ユーグレナ社が11月21日にパラミロン原末を発表、多機能なスキンケア原料

パラミロン原末発表

開催日:11月21日

パラミロン原末発表
パラミロン原末って何に使えるの?
パラミロン原末は医薬部外品や化粧品の原料として使用され、保湿や皮脂吸着、泡の感触改善などの効果が期待されます。
ユーグレナ社の新しい研究結果は何を示しているの?
パラミロンが肌の免疫力を介して保湿や炎症抑制に役立ち、洗顔料に配合すると泡立ちや皮脂吸着を改善する効果があると確認されました。
ユーグレナ社、新たな医薬部外品・化粧品原料として「パラミロン原末(ユーグレナ多糖体)」を開発 画像 2

ユーグレナ社が開発した新たな医薬部外品・化粧品原料「パラミロン原末」

株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、代表取締役社長:出雲充)は、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)を用いた医薬部外品・化粧品原料として「パラミロン原末(ユーグレナ多糖体)」を独自に開発し、新たに規格化したことを発表しました。この「パラミロン原末」は、医薬部外品原料規格「ユーグレナ多糖体末」に適合し、医薬部外品にも配合可能な原料です。

パラミロンはユーグレナが細胞内に貯蔵する希少成分であり、きのこなどに含まれるβ-グルカンと呼ばれる多糖類に分類されます。水にも油にも溶解しない微細な粒子(平均2-3μm)であり、様々な機能を持つことが確認されています。特に、肌免疫を介した保湿因子の増強、泡の感触改善、皮脂吸着の増強など、多機能にはたらくことが期待されています。

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研究の内容と結果

ユーグレナ社はこれまでの研究を通じて、パラミロンが免疫調整機能において重要な役割を果たすことを報告してきました。今回の研究では、パラミロンが肌に与える影響について改めて確認し、洗顔料やクレンジング剤としての便益についても検討しました。

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1. 肌免疫を介した保湿因子の増強

皮膚は外界と生体組織を隔てる重要な臓器であり、様々な異物にさらされています。異物の侵入を防ぐためには、肌の防御能力を維持することが重要です。ヒトの身体には自然免疫の仕組みが備わっており、皮膚にも免疫細胞が存在します。今回の研究では、ヒト由来のTHP-1マクロファージにパラミロン原末を添加し、その培養上清を皮膚線維芽細胞に添加することで、ヒアルロン酸合成酵素の遺伝子発現に与える影響を調べました。

その結果、パラミロン原末を添加した培養上清は、皮膚線維芽細胞においてヒアルロン酸合成酵素(HAS2)の遺伝子発現を有意に高めることが確認されました。これにより、パラミロン原末が肌の免疫力を介して皮膚のハリや弾力を維持する可能性が示唆されました。

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2. 炎症抑制の可能性

次に、パラミロン原末が免疫細胞の炎症を抑制するかどうかを確認しました。マクロファージにLPS(リポポリサッカライド)を用いて惹起された炎症反応を調査した結果、パラミロン原末はNO(Nitric Oxide)産生量を濃度依存的に有意に低下させました。これにより、パラミロンが炎症を抑制する可能性が示されました。

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3. 洗顔料における効果

パラミロン原末を洗顔料に配合することで、きめ細やかで弾力のある泡立ちや皮脂の吸着を助けることが確認されました。具体的には、パラミロン原末を配合した洗顔料と配合していない洗顔料を比較したところ、前者の泡立ちがよりきめ細やかであり、泡の弾力も高いことが示されました。

また、パラミロン原末を配合した洗顔料では、泡の中にスプーンをのせても沈まず、泡の弾力が保たれることが分かりました。さらに、泡立ち後の泡の貯蔵弾性率を調査した結果、パラミロン原末を配合した洗顔料の泡の方が、より高い貯蔵弾性率を示しました。

パラミロン原末の活用可能性

これらの研究結果から、パラミロン原末は洗顔料やクレンジング剤などにおいて、肌の健やかさを保つための有用な成分であることが期待されます。きめ細かい泡は毛穴の汚れの除去に効果的であり、弾力のある泡は洗顔時の肌への摩擦を低減する効果があります。パラミロン原末を使用することで、くすみやシワの原因となる洗顔時の摩擦を軽減し、汚れを効果的に除去することができると考えられます。

さらに、パラミロン原末と水を混合した液で顔を洗った後、あぶらとり紙を用いて皮膚に残った皮脂量を確認したところ、パラミロン原末を使用した場合の方が皮脂量が減少していることが確認されました。これにより、パラミロン原末が肌の皮脂を吸着する可能性が示唆され、様々な用途での活用が期待されます。

株式会社ユーグレナについて

ユーグレナ社は、2005年に世界で初めて微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養技術を確立し、「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」を企業理念として掲げています。微細藻類ユーグレナやクロレラを活用した食品、化粧品の開発・販売、バイオ燃料の製造、遺伝子解析サービスの提供など、幅広い事業を展開しています。

今後もユーグレナ社は、ユーグレナおよびその含有成分のさらなる解明を通じて、健康食品や医療分野での利活用を目指し、化粧品原料の研究開発を進めていく方針です。

項目 内容
製品名 パラミロン原末(ユーグレナ多糖体)
開発者 株式会社ユーグレナ
用途 医薬部外品、化粧品原料
機能 保湿因子の増強、泡の感触改善、皮脂吸着
研究結果 肌免疫を介した保湿因子の増強、炎症抑制、洗顔料の泡立ち改善

以上の内容から、パラミロン原末は今後の化粧品原料としての可能性が広がり、ユーグレナの持つ特性を活かした製品開発が期待されます。

参考リンク: