Nordic Thingy:91 Xが12月11日に発表、セルラーIoT開発を効率化する新デバイス
ベストカレンダー編集部
2024年12月11日 11:48
Thingy:91 X発表
開催日:12月11日
Nordic Thingy:91 Xの概要
ノルディック・セミコンダクター株式会社は、2024年12月11日に新しいIoTプロトタイピングプラットフォーム「Nordic Thingy:91 X(以下、Thingy:91 X)」を発表しました。このプラットフォームは、セルラーIoTアプリケーションの開発を効率化し、市場投入までの時間を短縮することを目的としています。
Thingy:91 Xは、nRF9151システム・イン・パッケージ(SiP)を基盤にしたバッテリー駆動のデバイスであり、LTE-M、NB-IoT、GNSS、DECT NR+技術をサポートしています。このデバイスは、米国関税の対象外で、グローバル認証を取得しているため、幅広い市場での利用が可能です。
Thingy:91 Xの主な機能
Thingy:91 Xは、さまざまなセンサーを搭載しており、環境条件の監視や動きの追跡が可能です。また、プログラム可能なボタンやLED、複数のアンテナを備えており、ユーザーのニーズに応じた柔軟な利用が可能です。特に、1350mAhの充電式Li-Poバッテリーは、NordicのnPM1300パワーマネジメントIC(PMIC)によって管理され、優れたバッテリー寿命と精密な燃料計測を実現しています。
さらに、Thingy:91 XにはOnomondoおよびWireless LogicのプリインストールSIMカードが付属しており、ユーザーはすぐにセルラーIoT接続を利用することができます。初期セットアップ時には、Nordicのワイヤレスソリューション向けクラウドサービスプラットフォーム「nRF Cloud」のWebインターフェースにシームレスに接続し、Thingy:91 Xの位置を正確に特定することができます。
位置測定技術の統合
Thingy:91 Xは、NordicのnRF7002 Wi-FiコンパニオンICを採用しており、Wi-Fi SSIDによる位置測定を他の位置測定技術と組み合わせて活用します。このIoTプロトタイピングプラットフォームは、セルラー(シングルセル「SCELL」およびマルチセル「MCELL」)、Wi-Fi、GNSSを含む複数の位置測定技術をサポートし、nRF Cloud Location Servicesを通じて位置測定精度と電力消費の最適なバランスを実現しています。
この特長により、Thingy:91 Xは資産追跡アプリケーションに最適であり、効率的なデータ収集と位置追跡を可能にします。Nordic Semiconductorの長距離ビジネス部門担当エグゼクティブ・バイスプレジデント、Oyvind Birkenes氏は「Thingy:91 Xほど簡単にセルラーIoTアプリケーション開発を始められる方法はありません」と述べており、開発者が直面する課題を解決するための強力なツールであることを強調しています。
開発者向けのサポートとリソース
Thingy:91 Xは、Nordicの統合型でスケーラブルなソフトウェア開発キット「nRF Connect SDK」に対応しており、開発者がこのプラットフォームを最大限に活用できるように設計されています。さらに、NordicのDeveloper Academyでは、Thingy:91 Xを利用するためのトレーニングやリソースが提供されています。
このように、Thingy:91 Xは、開発者がセルラーIoTアプリケーションを迅速に構築できるようにするための多くの機能とサポートを提供しています。現在、Thingy:91 XはNordicの販売チャンネルを通じて入手可能です。
Nordic Semiconductorの企業情報
ノルディック・セミコンダクター(Nordic Semiconductor)は、1983年に設立されたノルウェーのファブレス半導体企業で、モノのインターネット(IoT)のためのワイヤレス通信技術に特化しています。現在、世界中に1,400人を越える社員が在籍し、Bluetooth Low Energyをはじめとする超低消費電力無線テクノロジーのリーディング・プロバイダーとして知られています。
Nordicは、ANT+、Thread、Zigbeeに対応する製品を持ち、2018年には低電力でコンパクトなセルラーIoTソリューションを発表しました。2021年にはWi-Fi技術を取り入れ、製品ポートフォリオをさらに拡充しています。Nordicは、開発者がRFの複雑さから解放され、最先端のワイヤレス技術を活用してイノベーションを構築できるようにすることを目指しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
製品名 | Nordic Thingy:91 X |
発表日 | 2024年12月11日 |
主な機能 | セルラーIoTアプリケーションの開発を効率化、位置測定技術の統合 |
搭載技術 | nRF9151 SiP、nRF7002 Wi-FiコンパニオンIC |
バッテリー | 1350mAh充電式Li-Poバッテリー |
サポート | nRF Connect SDK、Developer Academy |
以上のように、Nordic Thingy:91 Xは、セルラーIoTアプリケーションの開発を加速するための強力なプラットフォームであり、開発者にとって多くの利点を提供します。これにより、さまざまな分野でのIoTソリューションの実現が期待されます。
参考リンク: