楽天とAmpere、11月21日からAIコンピューティング効率化を目指す連携強化
ベストカレンダー編集部
2024年11月21日 16:06
AIコンピューティング連携
開催日:11月21日
楽天とAmpereの連携強化による持続可能なAIコンピューティングの実現
楽天グループ株式会社(以下「楽天」)は、持続可能かつ効率的なAIコンピューティングを実現するために、米国の半導体設計企業Ampere Computing LLC(以下「Ampere」)との連携を強化することを発表しました。この取り組みは、データセンターの消費電力を削減することを目的としており、日本国内で初めてAmpereのプラットフォームを大規模に導入することが決定しました。
2023年以降、楽天は自社データセンターにおいてAmpereの提供するCPUを活用した実証実験を行い、その結果、ラック単位での電力消費を36%削減し、スペース利用効率も11%向上させることに成功しました。これにより、高い電力効率が実現され、AIコンピューティングの基盤としてのデータセンターの重要性が再認識されています。
楽天の持続可能な社会への取り組み
楽天は2019年に国際イニシアチブ「RE100」に加盟し、2024年には温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを達成することを目指しています。データセンターの消費電力は楽天の総消費電力において高い割合を占めており、AIの利活用が拡大する中で、サーバーの必要性も増しています。したがって、データセンターの省電力化はますます重要な課題となっています。
この度の連携強化により、楽天は2025年以降にデータセンターにおけるさらなる電力効率向上を目指し、Ampereのプラットフォームの利用を拡大する予定です。これにより、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すことが期待されています。
Ampereの役割と技術的な優位性
Ampereは、高性能で電力効率が高く、持続可能なクラウドコンピューティングに焦点を当てた革新的なCPU設計アプローチを持つ半導体設計会社です。AI推論においても高いコストパフォーマンスを提供し、クラウド環境でのAI推論コンピューティングにおいて優れた価値をもたらしています。
楽天の執行役員である吉田 弘典は、AIの導入に伴い計算リソースの需要が増加している中で、より持続可能なコンピューティングを実現するための基盤や手段の検討が必要であると述べています。実証実験の結果に満足しており、今後もAmpereとの連携を強化し、電力効率の高い持続可能なデータセンターの実現を目指す意向を示しています。
今後の展望と社会への貢献
AmpereのChief Evangelistであるショーン・バーリー氏は、両社の連携により、楽天の社内向けクラウド環境における処理のスケールアウト機能を実現し、消費電力の削減とパフォーマンスの向上を目指すと述べています。AIが大規模なアプリケーションとして位置づけられる中で、魅力的で高コスト効率のソリューションを共に検討していくことが期待されています。
楽天は、IT技術を活用して業界と社会の発展を促進し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていく方針です。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
連携企業 | 楽天グループ株式会社、Ampere Computing LLC |
目的 | データセンターの消費電力削減、持続可能なAIコンピューティングの実現 |
成果 | 電力消費36%削減、スペース利用効率11%向上 |
目標年 | 2024年:カーボンニュートラル達成、2025年以降:さらなる電力効率向上 |
コメント | 吉田 弘典(楽天)、ショーン・バーリー(Ampere) |
このように、楽天とAmpereの連携は、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩であり、AIコンピューティングの未来を見据えた取り組みとして注目されています。