2024年10月29日、ペルー地震対策強化に向けたNECとの協力の詳細

ペルーの地球物理庁長官と研究者がNECを訪問し、地震・津波対策の強化を図る

2024年10月29日、日本電気株式会社（NEC）は、ペルーの地球物理庁長官エルナンド・タベラ氏と同庁の研究者を迎え、地震および津波対策に関する最新の取り組みを紹介しました。ペルーは環太平洋地震帯に位置し、地震多発国として知られていますが、地震検知や情報伝達のシステムには課題が残されています。この訪問は、両国の協力により、より効果的な防災対策を実現するための重要なステップとなるでしょう。

地震大国ペルーと日本の取り組み

日本は、緊急地震速報や津波警報を発信するための先進的なシステムを構築してきました。NECは、これらの技術を活用し、地震発生時の迅速な対応を可能にするシステムを開発してきました。このシステムにより、多くの人命が救われることが期待されています。

一方、ペルーの地球物理庁は、国土における地震検知技術を有し、地震発生後の速報システムの運用実績を持つ防災機関です。これにより、地震発生時の迅速な情報提供と初動対応が可能となり、被害の最小化に寄与しています。

エルナンド・タベラ氏の訪問と学び

NECを訪問したエルナンド・タベラ氏は、「今回の訪問でたくさんのことを学んだ。日本が過去の地震による教訓を有効に生かしていることがよく分かった。ペルーではまだまだやらなければならないことが沢山ある。引き続きNECと共に歩んでいきたい」と述べました。この発言は、ペルーが直面している課題を理解し、今後の取り組みに向けた意欲を示しています。

ペルーにおける地震対策の課題

ペルーは、地震発生を早期に検知するための観測設備や、その情報を迅速かつ正確に解析するシステムの整備が進んでいません。地方自治体や警察、消防などへの情報伝達システムも確立されておらず、緊急時の初動対応が難しい状況です。さらに、地震や津波警報を住民に短時間で伝えるための防災情報伝達システムも不十分であり、これらは大きな課題となっています。

NECとレキオスソフトによる実証実験

これらの課題に対処するため、NECはレキオスソフト（本社：沖縄県那覇市）と共同で、早期地震検出用ソフトウェアを搭載したシステムを開発しました。地球物理庁とともに、ペルーの国土に適した手法で地震をより早期に検知するための実証を行っています。この実証は、2022年10月から2025年2月までの期間にわたって実施され、ペルーにある既設のセンサーを用いて、新たに開発する早期地震検出用ソフトウェアを搭載した早期地震検知システムの検証が行われます。

具体的には、地球物理庁での解析結果の検証も行い、実際の地震検出結果や検出速度の妥当性を確認します。これにより、ペルーにおける地震検知技術の向上が期待されます。

今後の展望とNECの取り組み

実証実験の成果を活用し、ペルー国土に適した地震検出技術を確立することが目指されています。NECは、社会ソリューション事業に注力しており、特にグローバル成長戦略の一環として「セーフティ事業」を強化しています。今回の取り組みもその一環であり、安全・安心な社会づくりに貢献することが期待されています。

NECは、先進ICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる効率的で洗練された社会を実現することを目指しています。これにより、地震や津波に対する備えを強化し、地域社会の安全を高めることができるでしょう。

まとめ

以上のように、NECとペルー地球物理庁の連携は、地震や津波によるリスクを軽減し、地域の安全を確保するために重要な取り組みです。今後の進展に注目が集まります。