広瀬章人九段、藤井聡太JT杯覇者を破り決勝進出!将棋日本シリーズ準決勝

将棋準決勝結果

開催日:11月2日

将棋準決勝結果
広瀬九段と藤井JT杯覇者の対局結果はどうだったの?
広瀬章人九段が藤井聡太JT杯覇者を137手で破り、決勝進出を果たしました。
次の対局はいつで誰が相手なの?
広瀬九段は次に決勝戦で渡辺明九段と対局予定です。

将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝第二局の開催結果

2024年11月2日、愛知県のAichi Sky Expoにて「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」の準決勝第二局が開催されました。この対局では、広瀬章人九段が藤井聡太JT杯覇者を137手で破り、見事決勝進出を果たしました。

広瀬九段の次戦は、決勝戦で渡辺明九段との対局が予定されています。藤井聡太JT杯覇者との対局は、将棋ファンにとって注目の一戦でした。

実施概要

以下は、準決勝第二局の実施概要です。

タイトル 将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝第二局
日程 2024年11月2日(土)
場所 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)展示ホールD
(住所:愛知県常滑市セントレア5丁目10-1)

対局の結果

対局の結果は、広瀬章人九段(先手)が藤井聡太JT杯覇者(後手)を137手で破り勝利しました。この勝利により、広瀬九段は5年ぶりの決勝進出を決めました。

対局の流れは、振り駒を来場者の中から抽選で選ばれた方が行い、広瀬九段が先手に決まりました。展開は相掛かりとなり、先手が横歩を取り、後手が1筋を詰める形が続きました。広瀬九段の61手目▲6五同銀の踏み込みに対し、後手は飛車と金桂の二枚替えとなり、やや先手が優勢に立つ展開となりました。

83手目には、▲6一龍が厳しい攻めを見せ、藤井JT杯覇者は先手玉に迫るも、最後は広瀬九段の119手目▲3四歩が決断の一手となり、藤井玉を即詰みに討ち取りました。

両者の対局前のコメント

対局前の両者は以下のようにコメントを残しています。

藤井聡太JT杯覇者
「セントレア(中部国際空港)はプロになってから使うことが多いのですが、会場のAichi Sky Expoは初めてです。とても広いという印象です。広瀬九段は終盤の切れ味があり、また序盤の工夫も見られます。早指しの対局ですので十分気をつけて臨みたいと思います。先手後手は当日の振り駒で決まるので、意識しすぎないようにしています。」
広瀬章人九段
「早指しはあまり得意とは言えません。しかし数少ないチャンスですので、ここは頑張りたい。藤井JT杯覇者は安定感が際立ってきた気がします。最前線の戦いをしながらですから素晴らしいです。明日は決断良く指すこと、準備してきたことを出せるようにしたい。公開対局ですので、スリリングな将棋をお見せしたいと思います。」

勝利棋士のコメント

勝利を収めた広瀬九段は、以下のように振り返りました。

「こちらが横歩を取ったら、こういう展開になるかなという手順になりました。後手は角を手放しているかわりに、1筋を詰めましたが、互角くらいだろうという感触です。9筋の端攻めを見せられて、61手目▲6五同銀は行くしかありません。その後飛車と金桂の二枚替えになって、悪くないと思いました。77手目▲7九香で後手に金を使わせたので、▲6一龍に受けがないんです。」

「しかしそこは藤井JT杯覇者ですから、いろいろと手をつないできます。迫られて気持ち悪い中、119手目▲3四歩が決断の一手で勝つことができました。決勝は5年前と同じく渡辺九段が相手です。対藤井戦のことばかり考えていたので、決勝のことはこれから考えます(笑)。」

