熊本県で外国人観光客が急増!ONE PIECE像が訪問の鍵に
ベストカレンダー編集部
2024年11月19日 14:47
ONE PIECE像訪問促進
開催期間:4月1日〜9月30日
訪日外国人観光客の動態分析
株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西 啓介、本社:東京都港区)のNAVITIMEデータ分析チームは、訪日外国人観光客向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況を基に、訪日外国人旅行者の観光動態に関する分析結果を発表しました。この分析は、訪日外国人観光客の行動データを通じて、日本各地域の魅力向上に寄与することを目的としています。
特に注目すべきは、2019年度と2023年度の比較において、熊本県が外国人旅行者の滞在増加率で最も高い伸びを示した点です。熊本県内の滞在エリアを見てみると、熊本市や阿蘇市、黒川温泉の南小国町といった有名観光地ではなく、宇土市が最も高い増加率を記録したことがわかります。この結果は、熊本地震の復興プロジェクトに関連した「ONE PIECE 熊本復興プロジェクト」に起因していることが示唆されています。
ONE PIECE像の影響
分析では、特に「ONE PIECE 麦わらの一味像」が訪日外国人旅行者の誘客および周遊行動に与えた影響に焦点が当てられています。2016年の熊本地震後、復興のシンボルとして設置されたこれらの像は、外国人旅行者の関心を引き、地域への訪問を促進しています。
具体的には、宇土市の滞在者数は約7.33倍に増加し、特に住吉海岸公園に設置されたジンベエ像が訪問者数の多くを占めています。このように、ONE PIECE像が観光客の訪問を促進する重要な要素となっていることがデータから明らかになりました。
訪問場所の分析
2023年4月から2024年3月にかけての熊本県内の来訪場所を分析した結果、宇土市が最も高い増加率を示しました。以下は、熊本県内の市町村別の滞在者数の増加率ランキングです。
市町村名 | 滞在者数増加率 |
---|---|
宇土市 | 7.33倍 |
熊本市 | 増加 |
阿蘇市 | 増加 |
南小国町 | 増加 |
この結果から、熊本県内の観光スポットが外国人旅行者にとって魅力的であることが伺えます。特に、ONE PIECE像が設置されているエリアでの滞在が顕著に増加していることが確認されました。
周遊行動の分析
さらに、ONE PIECE像を訪れた外国人旅行者の周遊行動についても分析が行われました。2023年1月から2024年9月にかけて、像を訪れた旅行者のデータが収集され、訪問率や周遊状況が明らかになっています。
訪問率が最も高かったのは阿蘇駅前のウソップ像で、観光地としての人気や交通の便の良さが影響していると考えられます。次いでルフィ像、チョッパー像、ゾロ像、フランキー像が続きます。市場別に見ると、東アジアからの旅行者は特にウソップ像の訪問率が高く、他の観光地への立ち寄り地点として利用されていることが示唆されました。
訪問者の動向と周遊の促進
熊本駅からの公共交通機関を利用したアクセス時間と訪問人数の関係を分析したところ、アクセス時間が短い像ほど訪問されやすい傾向が見られました。特に、阿蘇駅前に設置されているウソップ像やフランキー像は、訪問者数が多く、訪問のしやすさが影響していることがわかります。
また、周遊状況に関するデータを集計した結果、ルフィ像とチョッパー像の組み合わせが最も訪れやすいことが確認されました。公共交通機関を利用した場合の所要時間が短い像同士が訪問率としても高いことが示されています。
周遊を促進するコンテンツの重要性
ONE PIECE像を訪問した外国人旅行者の滞在場所を見てみると、人気観光地である熊本城や黒川温泉、阿蘇山の他にも、駅前に設置されているフランキー像の近くの観光スポットへの滞在が見られます。このことから、来訪するきっかけとなるコンテンツがあれば、周辺観光スポットへの滞在が促進される可能性が示唆されました。
まとめ
今回の分析により、新しく設置されたONE PIECE像が訪日外国人旅行者の訪問のきっかけとなり、地域への来訪者数の増加に寄与していることが明らかになりました。また、観光地を一つ訪れるだけでなく、周遊行動にもつながっていることが確認されました。
以下は、今回の分析結果をまとめた表です。
分析項目 | 結果 |
---|---|
滞在者数増加率 | 宇土市が7.33倍 |
訪問率が高い像 | ウソップ像、ルフィ像 |
周遊行動の傾向 | ルフィ像とチョッパー像の組み合わせが人気 |
ナビタイムジャパンでは、訪日外国人観光をはじめ、国内観光や公共交通に関するビッグデータを活用した分析を行っており、観光戦略の検討や地域の活性化に貢献することを目指しています。
参考リンク: