ULVACとSALが11月開始!次世代光デバイス向けニオブ酸リチウム技術開発
ベストカレンダー編集部
2024年12月9日 11:42
光デバイス技術開発
開催日:11月1日
ULVACとSAL、次世代の光デバイス実現に向けた連携
株式会社アルバック(ULVAC)とSilicon Austria Labs GmbH(SAL)は、薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)の量産製造プロセス向けにプラズマエッチング技術の開発で連携を開始しました。この取り組みは2024年11月よりスタートし、次世代の光デバイスに必要な材料の製造を目指しています。
TFLNは、広帯域、低損失、高効率の電力特性を持つ材料であり、生成AIの普及に伴い増大するデータ通信容量の需要に応えるため、特に注目されています。ニオブ酸リチウム(LN)は、優れた電気光学的、圧電的、非線形光学的特性を有し、フォトニクスおよび通信分野での理想的な材料として位置付けられています。
TFLNの研究開発とプラズマエッチング技術
オーストリアの先端技術研究機関であるSALは、アルバックのプラズマエッチング装置 Model「NLD-5700」を導入し、TFLNの研究開発を推進します。このプロジェクトでは、200mmプラットフォーム上での材料統合およびスケーラビリティの向上を目指し、製造プロセスの最適化に取り組むことが予定されています。
この技術開発は、複雑化する相互接続の課題に対応するため、急増するデータ通信容量の需要に応えることを目的としています。ULVACのプラズマエッチング技術は、薄膜材料の加工において高い精度と効率を実現するため、TFLNの量産化において重要な役割を果たすことが期待されています。
両社のコメントと意義
アルバックの執行役員であり、装置事業本部 電子機器事業部長の岩井治憲は、次のように述べています。「アルバックは光デバイス分野を今後の成長を支える重要な領域と位置付けています。SALとの協力は、私たちの長年にわたる化合物分野における実績を活かし、両社にとって有益な結果を生むと確信しています。今後も積極的なサポートを提供し、共同での発展を目指してまいります。」
一方、SALの常務取締役であるMohssen Moridi博士は、「アルバックの独自のプラズマ技術と、私たちの集積フォトニクスの専門知識を組み合わせることで、次世代分野における技術革新を推進していきます。このパートナーシップは、私たちがマイクロエレクトロニクスエコシステム全体に利益をもたらすソリューションを提供するという強い意志を示しています。」とコメントしています。
アルバックとSALの背景
株式会社アルバックは、真空技術を基盤とした製造装置やコンポーネント、分析機器、材料、サービスを提供する真空総合メーカーです。真空技術は、半導体や電子部品、ディスプレイ、自動車、医薬品など、幅広い業界で利用され、最先端のイノベーション創出に貢献しています。
SALは、マイクロシステム、センサーシステム、インテリジェント無線システム、パワーエレクトロニクス、組込みシステムの分野で一貫した研究成果を生み出し、アイデアを革新へとつなげることを目指しています。両社の連携は、これらの分野での技術革新をさらに加速させることでしょう。
まとめ
ULVACとSALの連携により、薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)の量産に向けたプラズマエッチング技術の開発が進められます。この取り組みは、次世代の光デバイスに必要な材料の製造を目指し、急増するデータ通信容量の需要に対応することを目的としています。
以下に、今回の連携に関する重要な情報をまとめました。
項目 | 内容 |
---|---|
連携開始日 | 2024年11月 |
対象技術 | 薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)のプラズマエッチング技術 |
使用装置 | アルバックのプラズマエッチング装置 Model「NLD-5700」 |
目指す成果 | 200mmプラットフォーム上での材料統合およびスケーラビリティの向上 |
関連リンク | ULVAC公式サイト |
このように、ULVACとSALの協力は、次世代の光デバイス実現に向けた重要なステップとなるでしょう。両社の強みを活かした技術開発が、今後の業界にどのような影響を与えるか注目されます。
参考リンク: