SC Capital Partnersとキャピタランドが11月20日に戦略的パートナーシップ締結

戦略的パートナーシップ締結

開催日:11月20日

SC Capital Partnersとキャピタランド・インベストメントの提携って何?
SC Capital Partnersとキャピタランド・インベストメントは、成長を加速するための戦略的パートナーシップを締結し、CLIが株式の40%を取得しました。
この提携で何が変わるの?
提携により、CLIはSC Capital Partnersの運用資金を拡大し、日本市場でのプレゼンスを強化することができます。

SC Capital Partnersグループとキャピタランド・インベストメントの戦略的パートナーシップ

2024年11月20日、シンガポールを拠点とする大手不動産投資運用会社SC Capital Partnersグループは、同じくシンガポールに本社を置く上場不動産運用会社キャピタランド・インベストメント(CLI)との間で戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。この提携は、両社の成長を加速させることを目的としており、具体的にはCLIがSC Capital Partnersグループの株式の40%を約2億8,000万シンガポールドルで取得することにより実現します。

さらに、CLIはSC Capital Partnersグループに対して、戦略的資本として最低5億2,400万シンガポールドル(約4億米ドル)を投資します。この投資により、SC Capital Partnersグループは次の成長ステージへのプラットフォームの拡大を図り、投資家とのアライメントを強化していく予定です。

成長機会の獲得と資本配分の加速

SC Capital Partnersグループの創業者で会長のスチャッド・チアラヌサティ氏は、アジア太平洋地域の不動産投資運用市場における成長機会を獲得し、不確実な状況においても機会を創出していくことを強調しています。CLIとの戦略的パートナーシップを通じて、リソースを拡大し、資本配分を加速させることで、規模の拡大を達成することが可能になると述べています。

このパートナーシップにより、CLIは取引成立から3年目と5年目にSC Capital Partnersグループの株式の30%を追加取得する条件付きオプションを持つこととなり、2030年までには完全所有を目指すことが予定されています。その間、スチャッド・チアラヌサティ氏はSC Capital Partnersグループの独立性を維持しつつ、投資活動や投資商品の発売を行っていく方針です。

CLIの運用資金の拡大とプレゼンスの強化

CLIがSC Capital Partnersグループへの戦略的投資を通じて得られるメリットの一つは、同社が保有する上場・私募ファンドの運用ケイパビリティが強化される点です。この投資により、CLIの運用資金は110億シンガポールドルの拡大が見込まれています。さらに、CLIは日本市場でのプレゼンスを強化し、J-REIT市場への進出を果たすことで、アジア太平洋地域最大級のREITマネージャーとしての地位を確立することを目指しています。

CLIのグループCEOであるリー・チー・クーン氏は、この株式取得がCLIのケイパビリティを強化し、重点市場全体での事業の厚みを増すための戦略的な推進活動の一環であると述べています。CLIとSC Capital Partnersグループは、地理的なプレゼンスと補完的なポートフォリオを持っており、様々なテーマ別戦略を網羅した投資活動を通じて、投資家に対しより幅広いアクセスを提供することが可能になるとしています。

SC Capital Partnersグループの概要

SC Capital Partnersグループは、アジア太平洋地域に特化した不動産投資運用会社であり、20年の実績を誇ります。60を超える世界中の機関投資家からの多様な資金プールを保有しており、オポチュニスティック型ファンドシリーズのリアル・エステート・キャピタル・アジア・パートナーズ(RECAP)やコア・プラス・ファンド(SCORE+)などを通じて、リスクとリターンのスペクトル全体にわたって投資活動を展開しています。

また、SC Capital Partnersグループはジャパン・ホテル・リート投資法人(JHR)の資産運用会社であり、日本のホテル資産運用のスペシャリストであるジャパン・ホテル・リート・アドバイザーズ(JHRA)の主要株主でもあります。アジア太平洋地域で8拠点を持ち、シンガポール金融管理庁からキャピタル・マーケット・サービス(CMS)ライセンスを取得しているため、認定投資家および機関投資家向けのファンド運用事業を行っています。

キャピタランド・インベストメント・リミテッドについて

キャピタランド・インベストメント・リミテッド(CLI)は、アジアに強固な基盤を持つ世界有数の不動産資産運用会社であり、2024年9月30日現在、CLIの運用資産は1,340億シンガポールドルに達しています。CLIは6つの上場不動産投資信託と事業信託を持ち、テーマ別・戦術的戦略に投資するプライベート・リアルアセット・ビークルを通じて、1,020億シンガポールドルの運用資金を保有しています。

CLIは、リテール、オフィス、宿泊施設、産業、物流、ビジネスパーク、ウェルネス、セルフストレージ、データセンター、プライベートクレジット、スペシャルシチュエーションなど、多様な不動産資産クラスを取り扱っています。また、ファンドマネジメント、宿泊施設経営、商業不動産経営の各事業をグローバルに拡大し、効果的な資本管理を維持することを目指しています。

持続可能性への取り組みと今後の展望

CLIは、責任ある企業として持続可能性を企業活動の中核に据え、2050年までにスコープ1と2におけるネットゼロ達成を目標に掲げています。これにより、ステークホルダーに長期的な経済価値を提供し、事業を展開する地域社会の環境的・社会的福祉に貢献することを目指しています。

本件は規制当局の承認を経て、2025年第1四半期に成立する予定です。両社の戦略的パートナーシップは、アジア太平洋地域の不動産市場において新たな価値を創出することが期待されます。

項目 詳細
パートナーシップ締結日 2024年11月20日
初期出資額 2億8,000万シンガポールドル(約4億米ドル)
追加取得条件 取引成立から3年目と5年目に30%を追加取得
運用資金の拡大 110億シンガポールドル
運用資産総額(CLI) 1,340億シンガポールドル

このように、SC Capital Partnersグループとキャピタランド・インベストメントの戦略的パートナーシップは、両社の成長を加速させる重要なステップであり、アジア太平洋地域における不動産投資運用市場において新たな可能性を開くことが期待されています。