講評

この対局について、斎藤慎太郎八段は以下のように講評しました。

「相掛かりから先手が▲3四飛と横歩を取った代わりに、1筋を詰められる形は、広瀬九段の研究手順だと思います。後手は58手目△9四歩と端攻めを見せてきました。香が入ると△2六香の狙いです。それに対し、広瀬九段は▲6五桂△同歩に▲同銀と踏み込みました。次に▲5四銀△同銀▲7二角の筋です。それに対する△8五飛から飛車と金桂の二枚替えの進行を、藤井JT杯覇者は悔やんでいました。」

「77手目▲7九香が好手で、金を使わせたことによって▲6一龍の攻めが厳しいのです。攻めが細くなった後手ですが、いろいろ手を尽くして攻めをつないできます。最終盤、広瀬九段の119手目▲3四歩が決断の一手で勝ちを決めました。スリリングな戦いは観客の方も満足していただけたのではないでしょうか。」

対局の棋譜

以下は、広瀬章人九段(先手)対藤井聡太JT杯覇者(後手)の棋譜です。

▲2六歩    △8四歩    ▲2五歩    △8五歩    ▲7八金    △3二金
▲3八銀    △7二銀    ▲5八玉    △1四歩    ▲9六歩    △8六歩
▲同 歩    △同 飛    ▲3六歩    △8二飛    ▲87歩    △5二金
▲1六歩    △3四歩    ▲2四歩    △同 歩    ▲同 飛    △6四歩
▲3七桂    △6三銀    ▲3四飛    △1五歩    ▲7六歩    △8八角成
▲同 銀    △3三金    ▲3五飛    △4四角    ▲2五飛    △2四歩
▲2九飛    △1六歩    ▲1八歩    △7四歩    ▲4六歩    △5四歩
▲4八金    △7三桂    ▲4七銀    △4二玉    ▲5六歩    △2二銀
▲7七銀    △3二玉    ▲4五歩    △6二角    ▲6六銀    △8一飛
▲2七飛    △6五桂    ▲7七桂    △9四歩    ▲6五桂    △同 歩
▲同 銀    △8五飛    ▲7五歩    △同 飛    ▲7七桂    △8五桂
▲7六歩    △7七桂成 ▲7五歩    △7八成桂 ▲8一飛    △5一桂
▲9一飛成 △6六歩    ▲同 歩    △77成桂 ▲7九香    △6八金
▲4九玉    △7九金    ▲2六歩    △3五歩    ▲6一龍    △3六歩
▲5四銀    △3七歩成 ▲同 飛    △3六歩    ▲同 銀    △2三玉
▲4一角    △3二歩    ▲6三銀不成△2六角    ▲5二龍    △4六香
▲4七銀打 △3七角成 ▲同 金    △4七香成 ▲7五歩    △6三玉
▲同 金    △6八飛    ▲5八香    △6七成桂 ▲5九金    △5八成桂
▲同 金    △6九飛成 ▲4八玉    △3四桂    ▲3五歩    △4六桂
▲同 金    △3七銀    ▲同 玉    △5八龍 ▲4七金    △6三桂
▲3四歩    △2六銀    ▲同 玉    △2五歩    ▲同 銀    △1五金
▲3七玉    △2五金    ▲3三歩成 △1四玉    ▲3二角成 △2三歩
▲2四金    △同 玉    ▲2三と    △同 銀    ▲同 馬    △同 玉
▲4一角  まで137手で先手の勝ち

まとめ

2024年11月2日に行われた「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝第二局」で、広瀬章人九段が藤井聡太JT杯覇者を破り、決勝進出を果たしました。この対局は、広瀬九段の戦略が光り、藤井JT杯覇者との熾烈な戦いが繰り広げられました。

次の決勝戦では、広瀬九段が渡辺明九段と対局予定です。将棋ファンにとって、今後の展開が非常に楽しみな状況となっています。

対局者 勝者 敗者 手数
広瀬章人九段(先手) 広瀬章人九段 藤井聡太JT杯覇者 137手

この対局の結果は、将棋界における広瀬九段の実力を改めて印象付けるものであり、決勝戦も期待されます。