りんたろう初の自伝漫画『1秒24コマのぼくの人生』が12月2日発売！

アニメーション監督・りんたろうの自伝漫画『1秒24コマのぼくの人生』が発売

日本のアニメーション界を代表する監督、りんたろうが6年の歳月をかけて完成させた初の自伝漫画『1秒24コマのぼくの人生』が、2024年12月2日に河出書房新社から発売されます。この作品は、フランスで発表され、バンド・デシネとして大きな反響を呼びました。美麗な描線と迫力のある大画面で描かれたこの長編作品は、まさにペンで描かれた映画とも言える内容です。

著者りんたろうの軌跡

りんたろうは1941年に東京で生まれ、終戦を疎開先で迎えました。映画好きの父親の影響を受け、少年時代から映画にのめり込んでいきます。自作した幻燈機を用いて作品の上映会を行うほどの情熱を持ち、映画監督になる夢を抱きながら動画制作スタジオでの勤務を経て、1963年には日本初の連続テレビアニメーション『鉄腕アトム』で演出家としてデビューしました。

その後、1979年には劇場用アニメーション『銀河鉄道999』を監督し、大成功を収めます。この作品は同年の邦画興行収入第1位を記録し、りんたろうの名を広めました。続いて、角川アニメ第1弾『幻魔大戦』や、国際的にも評価の高い『メトロポリス』など、多くの話題作を手掛けてきました。

『1秒24コマのぼくの人生』の内容

本書は、りんたろう自身の半生を描いたものであり、戦後日本のアニメーション史を振り返る貴重な記録でもあります。彼の少年時代から青年期、そして壮年期に至るまでの出来事が、アニメーションの歴史と交錯しながら描かれています。

作品は、以下のようなエピソードを含んでいます：

• 太平洋戦争開戦、疎開先への途上
• 中学生時代、自作の幻燈機で映写するため紙フィルムを制作
• 1958年、東映動画入社、仕上検査部に配属
• 1962年、虫プロ入社、“漫画の神様”手塚治虫との出会い
• 大友克洋との対談をきっかけに、傑作長編アニメ『メトロポリス』が始動

本書の制作の背景と特徴

『1秒24コマのぼくの人生』は、フランス語圏における漫画の形態であるバンド・デシネとして、りんたろうが自身の人生を物語るために描かれました。日本語版の制作にあたっては、著者自身が書き文字のオノマトペを日本語に書き改めるなど、細部にわたるこだわりが見られます。

作品の特徴としては、美麗な描線や迫力のある大画面が挙げられます。一般的な日本の漫画では味わえない独特の風合いと情調が表現されており、まさに長編映画をペンで描いた作品と言えるでしょう。

寄せられたコメント

本書に寄せられたコメントには、以下のようなものがあります：

大友克洋（漫画家・アニメーション監督）

「りんたろう監督の少年時代、青年時代、壮年期とアニメーションの歴史とが交叉する様を描いたこの本を読んで、昭和無頼な先輩たちに感謝したいと思います。」

エルヴェ・ドゥラエ（アニメーション研究家）

「彼のキャリアそのものが日本のアニメーション史の一端を見事なまでに包含していることから、ひとつの日本アニメ史と言ってもいいだろう。」

高橋晶子（日仏コーディネーター）

「バンド・デシネなのにマンガ的、マンガなのにバンド・デシネ的という変わった本として興味を持たれ、そして何よりもバンド・デシネなのに映画的という高い評価を得ました。」

発売記念イベントの開催

『1秒24コマのぼくの人生』の発売を記念して、りんたろう監督の最新作『鼠小僧次郎吉』の公開とともに、サイン会が行われます。2024年11月30日と12月1日の2日間には、上映後にりんたろう監督の舞台トークがあり、トーク後には劇場ロビーにて『1秒24コマのぼくの人生』の先行販売とサイン会が行われます。この機会に、りんたろう監督のファンにとって特別なイベントとなることでしょう。

詳細については、ユーロスペースの公式サイトをご覧ください。

書誌情報とまとめ

以下は『1秒24コマのぼくの人生』に関する基本的な書誌情報です：

りんたろうの半生を描いた本書は、アニメーションファンだけでなく、広く日本の文化や歴史に興味を持つ人々にとっても貴重な一冊となるでしょう。アニメーションの巨匠がどのようにして自らの道を切り開いてきたのか、その姿をぜひお楽しみいただきたい。