三菱電機、2024年10月30日から米国で新工場建設を開始し生産体制強化

米国新工場建設

開催日:10月30日

三菱電機がどんな投資をしているの?
三菱電機は米国と日本で電力エネルギーシステム事業の生産体制を強化するため、約160億円を投資しています。
この投資の目的は何?
エネルギー転換や電力需要の増加に対応し、脱炭素化を進めるために生産効率と供給能力を向上させることが目的です。

三菱電機、米国と日本における電力エネルギーシステム事業の生産体制を強化

三菱電機株式会社(以下、三菱電機)は、2024年10月30日14時00分に、米国の子会社であるMitsubishi Electric Power Products, Inc.(以下、MEPPI)が、米国内におけるエネルギー転換と電力需要の増加に対応するために約120億円を投資することを発表しました。この投資により、国内外の電力エネルギーシステム事業の生産体制を強化する計画です。

近年、米国では脱炭素社会の実現に向けたエネルギー転換や電力需要の増加が求められており、これに伴い開閉器やパワーエレクトロニクス機器の需要が急増しています。MEPPIはこの需要に応じるため、新工場棟の建設を含む生産エリアの拡張や新生産設備の導入を行い、開閉器およびパワーエレクトロニクス機器の生産効率の向上と供給能力の拡大を目指します。

生産体制強化の具体的な内容

今回の生産体制強化において、MEPPIは開閉器工場の新棟を建設し、既存棟のリレイアウトを行います。これにより、オール電化や再生可能エネルギーの活用を通じて、生産エリアのネットゼロ化を実現することを目指しています。

特に、開閉器の生産機種に関しては、地球温暖化係数の高いSF6ガスを使用する電力用ガス遮断器から、環境負荷の低い自然系ガスを使用する真空遮断器へと転換することで、脱炭素化に向けた取り組みを進めていく方針です。

このたびの開閉器工場の建設にあたり、MEPPIはペンシルバニア州地域振興・経済開発局から6.75百万USドル(約10億円)の助成提案を受けています。これにより、地域経済の発展にも寄与することが期待されています。

日本国内における取り組み

日本国内においても、急速に拡大する電力需要に対応するため、三菱電機は系統変電システム製作所(兵庫県尼崎市)の一部の生産エリアをリレイアウトし、キーコンポーネントを含む開閉器の生産増強を図ります。これにより、国内での生産体制を強化し、安定した電力供給に貢献することを目指します。

主な投資の概要

以下に、今回の投資の概要を示します。

概要 投資額
MEPPIにおけるパワーエレクトロニクス機器の生産エリア拡張、開閉器の新工場棟建設、新生産設備の導入など 約120億円
三菱電機系統変電システム製作所における開閉器・キーコンポーネント生産エリアのリレイアウト 約40億円

MEPPIの概要

MEPPIについての詳細は以下の通りです。

  • 社名: Mitsubishi Electric Power Products, Inc.
  • 代表者: Tricia Breeger, President & CEO
  • 所在地: 本社:米国ペンシルバニア州ピッツバーグ市
  • 資本金: 25.8百万USドル
  • 沿革: 1985年に米ウエスチングハウス社と合弁で設立、1989年に三菱電機の100%子会社化
  • 従業員数: 1,186名(2024年3月末時点)
  • 事業内容: 電力用ガス遮断器、真空遮断器の製造・販売・保守など
  • ホームページ: https://www.meppi.com/

まとめ

三菱電機は、米国と日本における電力エネルギーシステム事業の生産体制を強化するため、約160億円を投資する計画を発表しました。具体的には、米国のMEPPIでの生産エリアの拡張や新工場の建設、日本国内での生産エリアのリレイアウトを行います。これにより、急速に拡大する電力需要に対応し、脱炭素化に向けた取り組みを進めることが期待されています。

以下に、この記事で取り上げた内容を簡潔にまとめた表を示します。

項目 内容
投資総額 約160億円
米国での投資額 約120億円
日本での投資額 約40億円
MEPPIの設立年 1985年
従業員数 1,186名

このように、三菱電機は国内外における電力エネルギーシステム事業の生産体制を強化し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進していくことが期待されます。

参考リンク: