオープンソースイニシアチブの創設メンバーとして、オープンソースの原則にコミットし、リーダーシップや革新的なソリューションに向けて積極的に貢献しています。

エコシステムとパートナーシップ

エンタープライズにおけるCloud-to-Edgeの課題解決には、オープンソースコミュニティ内でのハードウェアとソフトウェアのプロバイダー間のパートナーシップが必要とされており、eLxr Projectはその課題に取り組んでいます。さらに、クラウドプロバイダーや半導体企業、システムインテグレーター、ハイパースケーラー、ODM/OEM、独立系ソフトウェアベンダーとの取り組みを通して、耐環境性部品を搭載した従来と異なるフォームファクター、パフォーマンス強化、セキュリティ強化、多様なデプロイ環境、高処理負荷ワークロードなどの新たな課題の解決を目指しています。

ウインドリバーは、Intelなどのパートナーと密接に連携して、お客様主導のイノベーションと変革を推進しています。機能検証の取り組みでは、IntelのQuick Assist Technologyをデータ暗号化や圧縮に活用し、計算ニーズを効率的に処理することを目指しています。

eLxr Pro Design Partner Programについて

eLxr Pro Design Partner Programは、eLxr Server Proをクラウドサービスプロバイダーのマネージドサービスとして提供し、より幅広いユーザーにeLxr Proのメリットを享受いただけることを目指したプログラムです。ウインドリバーの代表取締役社長、中田知佐氏は、「このプログラムは、企業ITユーザーが個別環境として構築することなくeLxr Proをご利用いただけるようにする取り組みです」と述べています。

このプログラムを通じて、ウインドリバーは日本の企業ユーザーのIT環境に新たな選択肢を提供していくことを目指しています。

まとめ

ウインドリバーの新しいエンタープライズLinux製品『eLxr Pro』は、幅広い業界におけるクリティカルなワークロードに対応するために設計されています。この製品は、オープンソースの柔軟性と商用サポートを兼ね備え、ユーザーにとって信頼性の高い選択肢となるでしょう。eLxr Proの導入により、企業はエッジコンピューティングのニーズに効果的に応えることが可能になります。

項目 内容
製品名 eLxr Pro
ベース Debianベースのディストリビューション
主な機能 遠隔自動更新、AI推論、機械学習、コンテナ化アプリケーション
対象業界 自律走行車、航空宇宙、防衛、エネルギー、金融、医療、産業用オートメーション、スマートシティ、通信
サポート 長期商用サポート、プロフェッショナルサービス

このように、ウインドリバーのeLxr Proは、エンタープライズ向けの革新的なソリューションとして、多様なニーズに応える製品となっています。業界の進化に合わせた柔軟なサポート体制と、オープンソースの利点を活かした設計により、今後の展開が期待されます。

参考リンク: