O-NES TOWERが2024年6月にWELLとLEEDの両認証を取得した理由
タイ・バンコクにおける新たな賃貸オフィスビル「O-NES TOWER」
株式会社大林組のグループ会社であるタイ大林が開発した大型賃貸オフィスビル「O-NES TOWER」が、タイ国内で2例目となるWELL認証とLEED認証の両方を取得しました。これにより、健康や環境への配慮がなされたオフィス空間の提供が実現しました。
WELL認証は、健康やウェルビーイングに関する国際的な認証制度であり、オフィスや商業区画の共用部を対象とした「WELL Core(v.1)」で「ゴールド」を取得しました。一方、LEED認証は省エネルギーや環境影響を評価する制度で、2023年8月に取得した「ゴールド」は、O-NES TOWERが持つ環境性能の高さを示しています。
WELL認証に基づく取り組みと評価
タイ・バンコクでは、PM2.5などの微小粒子状物質による健康への影響が懸念されており、健康やウェルビーイングに配慮した不動産物件への需要が高まっています。O-NES TOWERでは、オフィスワーカーの働きやすさを実感できる環境づくりを目指し、以下のような取り組みが評価されました。
- 高性能空調フィルターによる外気の取り入れ
- 照度センサー付き電動ブラインドの標準装備
- グレアレス照明の採用
これらの施策により、入居テナントの企業価値向上にも寄与しています。また、入居テナント向けにはウェルビーイング活動の提供や、緑豊かな屋上空間の整備、マーケットイベントの開催なども行われており、従業員の健康増進やエンゲージメントの向上にも取り組んでいます。
ウェルビーイング活動の具体例
O-NES TOWERでは、入居テナント向けに以下のようなウェルビーイング活動が企画されています。
- フィットネスプログラム
- ヨガクラス
- マーケットイベントの開催
これにより、オフィスワーカーが健康的なライフスタイルを送るためのサポートが行われています。
LEED認証に基づく取り組みと評価
O-NES TOWERにおけるLEED認証の取得は、以下のような環境配慮に基づく取り組みが評価されました。
- 北側・南側外壁に取り付けたルーバーによる日射遮蔽
- 個別空調の採用
- 照明・空調・ブラインドのセンサー制御による省エネ性能の向上
- 床冷房システムの採用
また、モバイル端末で消費エネルギーの見える化を図ることで、利便性と環境への配慮を両立した快適な執務環境を提供しています。
LEED認証取得の意義
LEED認証の取得は、環境負荷の少ない建物を目指す大林グループの方針を反映したものであり、今後の不動産開発においても、このような環境配慮型の取り組みが重要視されることが期待されます。
O-NES TOWERの建物概要
O-NES TOWERは、以下のような特徴を持つ建物です。
項目 | 詳細 |
---|---|
名称 | O-NES TOWER(オーネスタワー、タイ大林本社入居) |
所在地 | タイ王国バンコク都クローントゥーイ区(BTSナナ駅直結) |
事業主 | タイ大林 |
設計 | 建築:タイ大林デザイン、構造・設備:タイ大林 |
構造 | S造・RC造 |
規模 | 地下5階、地上29階、塔屋2階、延85,000㎡ |
工期 | 2019年3月~2022年3月 |
認証 | WELL認証(ゴールド)、LEED認証(ゴールド) |
このように、O-NES TOWERは、健康や環境への配慮を徹底したオフィスビルとして、今後の不動産開発におけるモデルケースとなることが期待されます。
大林グループは、カーボンニュートラルやウェルビーイングに関する課題解決を中期経営計画の基本戦略の一つとして位置付けており、今後も健康・環境配慮型の不動産開発を推進していく方針です。
以上の内容をまとめると、O-NES TOWERは、タイ国内でのWELL認証とLEED認証の両方を取得した数少ないオフィスビルであり、健康や環境への配慮がなされた高付加価値な空間として注目されています。