Indeedの調査:求職者の月給検索額が2024年9月に35万円超に
ベストカレンダー編集部
2024年11月7日 17:21
賃金期待調査レポート
開催日情報なし
Indeed Hiring Labによる仕事探しにおける検索月給額の動向調査
2024年11月7日、Indeed Japan株式会社は、国際的なエコノミックリサーチ機関であるIndeed Hiring Labが発表したレポート「高まる賃金期待:インフレ下で求職者は月給35万円以上を検索」の主要ポイントをまとめました。このレポートによると、2024年9月時点で求職者が検索する月給額は平均355,032円であり、2021年9月から8.2%の増加を示しています。
この調査は、求職者が仕事探しをする際に、職種や雇用形態に加えて、具体的な賃金額(時給や月給、年収額)をキーワードとして検索していることに着目しています。検索賃金のデータを分析することで、求職者が希望する賃金の水準を把握することが可能です。
検索月給の上昇傾向
Indeedでの検索月給は、2021年9月から2024年9月にかけて、328,123円から355,032円へと8.2%(26,909円)上昇しています。この上昇は、インフレーションの影響を受けており、今後もその傾向が続く可能性が高いとされています。
具体的には、2022年以降、物価の上昇と求職者の賃金期待の高まりが同時に顕著になってきており、インフレーションと検索月給の上昇は比例関係にあると考えられています。今後の検索月給の上昇率はインフレーションの動向に左右されると予想されています。
インフレーションと検索月給の関係
Indeed Hiring Labのエコノミスト、青木雄介氏は、検索月給の上昇率が物価上昇率と密接に関連していることを指摘しています。物価がさらに上昇する局面では、賃金上昇期待が高まりやすく、検索賃金とインフレの動きが連動する可能性が高いとのことです。
逆に、物価上昇率が鈍化した場合には、検索月給の上昇率も鈍化する可能性がありますが、求職者の自己評価や市場価値の向上など、インフレーションとは別の要因によって異なる動きを見せることも考えられます。
調査結果の詳細
2024年9月時点での検索月給の加重平均は355,032円で、2021年9月の328,123円から8.2%の上昇を示しています。この上昇は、一般労働者の所定内給与の上昇率6.2%を上回るものであり、求職者がより高い賃金を求めていることを示しています。
以下は、Indeedにおける検索月給の加重平均値と一般労働者の平均月給実績の推移を示す表です。
月 | 検索月給(加重平均) | 一般労働者の平均月給 |
---|---|---|
2021年9月 | 328,123円 | 313,184円 |
2024年9月 | 355,032円 | 332,632円 |
消費者物価指数との比較
消費者物価指数(CPI)と検索月給の上昇率を比較すると、特に2021年以降、両者が重なるように推移していることがわかります。2022年から物価が上昇し始め、2023年には多くの月で3%台を維持しましたが、2024年9月時点で2.5%となっています。
検索月給の上昇率も同様の動きをしており、2022年から顕著に上昇し、2024年には上昇率が鈍化しつつあります。これは、求職者の賃金期待がインフレーションに即時に反応しやすいことを示しています。
調査概要とIndeed Hiring Labについて
今回の調査は、Indeed Hiring Labが実施し、対象期間は2019年1月から2024年9月までです。検索月給の加重平均値は、1万円刻みの値を賃金帯として、賃金帯ごとに検索数を計算し、シェアを掛け合わせて算出されています。
Indeed Hiring Labは、世界No.1求人サイト「Indeed」の国際的なエコノミックリサーチ機関であり、労働市場に関するさまざまな調査・研究を行っています。日本における労働市場の状況や最新トピックに関する情報を発信しています。
まとめ
今回の調査から、求職者が検索する月給額は上昇傾向にあり、2024年9月時点での平均は355,032円であることが明らかになりました。また、検索月給はインフレーションの影響を受けており、今後もその傾向が続く可能性が高いとされています。
以下の表は、今回の調査の要点を整理したものです。
要点 | 詳細 |
---|---|
検索月給の平均 | 355,032円(2024年9月) |
上昇率 | 8.2%(2021年9月から) |
インフレーションとの関連 | 物価上昇に連動する傾向 |
このように、求職者の賃金期待は高まっており、今後の労働市場においても重要な指標となるでしょう。
参考リンク: