イルミナの新シーケンサーMiSeq i100シリーズが2025年に登場！

イルミナが発表した新しいベンチトップシーケンサー「MiSeq™ i100シリーズ」

2024年11月19日、イルミナ株式会社（東京都港区）は、次世代シーケンサーの新製品「MiSeq™ i100シリーズ」を発表しました。このシリーズは、従来のMiSeqシステムに比べて4倍の速さでシーケンスを行うことができ、最短4時間で結果を得ることが可能です。さらに、試薬キットは常温での出荷および保管が可能となり、解凍待ち時間なしで即日サンプル解析を行うことができます。

イルミナのCEO、ジェイコブ・タイセン博士は、「MiSeq i100シリーズは、より高速かつコンパクトで使いやすい製品が欲しいというお客様のニーズを実現した最新の小型ベンチトップシーケンサーです」と述べています。このシステムは、次世代シーケンサー（NGS）の使用経験に関わらず、すぐに使用できるプラグアンドプレイの柔軟性を持ち、研究者の利便性を向上させることを目指しています。

MiSeq i100シリーズの特長と技術的革新

MiSeq i100シリーズは、イルミナが2011年から提供しているMiSeqシステムの実績を引き継ぎつつ、NovaSeq™ Xシリーズの先進的な技術を取り入れて再設計されています。以下に、MiSeq i100シリーズの主な技術的特徴を示します。

• 常温での試薬キットの保管と出荷：冷蔵保存が不要で、緊急サンプルの即時解析が可能です。
• サステナビリティ：従来のMiSeqシステムと比較して包装廃棄物を85%削減し、温室効果ガスの排出量も低減しています。
• スピード：ランタイムを劇的に短縮し、最短4時間で結果を提供します。
• コスト効率：リサイクル可能なプラスチックなど、コストエフェクティブな消耗品を使用しています。
• ワークフロー：10のアプリケーションで18種類の一連のワークフローを提供しています。
• 操作：次世代シーケンサー（NGS）の使用経験に左右されず、幅広い研究者に対応したシンプルな操作性を実現しています。

特に、MiSeq i100シリーズは微生物学のための小規模全ゲノムシーケンシングや感染症、腫瘍学におけるターゲットNGSパネルをワンタッチで操作できるワークフローを特徴としています。シーケンシングの結果は、シーケンサー上で直接、またはクラウドベースでDRAGEN™ゲノムデータ解析を介して提供され、専門知識の必要性を最小限に抑えています。

研究者の声と実績

イルミナは、世界中の研究者と共にMiSeq i100の先行アクセステストを実施しました。ゲノムケベックの次世代シーケンシングチームリーダーであるジェネビー・ドンピエール氏は、「MiSeq i100の解析スピードは、プロジェクトの続行を早急に判断する必要がある研究者に対して、迅速な回答の提供を可能としました」と述べています。彼女は、試薬キットの解凍に要していた2日間がなくなったことで、シーケンシング解析の計画立案においても画期的な変化がもたらされたと強調しました。

また、チューリッヒ大学医学微生物学研究所のティム・ロロフ・ハンズチン博士は、「MiSeq i100によって細菌培養から結果までのフローを24時間以内に達成でき、その迅速性は革新的です」とコメントしています。彼は、効率性が向上し、培養のサンプルフローを大幅に増加させることができるという柔軟な環境が研究開発の可能性を拡げると述べています。

今後の展開と製品の提供予定

MiSeq i100シリーズは2024年10月9日のオンラインウェビナーで発表され、2025年より全世界に向けて出荷予定です。イルミナは、これにより研究者が求めるスピードと効率性を提供し、より多くのラボに次世代シーケンサーへのアクセスを実現することを目指しています。

詳細については、イルミナの公式ウェブサイトを訪れることで確認できます。新たな技術革新がもたらす未来の研究環境がどのように変わっていくのか、注目されるところです。

以上が、イルミナが発表したMiSeq i100シリーズの概要とその特長、研究者の声、今後の展望についての情報です。この新しいシーケンサーがもたらす影響は、研究の効率性を高め、次世代シーケンシングの普及に寄与することが期待されています。