JCBとIWIが11月19日にMATTEをリニューアル、国際カード対応強化

MATTEリニューアル

開催日:11月19日

MATTEリニューアル
「MATTE」って何が変わったの?
「MATTE」はJCBとIWIが提供する不正取引情報WEB連携サービスで、国際カードブランドの取引情報もリアルタイムで連携可能になりました。
このサービスのリニューアルで何が期待できるの?
不正取引の迅速な検知と対応が可能になり、業界全体の不正利用対策が強化されることが期待されています。

不正取引情報WEB連携サービス「MATTE」のリニューアルについて

株式会社ジェーシービー(JCB)と株式会社インテリジェント ウェイブ(IWI)は、2024年11月19日より不正取引情報WEB連携サービス「MATTE」をリニューアルしました。これにより、JCBブランド以外の国際カードブランドの取引情報についても、リアルタイムで情報連携が可能となり、業界全体の不正利用対策を強化する取り組みが進められています。

「MATTE」は、JCBとIWIの強みを生かしたセキュリティーコンソーシアムの一環として展開されており、クレジットカード不正利用の迅速かつ効果的な対策を目的としています。新たに設けられた共通システムにより、情報連携がスムーズになり、迅速な不正防止対策が実現されます。

「MATTE」のリニューアルポイント

「MATTE」のリニューアルには、いくつかの重要なポイントがあります。以下にその詳細を示します。

  • 国際カードブランドの取引情報の連携: JCBブランド以外の国際カードブランド取引においても、カード発行会社や加盟店で検知した不正・不審取引をリアルタイムに情報連携し、迅速な配送停止依頼が可能になりました。
  • 業務効率の向上: 不正・不審取引の情報を取引ごとに加盟店管理会社へ連絡することなく、MATTEに登録するだけで情報連携ができるため、業務が効率化されます。
  • 新機能の追加: データ一括登録機能や承認ワークフローなどの機能を拡大し、利便性が向上しました。これにより、新たに多数の加盟店や決済代行サービス事業者がMATTEを導入しやすくなっています。

これらのリニューアルにより、JCBブランド調査によると、配送停止依頼の50%以上が加盟店管理会社を経由せずにカード発行会社と加盟店で直通連携が可能となる見込みです。

背景と不正利用対策の重要性

近年、クレジットカードの不正利用被害は増加の一途を辿っています。具体的には、2022年には437億円、2023年には541億円、そして2024年の上半期(1月~6月)には268億円と、過去最悪の被害額を毎年更新しています。このような状況を受けて、不正利用対策は喫緊の課題となっています。

2024年3月には「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂され、決済前・決済時・決済後のそれぞれの場面ごとに対策を導入することが求められています。その中で、配送停止も有効な不正利用対策として明記され、手口が巧妙化する不正利用への対策として、大きな期待が寄せられています。

今後の展望と取り組み

「MATTE」のリニューアルに続き、今後は加盟店・カード会社へのMATTE導入推進をさらに本格化させる予定です。目標としては、配送停止依頼の80%以上がカード発行会社・加盟店で直通になるように順次拡大していく方針です。

また、JCBとIWIは「MATTE」を基盤として、加盟店やカード発行会社との連携を強化することで、より不正抑止の効果が見込める機能の充実を図っていきます。これにより、業界全体の不正利用対策が一層強化されることが期待されています。

JCBとIWIの協業の背景

JCBとIWIは、2023年7月に業界全体の不正利用対策を推進するための業務提携基本契約書を締結しました。この提携により、クレジットカード決済の上流から下流までを網羅的にサポートできる仕組みを構築し、業界全体の不正利用対策を推進しています。

本コンソーシアムでは、両社の既存ソリューション提供に留まらず、業界横断的なノウハウやデータの共有による不正検知の高度化を目指しています。これにより、JCBブランドに限定せず、他の国際カードブランドへも仕組みを提供することが期待されています。

会社概要

以下にJCBとIWIの会社概要を示します。

会社名 事業内容 企業HP
株式会社ジェーシービー(JCB) クレジットカード業務、受託業務、融資業務、集金代行業務、前払式支払手段の発行・販売業およびその代行業 https://www.global.jcb/ja/
株式会社インテリジェント ウェイブ(IWI) 決済関連システム、情報セキュリティシステム、データ通信・分析システムの開発および提供 https://www.iwi.co.jp/

以上の情報を基に、JCBとIWIは不正利用対策の強化に向けて、今後も積極的に取り組んでいく方針です。これにより、カード利用者が安心してサービスを利用できる環境を整えていくことが期待されます。