2025年1月7日から開催!国立映画アーカイブでメキシコ映画の大回顧を体験しよう
ベストカレンダー編集部
2024年12月7日 10:34
メキシコ映画の大回顧
開催期間:1月7日〜2月9日
上映企画「メキシコ映画の大回顧」について
国立映画アーカイブでは、2025年1月7日(火)から2月9日(日)までの期間、上映企画「メキシコ映画の大回顧」を開催することをお知らせいたします。この企画は、メキシコ映画の豊かな歴史を振り返るものであり、特に1896年に映画が初めて上映されて以来、メキシコがどのように独自の映画文化を発展させてきたのかを探る貴重な機会です。
上映作品は、メキシコ無声映画期の代表作『灰色の自動車』(1919)から始まり、メキシコ映画の黄金期に制作された名作、1960年代の新しい潮流「ヌエボ・シネ」、さらには1980年代までの話題作まで、合計29プログラム(35作品)が予定されています。これらの作品は、メキシコ国立自治大学(UNAM)フィルモテカ、メキシコ・シネテカ・ナシオナル(CN)、メキシコ映画機構(IMCINE)の所蔵作品を中心に、日本未公開作も含まれています。
メキシコ映画の魅力と見どころ
本企画では、メキシコ映画の歴史を彩る数々の作品が紹介されます。特に注目すべきは、1940年代以降のメキシコ映画黄金期に制作された作品群です。エミリオ・フェルナンデスやロベルト・ガバルドンといった巨匠監督による名作は、メキシコ映画の特徴である情熱的なドラマや高い映像美を体現しています。
また、ユネスコの《世界の記憶 Memory of the World》に登録されている『忘れられた人々』(1950)については、1996年に発見された約3分の別エンディング・フッテージも併せて上映されます。これにより、観客はメキシコ映画の歴史とその変遷をより深く理解することができるでしょう。
多彩なジャンル映画の紹介
メキシコ映画は、ジャンルの多様性でも知られています。ホラー映画やプロレス映画など、多種多彩な作品が上映される予定です。例えば、農場を舞台にした「ランチョ映画」の一作『あぶない二人』(1953)や、メキシコ革命を題材にした『パンチョ・ビリャと進め』(1936)、さらにはレスラーを主人公とした『エル・サント対吸血鬼女』(1962)などが含まれています。
さらに、死後の世界を探求する医師の物語を描いた『死後の世界の謎』(1959)や、魔女の復讐を描いた『魔女の鏡』(1960)など、各時代のホラー作品も取り上げられ、メキシコならではのジャンル映画の魅力を紹介します。
女性映画人の作品群
本企画では、メキシコの女性映画監督たちの作品も特集されます。アデラ・セケリョによる『誰の女でもない』(1937)や、マティルデ・ランデタの『街娼』(1951)など、当時の社会的背景を反映した作品がラインナップされます。これにより、メキシコ映画における女性の視点や役割についても考察が深まることでしょう。
また、70年代から80年代にかけて集団で映画を製作したフェミニスト映画作家たちによる「女性映画コレクティブ〈Colectivo Cine Mujer〉」の作品も紹介され、復元されたこれらの力強い作品群を通じて新たな視点が提示されます。
上映作品の一覧と開催概要
上映される作品は、以下の通りです。これらはメキシコ映画の豊かな歴史を代表するものであり、観客に新しい体験を提供します。
作品名 | 原題 | 監督 |
---|---|---|
灰色の自動車 | El automóvil gris | エンリケ・ロサス、フアン・カナルス・デ・オメス、ホアキン・コス |
港の女 | La mujer del puerto | アルカディ・ボイトレール、ラファエル・セビーリャ |
パンチョ・ビリャと進め | ¡Vámonos con Pancho Villa! | フェルナンド・デ・フエンテス |
誰の女でもない | La mujer de nadie | アデラ・セケリョ |
マリア・カンデラリア | María Candelaria | エミリオ・フェルナンデス |
エナモラーダ | Enamorada | エミリオ・フェルナンデス |
忘れられた人々 | Los olvidados | ルイス・ブニュエル |
魔女の鏡 | El espejo de la bruja | チャノ・ウルエタ |
エル・サント対吸血鬼女 | Santo VS. las mujeres vampiro | アルフォンソ・コロナ・ブレイク |
開催概要は以下の通りです。
- 企画名:メキシコ映画の大回顧(スペイン語題:Gran Retrospectiva de Cine Mexicano)
- 会期:2025年1月7日(火)-2月9日(日) ※月曜休館
- 会場:国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階]
- 主催:国立映画アーカイブ、メキシコ国立自治大学(UNAM)フィルモテカ、メキシコ・シネテカ・ナシオナル、メキシコ映画機構(IMCINE)
- 協力:在日メキシコ大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京
- チケット:一般1300円、65歳以上1100円、高校・大学生700円、小・中学生・障碍者手帳をお持ちの方(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ500円
まとめ
この上映企画「メキシコ映画の大回顧」は、メキシコ映画の豊かな歴史を知る貴重な機会であり、ジャンル映画の多様性や女性映画人の作品に焦点を当てることで、観客に新たな視点を提供します。メキシコ映画の魅力を体感するために、この特集に参加することは非常に意義深いことでしょう。
詳細については、国立映画アーカイブの公式ウェブサイトをご確認ください。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にメキシコ映画の世界に触れてみてください。
参考リンク: